左半身でしか魔術を使えない異世界

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二章 王都招集

No.29 闘技大会④

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「さて一度休憩を挟み、午後から第三、第四ブロックを開始したいと思います」

「全く…結構ヤバイやつ多いな」

「こりゃ僕も骨が折れそうだ」

「マジで言ってる?お前それ」

「いやあ~『閃光』とか『舞踏姫ぶとうき』に勝てると思う?」

「なぁ。『閃光』が確実にヤバイやつだってのは試合を見てたら分かったんだが…『舞踏姫ぶとうき』はどうなんだ?」
閃光の剣技は人の域を超えていた。
それについていく『舞踏姫ぶとうき』も大概だろう。
只者ではない。
「…『舞踏姫ぶとうき』アイダ・スカーレット。王都防衛騎士団団長。王都の中でも訓練された精鋭達が集う騎士団だ。戦闘スタイルだけど風魔術を主に得意とし、レイピアの剣技の腕もたつ」

「聞いていいか?」

「どうぞ」

「アッシュお前その王都防衛騎士団に入ってたとかないよな?」
こいつの王都招集にも何らかの理由があるはずだ。

「あるよ」

「…え?」

「だからあるって」
マジかよ…
王都の精鋭だと?
この物凄い貧相な服を着ているこの男が?ありえないダルルォ?
「第三ブロックを開始致します。出場する選手は控え室にお集まり下さい」

「一度観客席に戻ろう」

「だな」
戻ると既に選手達が入場を終えていた。
「なんか凄い大男がいるんだけど…」

「いや。うん見えてる」
フィールド中央に立っていたのは身長2…いや…3mちょっとの男。有り得るのかよ…
筋肉。特に上腕二頭筋が隆々と盛り上がっている。
武器は何も持っていない。
…まさか。
そんな事があるはずが無い。
「試合ィ!開始!」

「今すぐに立ち去れ愚か者共ォ!」
選手が全員声の方を振り向く。
…あの男だ。大男。
「俺にぶちのめされたくねぇならとっとと失せろォ!!!」
このセリフで選手が怒ったのか殆どが向かっていく。
冷静な判断をしている者はフィールド端で待機。
「仕方ねぇなボゲェ!!!!いいだろうかかって来やがれェェェ!!!」
いちいちうるせぇなぁ…観客も結構な人数が耳塞いでるよ。
「ウラァァ!調子に乗るんじゃねえ!」
サーベルを持った選手が7人程正面から向かっていく。
「愚か者にしてはいい度胸だ!しかし…身の程を知れ!!!」
ただ全力で殴るフルスイング!!!!!!!』
その7人全員が男の腕の横ぶりで吹っ飛ばされ、フィールドアウト。
というかあれは技なのか?
魔術なのか?
ただ殴ったようにしか見えない…
「この俺に逆らうからこうなるのだァ!!!」
…俺こういう奴大嫌いだわ。
苦手以上に拒絶反応起こすタイプだこれは。
その光景を見てしまった選手の大男に恐れをなしたのか、自らフィールドアウトしていった。
逃げ遅れた選手は災難だったな。うん…
「第三ブロック終了!本選に進出するのはガイル選手とラー選手。ダイザ選手とリク選手です!おめでとうございます!」
…大男の名はガイルと言うらしいが、おめでとうございますじゃないよ。
すっげえ不本意そうな顔をしてるもん。
お気の毒だな。
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