左半身でしか魔術を使えない異世界

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二章 王都招集

No.49 決着

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「アッシュあのヤロー……スナイパーライフルぶち込みやがったなさては…」
同じ転生者だからこそ分かるその一撃の重さ。
標的を確実に仕留める暗殺者の専門武器。
「にしてもこれは……」
墜ちていく腐龍ニブルヘイムの背中に乗る少年は叫ぶ。
「これは無いだろ! 幾ら何でも!」
いくら泣き言を言おうとも、地面は迫ってきている。
「おいおい! これは幾ら何でも死……」
瞬間、頭の中に流れ込む。



「オ チ タ マ エ」



「!?」
地面に龍のその巨体が落下する。
「やっべ……エース死なせちゃったかも」

「「おい! それだけで済んでたまるか! 阿呆かお前は!?」」
クラウドとアイダが同時にアッシュに怒鳴りつける。
「いや……待って。煙が晴れる」
眼前まで迫っている二人の顔を左手で制止させ、右手で墜ちた方向を指さす。
「エース!」
そこには腐龍ニブルヘイムの上に立つエース。
心配してそこに駆けつけようとするアッシュ達第二小隊を制止し叫ぶ。
「急いで最高火力をそいつにぶち込め! 腐息アレがくる!」

「第一小隊!」
こんなところで腐息アシッドブレスのような広範囲攻撃を受けてしまえば、全滅は必至になるし、そんなことになれば王都は壊滅したうえ、後にかつて世界を蹂躙した魔王に成り代わるだろう。
絶対に避けなければならない。
「奴は瀕死! 一気に叩き込め~!」
火炎砲カノン
魔術砲弾による稲光と共に、サイリア家のありったけの魔術が降り注ぐ。
「俺も離れないと……」
エースはアッシュに合図し、翼竜グリフォンを呼び寄せるように示す。
「……わかった」
数秒待つと彼の翼竜グリフォンはエースの元に到着し、彼を乗せて離脱した。
「すげぇ……」

「エース操縦変わって」

「は?」
アッシュから手綱を受け取る。
「いや待て! 俺無理だから!?」

「行ける行ける! 最後の仕上げがあるんだ! 自分を信じて?」
いやここでそれっぽい展開見せられても困るから!?
と言いたいところだが、文句は言えない。
腐龍ニブルヘイム討伐には彼の武器が必要なのだ。
「揺れるな…でもまぁこの程度なら」
風に煽られる土台。
でも当てる。彼なら確実に。引き金に指を掛ける。
「checkmate」

「砲撃やめ!伏せろ!」
アッシュのスナイパーライフルから放たれた銃弾は着弾すると同時に爆発。
「爆破弾!? おまっ…」

「言ってなかったけど僕の『創具の加護』はあらゆるものを創り出す。武器のみだけど、これはもう一つの『魔弾の加護』と相性いいんだ!」
言葉からするに彼は爆破弾とスナイパーライフルを創り上げたのだろう。
「……末恐ろしいことだ」





──数分
「…やったか!?」

「ひとつ言っとくぜアイダ団長。それをフラグってんだ」

「……? なんだそれは」

「いや…なんでも」
その後爆風によって舞った砂埃は晴れた。そこを見ると爆破弾により地面は陥没し、そこには腐龍ニブルヘイムが倒れていた。
念の為にとエースが目にサーベルを突き刺すが、反応はなかった。
この瞬間、そこにいる全員が歓喜した。
当然、敵に部下や同僚を殺された者もいただろう。
それでも喜んでいた。歓声を上げていた。
いや、もしかすると、少しでも現実から離れていたいという思いがあったのかもしれない。















王都防衛騎士団は腐龍ニブルヘイムに勝利した。
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