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10 突撃、隣の魔族集落! 道程編
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私は現代の日本から転生している。インターネットが普及し、誰もがみんなスマホをもって歩いている時代から転生してきた。
私の死因はよく覚えていないが、自殺だった気がする。
いきなり重い話になるが、レイプされた記憶が鮮明に残っており、それが理由で自殺した記憶がある。友人からの裏切りによる、レイプ。転生する際に記憶があやふやになっている部分があるが、それだけは覚えている。
両親にも冷たくされていたのも記憶にあるし、私の前世はろくでもない状態だった。
生後半年で、日中の大半は寝てしまう私だが、前世の記憶は多少なりとも覚えているのだ。
「あぅぅ」
「ん? どうしたの? うんち?」
私は母に優しく言われ、首を横に振る。
「違うの? もう少しで着くからね? 我慢してね?」
母はとても優しい。日本で生きていた頃の母とは、比べ物にならない。
エレノアは女神のような微笑みを私にくれる。少し抜けているところがあるけど、私にとってはかけがえのない母だ。
今世は最初からハードモードだけど、大人になって魔法を自在に使えるようになれば何も怖くない。それまでは母と一緒に頑張る。優しいエルフの母と頑張るのだ!
◆◆◆
私は今、母に抱きかかえられ、森の中を歩いている。ダークエルフのララに連れられ、けもの道を歩いている。
大根たちは私たちの周りを守るように歩いているが、小石につまづいて転んだり、近くに生えている野草を食べまくっている。危険な魔物が出る森だというのに、緊張感が全くない。
私たちを守ってくれるのか本当に疑問だが、逆に彼らが死ぬのもそれはそれで嫌だ。私が勝手に生み出した魔物だし、私の命令で死ねというのも言いたくない。彼らはもう、仲間だ
「んげぇッんげぇ」
ロバが汚い鳴き声で鳴いた。
うーむ。こいつらは元衛兵だ。母をこき使っていた人間だ。ロバになって当然のクズだし、こいつらには同情の余地がないか。残念だけど、魔族の村でお別れだね。
ララに連れられてしばらく歩くこと一時間。母が息を切らして、休憩しましょうとララに言った時、問題は起きた。最悪のタイミングで、それは起きてしまった。
「魔物だ! エレファントタートルだ! 逃げろ!」
虫の居所が悪いのか、巨大な亀が木々をなぎ倒して突っ込んでくる。私たちを食べるつもりなのか?
「ララ! いつも狩ってるんじゃないの!? 倒してよ!」
「無茶いうな! 奴らを倒すには、罠を使うんだよ! 正面から戦える相手じゃない! 見ればわかるだろ! 地竜と同じくらい、デカいんだぞ!」
確かに、大きさはアフリカゾウ並みにデカい。それに背中には亀の甲羅を背負っている。ものすごい防御力のありそうな魔物だ。
「ちょ! ロバはどうするのよ! 一緒に逃げないと!」
「諦めろ! 何匹かは生き残るだろうから、あとで捕まえに来ればいい! 今は逃げるんだ!」
「えぇ!?」
ロバたちはその場で「んげぇんげぇ」鳴くだけで、逃げることもできない。足がすくんで動けないようだ。大根たちもどうしたらいいか分からず、大混乱だ。不思議な踊りを踊って、てんやわんやな状態だ。やはり、巨大な魔物に対しては大根たちでは無理があった。
くそ。最悪の展開だ。母も疲れている。逃げ切るのは無理だ。ララも先頭のロバだけでも逃がそうと必死になっているし、なによりもう時間がない。エレファントタートルがこちらに突っ込んでくる。魔族の村に着く前に魔法は使いたくなかったが、仕方あるまい。
喰らえ! エレファントタートル! 我が魔法、レクリエイショ…………!?
ン?
「助けが必要か? お嬢ちゃんたち」
え? なに?
私が魔法を使おうとしたところで、空から肉の塊が降ってきた。
筋肉ダルマが地鳴りを響かせて、エレファントタートルと私たちの間に割って入ってきた。
その筋肉ダルマは、よく見ると私の知っている生物だった。
そう、彼こそは。
オークの戦士だった。
鼻をひくつかせ、ブヒブヒ言っていた。かっこいい登場が台無しであった。
私の死因はよく覚えていないが、自殺だった気がする。
いきなり重い話になるが、レイプされた記憶が鮮明に残っており、それが理由で自殺した記憶がある。友人からの裏切りによる、レイプ。転生する際に記憶があやふやになっている部分があるが、それだけは覚えている。
両親にも冷たくされていたのも記憶にあるし、私の前世はろくでもない状態だった。
生後半年で、日中の大半は寝てしまう私だが、前世の記憶は多少なりとも覚えているのだ。
「あぅぅ」
「ん? どうしたの? うんち?」
私は母に優しく言われ、首を横に振る。
「違うの? もう少しで着くからね? 我慢してね?」
母はとても優しい。日本で生きていた頃の母とは、比べ物にならない。
エレノアは女神のような微笑みを私にくれる。少し抜けているところがあるけど、私にとってはかけがえのない母だ。
今世は最初からハードモードだけど、大人になって魔法を自在に使えるようになれば何も怖くない。それまでは母と一緒に頑張る。優しいエルフの母と頑張るのだ!
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私は今、母に抱きかかえられ、森の中を歩いている。ダークエルフのララに連れられ、けもの道を歩いている。
大根たちは私たちの周りを守るように歩いているが、小石につまづいて転んだり、近くに生えている野草を食べまくっている。危険な魔物が出る森だというのに、緊張感が全くない。
私たちを守ってくれるのか本当に疑問だが、逆に彼らが死ぬのもそれはそれで嫌だ。私が勝手に生み出した魔物だし、私の命令で死ねというのも言いたくない。彼らはもう、仲間だ
「んげぇッんげぇ」
ロバが汚い鳴き声で鳴いた。
うーむ。こいつらは元衛兵だ。母をこき使っていた人間だ。ロバになって当然のクズだし、こいつらには同情の余地がないか。残念だけど、魔族の村でお別れだね。
ララに連れられてしばらく歩くこと一時間。母が息を切らして、休憩しましょうとララに言った時、問題は起きた。最悪のタイミングで、それは起きてしまった。
「魔物だ! エレファントタートルだ! 逃げろ!」
虫の居所が悪いのか、巨大な亀が木々をなぎ倒して突っ込んでくる。私たちを食べるつもりなのか?
「ララ! いつも狩ってるんじゃないの!? 倒してよ!」
「無茶いうな! 奴らを倒すには、罠を使うんだよ! 正面から戦える相手じゃない! 見ればわかるだろ! 地竜と同じくらい、デカいんだぞ!」
確かに、大きさはアフリカゾウ並みにデカい。それに背中には亀の甲羅を背負っている。ものすごい防御力のありそうな魔物だ。
「ちょ! ロバはどうするのよ! 一緒に逃げないと!」
「諦めろ! 何匹かは生き残るだろうから、あとで捕まえに来ればいい! 今は逃げるんだ!」
「えぇ!?」
ロバたちはその場で「んげぇんげぇ」鳴くだけで、逃げることもできない。足がすくんで動けないようだ。大根たちもどうしたらいいか分からず、大混乱だ。不思議な踊りを踊って、てんやわんやな状態だ。やはり、巨大な魔物に対しては大根たちでは無理があった。
くそ。最悪の展開だ。母も疲れている。逃げ切るのは無理だ。ララも先頭のロバだけでも逃がそうと必死になっているし、なによりもう時間がない。エレファントタートルがこちらに突っ込んでくる。魔族の村に着く前に魔法は使いたくなかったが、仕方あるまい。
喰らえ! エレファントタートル! 我が魔法、レクリエイショ…………!?
ン?
「助けが必要か? お嬢ちゃんたち」
え? なに?
私が魔法を使おうとしたところで、空から肉の塊が降ってきた。
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