左半身でしか魔術を使えない異世界

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一章 始まった異世界での日常

No.17 望まぬ物

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「この先だ」
エース達3人が扉を見据える。
「…開けるよ」
「あぁ」
「えぇ」
ぎィィという錆び付いた音と共に扉が開く。
…扉の色とは裏腹に、内部は白色に統一されていた。そして中央には…
「これは…」
「すごい」
「…なんにも無いな」
そう。何も無い。
「…嘘だろ?」
「噂は…」
「…まさかねぇ?」
辺りを見渡しながら進んでいくと、すぐに部屋の端に着いた。
「マジだ。マジで何も無い」
「そんな…」
「…いや。あそこに何かある」
アッシュが前方下を指さす。
そこにはライトアップされ、光が反射している床。
「…とうとうおかしくなったか」
「いやそこ。なんか違和感ない?」
「そう言えば…あそこだけなんか横の筋が妙に深いような…」
そこの床のタイルの周りの溝だけ、他の場所よりも若干深く感じる。
「…行ってみるか」
エースはその床のタイルの真上にしゃがみ、持ち上げる。
「…やっぱりか」
タイルの下にあったのは地下への階段。
RPGとかでよく見るやつだ
「この先絶対何かあるよね?」
こういう階段は罠か或いはボス戦等の強制イベント発生だと相場が決まっている。
「あるね」
「ありますね」
二人も全くの同意見のようだ
「まあ行くしかないでしょ?」
「だな」
地下へと続く階段を一歩一歩ゆっくり降りていく。
壁の窪みには燭台が置いてあり、不気味な雰囲気を醸し出している。
「やっぱり戻りませんか?」
ミレーヌが震えた声で言うが、そういう訳にもいかない
ここしか道がない以上ここを通るしかないのだ。
「まだなのかよ…」
階段を降り始めて5分程経ったが、一向に最後の段が見えてこない。
「疲れるね~これは…」


それからまた5分後…


「おっ見えてきたぞ」
遂に地面が見えてきた。
「ドンだけ歩いたと思ってるんですか!」
ミレーヌが足元にあった石を思いっきり蹴りつける。
…かなり鬱憤が溜まってるようで
「さーてここには何があるのかな?」
3人が下に降り立つと、やはり扉が控えていた。
「また扉か…」
「この中には一体何が…」
「とりあえず開けてみようか」
錆び付いた鈍い音と共に、扉が奥に開く。
「えっ?」
「これは…」
「…普通の金属?」
そこにあったのは金属の山だった。
「嘘ですよね?」
「嘘ではないね」
「だな」
アッシュが金属の山の前に立ち、じっと見つめる。
「…」
その張り詰めた空気からか、しばらくの間静寂が訪れた。
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