不幸な少女の”日常”探し

〚第二章〛〜名無し編〜

〚31話〛「奴隷生活その３」

　朝。
　
　
　
　
　
　今日もいつも通り仕事だ。
　
　木箱を持ち、石を運ぶ…　いつの間にか手の豆は潰れ血が出ていた。
　
　足は地面を踏むほど痛みが走り、もう走ることはままならなくなっていた。
　
　そして…
　
　…最近は僕がお気に入りなようで、変態貴族は今日も僕を抱いている。
　
　他の女の違い煩く声を上げなく喘がないのが良いらしい…
　
　たしかに僕は声は一切上げてない。
　
　そして夜、
　
　いつものパンにいつものスープ。
　
　いつも通りの寒い牢での就寝。
　
　
　
　
　
　
　そして朝。
　
　いつも通り仕事。
　
　そしていつも通り抱かれ。
　
　いつも通り自己アピール時間で、そういえば僕はこの時間一回も喋ったことがなかった。
　
　そして夜。
　
　硬いパンの破片に、冷たく水に近く、野菜のクズが入ったようなスープ。
　
　いつも通りの…いつもより寒くなった気がする。
　
　
　
　
　
　
　
　朝。
　
　いつも通りの仕事。
　
　足がおかしくなり、紫に変色始め、よろける度に鞭を打たれ。
　何度も転び。
　
　
　昼過ぎ、
　
　奴隷生活初日に話しかけて来た女の子が売れた。
　
　買った人は男で鼻の下に髭を蓄えた一見紳士そうな男だった。
　
　その女の子は幸せそうな顔で売られていった。
　
　きっといい毎日を送るんだろう…そう思った。
　
　
　
　夜。
　
　今日は皆で水浴びをさせられた、とても冷たく、肌が裂けるような冷たさだった。
　
　そのまま就寝。
　
　
　今日は特に寒く、いつもより皆で固まって寝た。