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〚アフターストーリー〛〜不幸な少女のその後〜

〚32〛「異世界で強い魔物を倒す(1)」

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 受付嬢に貰った地図を頼りに歩くこと3時間。…そう、3時間。
 
 薄暗い森の中をひたすら進みようやく見つけたのだ、ブラッドウルフを。
 
 長かった(柚希が歩きたいといったからこんな事になった)道のりも終わり、いざブラッドウルフを前にするが、柚希は脚をぷるぷるさせて地面とにらめっこだ。
 
 取り敢えずブラッドウルフを魔導ミスリルで拘束。
 
 「す…すまないのじゃ…、…儂もそろそろ歳かのう…」
 
 「馬鹿言うなって、柚希が歳なら僕は何だよ…柚希のそれは肉体のある身体に慣れてないだけだろ」
 
 「ガルルッ、カウッ」
 
 ブラッドウルフは牙を剥き出しにし、拘束している僕を噛み砕かんと口を開いたり閉じたりしていた。
 
 「…のう、月那」
 
 「ん、なんだ?」
 
 「今気が付いたんじゃが……儂武器を持っとらん」
 
 「ほう」
 
 「それで…なんじゃが」
 
 「武器を貸せと」
 
 「頼むのじゃ…」
 
 「…んー、これでいいか?」
 
 そう言って、過去に収納した男の武器を取り出した。長剣だ。
 
 「おお、ありがたい。使わせてもらうのじゃ」
 
 剣を渡すとキラキラした顔で立ち上がったので、もう大丈夫そうと判断した。
 
 「じゃあ、拘束を解くぞ」
 
 「了解じゃ」
 
 魔導ミスリルの拘束を解いた瞬間、僕に向かってとびかかってきた。僕にむかって…。
 
 まあ物理無効なので当然その攻撃は弾かれる。
 …マジでこれには悩まされた。
 
 昔ピアスをしたくてピアッサーを使ったら壊れるわ、針は通らんわ、最終的には魔導ミスリルで針作って刺そうとしたからなあ…。
 
 結局固有スキルでスキル無効にしてからやったからなんとかなったものの…あの時は大変だったわ。
 
 「月那。…儂も戦いたいんじゃが…」
 
 なんて考えに耽っているうちに柚希が拗そうになっていた。
 
 「ああ、すまん」
 
 取り敢えず神隠しで気配を消すと、ブラッドウルフは首をかしげ、匂いを探していた。
 
 「おおう…いざ狙われると迫力があるのう…」
 
 僕はスマホを取り出しムービーを撮り始めた。
 
 なんだか小学校の運動会に来た親の気分だ。
 
 まあこのムービーは日向達に見せるために撮ってるんだがな。
 
 目標を見失ったブラッドウルフは近くにいた柚希をロックオンする。
 
 対する柚希はぶっちゃけびびって震えていた。
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