不幸な少女の”日常”探し

〚第二章〛〜名無し編〜

〚33話〛「奴隷生活その４」

　いつものように朝が来た。
　
　今日はちょっと股が痛い。
　
　昨晩は奴隷商人達がお楽しみだったようで、僕まで順が回ってきた。
　
　乱暴に差し込まれた挙句、乱暴に出し入れされるアレが痛く、更にはそのせいで夜は寝れず、今日はちょっと身体がだるい。
　
　それはさておき今日も仕事だ。
　
　いつものように痛む右足を引きずりながら木箱を持ち上げる、
　
　だが…
　
　バタッ
　
　一瞬目眩が起こり、倒れてしまう。
　
　そのせいで奴隷商人に鞭を打たれてしまう。
　
　きっと寝不足だから貧血でも起こしたのかな？そう思いいつものように木箱を持ち上げる。
　
　そして、だるい身体を動かし石を積み上げる。
　
　それを運んでいき捨てる。
　
　木箱に積み…捨てる、積み…捨てる、積み…捨てる、積み…捨てる、それを何回何十回繰り返しただろうか。
　
　いつの間にか奴隷売買の時間だった。
　
　
　
　
　
　
　
　
　そして奴隷たちの努力の…チャンスの時間は過ぎ、ご飯の時間になった。
　
　奴隷の食事は、作る人がいる。
　そういう仕事があるのだ　『奴隷の食事係』　それはとても楽な仕事で、給料は少なくは無い。
　なのでやる人が多いと思いきや、それは違った。
　
　何日も身体を洗えていない奴隷達が次々と並んで、ご飯を受け取りに来るのだ。
　
　一般人には辛い仕事だろう。
　奴隷達の鼻が曲がりそうな臭いは。
　
　なので大体は経歴に犯罪履歴、昔に盗賊をやっていて鉱山主刑を終えた元　半奴隷だったような人達がやって来るのだ。
　
　それでは当然まともに料理など作れるはずもなく、作るのは盗賊時代に記憶してたスープを作るぐらい。
　
　さらには奴隷達に宛てられる食費は極力少なく奴隷達にはなるべく金をかけないといった、奴隷商人達の強欲な金欲によって使える材料はごく僅か…　最近では奴隷商人達の食べかす…つまり残飯などを使いもしていた。
　
　それは仕方のないことだった、奴隷達は食べなくては生きてはいけない、奴隷商人達は楽、贅沢がしたい、つまり、奴隷達の食費を、奴隷達の身体を洗う水を、身体拭う布も、無くしていけばいい。だが最低限（必要最低限以下）飯を与えれば良いと。
　
　そんな食事を終え。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　就寝時間。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　何故かいつもよりぐっすり眠れた気がした。