不幸な少女の”日常”探し

〚アフターストーリー〛〜不幸な少女のその後〜

〚4〛「徹夜でゲーム」

　帰ってくると、日向は中でシャワーを浴びていたので、脱衣所にコンビニで買った袋のまま置いて置いた。
　
　そしてリビングの、まるで毛布のような手触りの茶色いソファに寝そべると、テーブルに手を伸ばしリモコンを手に取り、テレビをつけた。
　
　なんか面白いのやってないかなー。
　
　そう思いながら日向が風呂を上がるのを待った。部屋に戻ってしまうと、日向が困ると思った僕の配慮だ。
　
　流石に初めてくる家で、僕の部屋を知っていたら怖いからな。
　
　ｶﾞﾁｬｯと、音が聞こえた。脱衣所から出てきたようだ。
　
　「ありがとう…ございます」
　
　「いいって、それよりどうする？」
　
　「…え？」
　
　「ここで暮らす？暮らしたくないなら父親の所まで送るけど、ま、今はやめといたほうがいいと思うけど」
　
　父親絶賛落ち込み中だからな。
　
　「ここで……暮らさせて下さい…！」
　
　日向はまるで怒られる前の子供のようにギュッと目を瞑り俯いた。
　
　「じゃ、決定だな。部屋どこがいい？」
　
　「ぇ…？あ…どこでも大丈夫です」
　
　「じゃあ…そうだな…、一階に使えそうな部屋は無いから……二階の一番奥の部屋以外なら好きな部屋使ってくれ、ただ」
　
　「ただ…？」
　
　「僕の部屋の近くだと夜ゲームで煩いかもしれない…ボイチャとかで」
　
　「分かりました…」
　
　「ま、それは夜決めればいいか、あ、それとパソコン部屋に置いとくから好きに使って、父親のだから」
　
　「…はい」
　
　
　
　
　
　
　
　””
　
　
　
　
　
　
　
　
　結局夜までダラダラと過ごしていた。
　
　僕は適当に残り少ない期間のイベントの周回。
　日向は冷蔵庫にあったミルクティーを飲みながらテレビを見ていた。
　
　夕方には日向の荷物を纏めたり夕飯作ったりしたけど。
　因みに日向の荷物は、学校の道具のみ。しかもチョビチョビ物が無いし。
　
　夜には部屋を決めた。僕の部屋から一番離れた部屋になった。パソコンと荷物、着れそうな服をいくつか置いた。
　
　さて、ゲームしますかね。