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〚アフターストーリー〛〜不幸な少女のその後〜

〚39〛「空中都市」

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 新しく出来たダンジョンの奥地。
 
 「なんだ、案外呆気ないな」
 
 「お姉ちゃんが強すぎるだけなんじゃ…」
 
 スキル【終極】を二度撃てる月那は、開幕ぶっ放し、MP回復ポーションがぶ飲み&スキル【終極】を何回かし、呆気なくクリアしてしまったのだ。
 
 そして第二層。
 転移のエフェクトが止むと。
 
 「うお~…」
 
 「凄い…」
 
 見渡す限り雲海が広がっていた。
 
 「綺麗な夕陽だね…」
 
 「そうだな…」
 
 マップが山上なのか、転移先が山上なのか…。
 
 「降りれるみたいだよ!」
 
 「本当だ」
 
 どうやら転移先が山上のようだ。
 目の前には看板が立っていて、山を少し降った先に街があるみたいだ。
 ということは山の途中に街がある…ということなのだろうか。
 
 「取り敢えず、街に向かってみるか」
 
 「うん」
 
 お、今すれ違ったやつどこかで見たな。
 
 ……ん?
 どこかでって…どこでだっけなあ。
 この世界ではないことは確か…だよ…な……………あ。
 
 ああっ、あいつッ!
 
 「悪い日向、先行っててくれ!」
 
 「えぇっ!?」
 
 すぐさま振り返り…………いなくなっていることに気づく。
 やっぱり人違いか?そうだよな…、ゲームで同じ顔なんてよくあるだろ。多分…。
 
 「いや、やっぱり何でもない」
 
 「う、うん??」
 
 混乱している日向を連れて街へ向かった。
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