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〚アフターストーリー〛〜不幸な少女のその後〜
〚14〛「父親とお話」
しおりを挟む「日向は居るのか…?」
父親はケーキをテーブルの上に置きながらそう言ってきた。
「居るよ」
父親は周りに日向の姿が無いことに、少し俯く。
「日向は…部屋か」
「そう、……これさっきまで一緒にやってた」
そう言ってスマホでナーヴソフトウェアの公式サイトを見せる。ついでにコップにミルクティーを二人分注いでくる。
「そうか…ゲームか、仲良くやってるようで良かった」
そう言った父親の表情は軽くなる。そしてミルクティーを受け取った。
「今は…ゲーム中なんだな…じゃあ後で一緒に食べてくれ、ケーキ買って来たから」
「ありがと、あ…話したいことがあった」
「どうした…?」
僕は前から考えていた事を話すことにした。……学校を休んでゲームをしたい事を。
「学校休むわ」
「ごふっ……」
むせた父親にティッシュを渡す。
「いきなりだな…」
「理由は今やってるゲームをやり込みたい」
「そうか…」
そう父親は言い、例えお小遣いが無くなってもか?そう聞いてきた。
……いつの間にか覚えていたスキルがある。
【複製付与】これは任意の物に複製付与をつけると、好きな個数コピー出来る。簡単に言うと、好きなだけ増やせるのだ。
これを使えばお金持ちになる事だって夢では無い。しないけど。
「お小遣いが無くなっても大丈夫、光熱費だって払わなくても大丈夫だよ」
「そう…か、分かった。でもやっぱりお小遣いは…」
「大丈夫だって、父親だって生活苦しいだろ?」
「そう…だけど、やっぱり…」
「だったら、お願いが一つある」
「な…なんだ?」
「落ち着いてからでいい、………戻って来て欲しい」
これ以上、こんな父親見てられない。一応家族なんだし、離婚したあの母親は違うけど。
「…………」
父親は18の時に母親、璃沙と結婚したらしい。その時に僕が産まれた。そして19の時に、日向を出産し、不倫されていたことが分かり離婚した。
不倫されていたショックで、マンションを借りてそこで住んでいる。色々な理由で、僕に会うのが辛く、でも悪いとでも思ってるのか、毎月少なくない仕送りをし。
でも、僕にはしっかりとした職につけるようにと、せめて高校を卒業させてあげたいと、仕送りの条件を学校に行くことにしていた。
自分の貯金がもう殆ど底をついているのに。
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