左半身でしか魔術を使えない異世界

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二章 王都招集

No.50 祝勝会

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腐龍ニブルヘイム討伐後、エース達は『獰猛な猟犬亭』にて祝杯を上げていた。
 いつも以上に繁盛しており、マスターのドロイトや、店員であるロマも大忙しだ。
「全く嫌になっちゃうわね~♡まぁ賑やかなのはいい事よ♡」

「そうじゃのう! 騒げるのはいい事じゃ!」

「あれ? エース呑まないの?」

「すまん……俺未成年だから」

「あぁ……まぁいいでしょ」
 以前からエースは気にしていたのだが、死んで目が覚めたとき。つまり転生直後の意識が戻ったときに自身の身体が元の世界から縮んでたことを考えてた。
 それに落下する際に聴こえてきた謎の声。
「……オ チ タ マ エ…ね」
 復唱するかのように小声でつぶやく。
あの神とやらの言っていた王都に迫る異変も恐らく今回の件だろう。
「…今すぐにでも会って問いただしてぇ」

「どうしたの?」

「いや…何でもない」

「葡萄酒呑む?」

「戴こう…」
 酒は全く飲んだことがないが、ここでデビューするのも悪くは無いだろう。
木のコップに口をつけ、中の紫色の液体を、喉から通過させる。
「ウッ…」

「お味は?」

「美味い」



──数時間後
「飲んでないっすよ~!?」

「…」

「…」
 現在、アッシュとミレーヌは人生最大の面倒事を抱えていた。
「ぐで~」

「置いて帰る?」

「賛成です」
 飲みすぎて酔ったエースの処理方法である。
「幾ら何でも調子乗って飲み過ぎだ! ふざけやがって!?」

「仕方ないですよもう。ここまで来たら…力ずくです」
 ミレーヌは背負っている杖を取り出そうとするが、
「辞めて。ほっとけば起きる……かな?」

「やっぱり確信ないじゃないですか。この際殺しましょう」

「何故そうなる!?」

「あらあら~♡これはちょっと困るわね~♡」

「…すまん。何とかするからちょっと待っててくれるか?」

「ワイが起こしたるわ」

「手に負えないから頼めるか?」

「任しときぃ」
 常に声のボリュームがでかいロマならこいつを眠りの淵から引き戻すことが出来るかもしれない。
「全員耳を塞ぎなさい♡」

「オウ…」
 その場の全員が固唾を飲んで見守るなか、一人息を吸い込むロマ。
「起きんかい! ボゲェ!!」
声を荒らげながら思いっきり脳天に拳骨を食らわすと、
「にゃあ!?」
という素っ頓狂な声を上げてその場に倒れた。
「…これでええか?」

「あぁ。すまん」

「大丈夫ですか?」

「何とか。済まない。酔いが覚めた」

「ならいい」

「何か言うことは? エース」

「スミマセンデシタ」



*****



その後も皆は楽しいひと時を満喫した。
エース達三人が勘定を払い、外へ出ようとすると、勢いよく扉が開かれた。
そこにいたのはミレーヌの父アヴァとサイリア家のメイド長リュミエスだった…
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