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9 突撃、隣の魔族集落! 準備編
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ララは小屋の裏手に回ると、大量の干し肉を持ってきた。どうやら保存食として、売り物として、取って置いたようだ。
母が何の肉だと聞くと、「エレファントタートル」という、象のような亀だという。この森では大量に繁殖しており、動植物を食い荒らす魔族たちの天敵だそうだ。なので、ララはそいつらを狩って生活するハンターだそうだ。
魔族にも多くのハンターがいるが、逆に食われることもあり、危険な魔物と教えてくれた。ララは毎日命がけのデスゲームを強いられているようだ。
「これをロバに積ませてくれ。ちょうど乾燥が終わったから、これも売ってお金にしたい」
「一応聞くけど、魔族たちが使うお金って、どんなの?」
「一緒だよ。大陸の通貨は人間と一緒だ。魔族にも人間と通じてるやつがいて、そいつらと取引している。というか、一部の魔族は人間と協定を結んでいるからな」
「そ、そうなの?」
「戦争が終わってから協定を結んだだろう? 知らないのか?」
母エレノアはとても若く見えるが、実をいうと100歳は超えている。しかも生まれてからずっと奴隷で、世界のことはあまり知らない。閉鎖された環境で仕事をさせられてきたからだ。
仕事は様々だったが、美しい為、夜伽の仕事が多かった。ゆえに、子供も多く授かった。みんな死んでしまったのは、病気や仕事の関係で死んでしまった。今は私、立花メアこと、ルーナだけである。ちなみに、私は口が悪いけど、女の子だよ。男だと思った? ざんねーん。ハズレー。
とにもかくにも、ララと私、母と大根たちは、ロバと干し肉を連れて出発する。
大根たちは10匹ほどいるため、そろそろ名前でも付けるか迷った。
みんな『薬草! ウマし!』としか言わなくなっているので、もう誰が誰だかわからない。一応、それぞれに個性はあるようだが、見分けがつかなかった。
「魔族の集落にはもっと強力な結界が張ってある。通行証が無ければ通れないから、私から離れるな。昼間に活動する魔物の方が、この森は多い。そいつらにも気を付けろ」
ララはロバを先導して、道なき森を歩き始める。私は母に抱かれてついて行くだけなので、楽ちんだ。問題は、母と一蓮托生なので、母が殺されれば自動的に私も殺される。出来れば魔物とは会いたくない。私は大根たちに命じて、母の周りをガードさせる。
『エレノア、護ル!』
『護ル!』
『ルー!』
大根たちはバンザイしながらついてくる。チョコチョコ動く姿は可愛いが、こいつらは戦えるのだろうか? 不安でしょうがない。
今日はぐっすり寝て、母のおっぱいももらった。大量の寝グソをしておしめも交換してもらった。今の私は魔力が充実している。最悪は、私のチート魔法で切り抜けてやる。
私は大根たちに囲まれ、森の奥を目指した。
母が何の肉だと聞くと、「エレファントタートル」という、象のような亀だという。この森では大量に繁殖しており、動植物を食い荒らす魔族たちの天敵だそうだ。なので、ララはそいつらを狩って生活するハンターだそうだ。
魔族にも多くのハンターがいるが、逆に食われることもあり、危険な魔物と教えてくれた。ララは毎日命がけのデスゲームを強いられているようだ。
「これをロバに積ませてくれ。ちょうど乾燥が終わったから、これも売ってお金にしたい」
「一応聞くけど、魔族たちが使うお金って、どんなの?」
「一緒だよ。大陸の通貨は人間と一緒だ。魔族にも人間と通じてるやつがいて、そいつらと取引している。というか、一部の魔族は人間と協定を結んでいるからな」
「そ、そうなの?」
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母エレノアはとても若く見えるが、実をいうと100歳は超えている。しかも生まれてからずっと奴隷で、世界のことはあまり知らない。閉鎖された環境で仕事をさせられてきたからだ。
仕事は様々だったが、美しい為、夜伽の仕事が多かった。ゆえに、子供も多く授かった。みんな死んでしまったのは、病気や仕事の関係で死んでしまった。今は私、立花メアこと、ルーナだけである。ちなみに、私は口が悪いけど、女の子だよ。男だと思った? ざんねーん。ハズレー。
とにもかくにも、ララと私、母と大根たちは、ロバと干し肉を連れて出発する。
大根たちは10匹ほどいるため、そろそろ名前でも付けるか迷った。
みんな『薬草! ウマし!』としか言わなくなっているので、もう誰が誰だかわからない。一応、それぞれに個性はあるようだが、見分けがつかなかった。
「魔族の集落にはもっと強力な結界が張ってある。通行証が無ければ通れないから、私から離れるな。昼間に活動する魔物の方が、この森は多い。そいつらにも気を付けろ」
ララはロバを先導して、道なき森を歩き始める。私は母に抱かれてついて行くだけなので、楽ちんだ。問題は、母と一蓮托生なので、母が殺されれば自動的に私も殺される。出来れば魔物とは会いたくない。私は大根たちに命じて、母の周りをガードさせる。
『エレノア、護ル!』
『護ル!』
『ルー!』
大根たちはバンザイしながらついてくる。チョコチョコ動く姿は可愛いが、こいつらは戦えるのだろうか? 不安でしょうがない。
今日はぐっすり寝て、母のおっぱいももらった。大量の寝グソをしておしめも交換してもらった。今の私は魔力が充実している。最悪は、私のチート魔法で切り抜けてやる。
私は大根たちに囲まれ、森の奥を目指した。
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