左半身でしか魔術を使えない異世界

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二章 王都招集

No.41 血のデメリット

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「血液の…消費?」

「あぁ。そもそも魔王の力は人間には到底扱える代物ではない。だからこそ人類以外の種族を配下として置いたのだ」

「なるほど…つまりかつての魔皇はその力をデメリット無しで使えたと…しかし人体ではその負荷に耐えられないから血液を犠牲とすると…」
確かにそうすれば納得がいく。
「彼女の力はそれが他の魔皇と比べて著しく高いのだ。だから…」

「だから?」

「君達に彼女…私の娘を預けていいのかと…思ったのだ…試してしまい申し訳無い」

「自分の娘を心配する気持ちは分かります」

「ん?ということは俺達は…」

「あぁ。娘を連れて行って構わない」

ミレーヌ・サイリア
改めてエース一行に正式加入。

「えっ!?いいんですかお父様!?」

「構わないよ。彼らと共に広い世界を見てくるといい」

「ッ~~!ありがとう!」

「よかったな」

「ハイ!これからよろしくお願いします!アッシュさんエースさん!」





…エース達がサイリア家に到着する数分前のこと。
王都防衛騎士団遠征部隊駐屯地
「!?」

「なんなんだこれは?」

「どうしたのだ?」
兵士達が困惑していると、司令官が、奥のテントから出てくる。
「それが司令官…地鳴りが…」
耳を澄ませると、かなり遠くからズゥンズゥンと低い音が聞こえてくる。
「…嫌な予感がするな」

「えっ?」

「…念のため、王都に連絡しろ。翼竜グリフォンを出せ今すぐにだ」

「はっ…はい!」





☩☩☩



「さてと…今日はどこでご飯を食べようか」

「宿とか家とかは王様が用意してくれるらしいけどな」

「昨日今日で出来るものではないでしょ」

「…まぁな」
話をしながら歩いていると、古びた看板の酒場を見つける。
「獰猛な猟犬亭?」
なんかやばそうな名前なんだが?
でも中の様子を見る限り、繁盛はしているようだ。
「失礼しまーす」
木の扉を開けると、そこにはたくさんの人々。
しかも大半が立っている。
立ち飲み屋なのか?
カウンターにも円テーブルにも椅子はないから恐らくそうなのだろう。
ミレーヌは目をキラキラと輝かせている。
「…ミレーヌこういう所初めてなのか?」

「えっ?えぇまぁ」
そりゃ貴族がこんな貧祖な店にいてはいけないだろうな…
「「「「「────ッ!」」」」」
一番手前のテーブルの客達が、俺達の顔を見て驚愕する。
「?」

「アニキー!」
「アッシュの旦那ァ!会いたかったぜ!」
「お久しぶりです!」
アッシュの周りにゾロゾロと客が群がる。
いや…ワラワラとの方が正しいか。
アッシュの旦那ァと言った奴の言葉から、奥の客も集まってきているのだから。
「なんだお前らか…」

「どういう関係だ!お前!」
客達の渦に呑まれながら、必死でアッシュに問いかける。
「コイツら…ここの衛兵ッ!ちょっ…まっ変なところ触んな!」

「も~うちょっとなんの騒ぎなのよ~♡」
カウンターの奥の扉からここのマスターらしき人が出てくる。
…なにあれ女装?
見た感じソッチ系の人だ。
隆々とした筋肉が物語っている。
「─ッ!?アッシュちゃん?」
その言葉を聞いた瞬間アッシュの表情が凍りつく。
「やだ~♡いつの間に戻っていたの?」
…えっ?
すると客の渦を掻き分けて、アッシュが俺に話しかけてくる。
「助けてくださいお願いします何でもしますから(棒)」

「…ん?今なんでもするって」

「ふざけてないでお願い助けて」
うん。表情がガチだ。
青ざめている。
唇も紫色になってる。
「う~ん♡アッシュちゃ~ん♡」

「来るな来るな!ギィィィィヤァァァァァァ!」

「「…」」
「戻るかミレーヌ」

「はいそうしましょう」

「いや!!!!本当にお願い待って助けて!!!あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
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