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〚始まりは神から〛

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 「…起きたみたいだね、こんばんは」

 私は夢を見ているのだろうか。目の前に宙に浮いている人が居る…。と言うことは死ねていない…のだろうか。

 「ううん、君は死んだよ」

 そう…なんだ…。…………。

 「僕は一度しか君の前に現れる事が出来ない、だからよく話を聞いてね」

 …何の話だろうか。

 「これから君は異世界で生まれ変わる、みんなこうして生まれ変わるんだよ、これは誰にも決められないルール。勿論僕、神でもね」

 神…様。

 「そう、神様。それでね、生まれ変わるには運が大きく関わってくる、人にはステータスというものがある、でも運というのはステータスの中には無いんだ、ステータス外ステータスだね、ステータスもそうだけど、運を僕は弄る事が出来ないんだ、なんでこんな話をしたかと言うと、…君のステータス外ステータス、運の数値が異常なんだ」

 異常…?

 「そう、エラーを起こしているんだ、数値が見えないんだよ。…このままでは次の世界でも不幸なまま、残念だけど僕にはどうする事も出来ないんだ。」

 不幸…のまま…。

 「でも…ステータスならこの一度…一度だけなら弄れる。僕のステータスを少し分ける事は出来るよ。だから、今から見せるステータスの中で、上げたい項目を言って。僕が分けれる分を分けるから」

 その言葉を聞き終わると、目の前に半透明な言葉や数値が浮かんで来た。

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 名前:---
 年齢:---
 性別:女
 種族:---
 職種:---

 《ステータス》
 レベル:1
 体力:14/14
 魔力:8/8
 筋力:3
 俊敏:18
 物理耐性:2
 魔法耐性:2

 《固有スキル》

 《スキル》
 □精神耐性

 《称号》

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 「これがステータス、君のだよ。ステータス、固有スキル、スキル、称号は生まれ変わりの時に記憶と一緒にリセットされるんだ、全て記憶に結び付いているからね。弄れる数値は一項目だけだけど、記憶を残したまま生まれ変わるようにしてあげる、さあ、好きなのを選んで」

 ……………もう、痛いのも…

 「…うん」

 …苦しいのも嫌…。

 「うん…」

 ……痛く無いようにして欲しい…。

 「…分かったよ、物理耐性を僕の限界まで渡してあげる」

 すると、私の身体を光が包む。

 「時間だね…僅かだけど僕の何も出来ない償いを…」

 不安からか、伸ばした手は、透けて向こうが見えていた。

 「ごめんね…」

 私の伸ばした手を優しく握る。そして……。




 ””



 行ったね……。

 ごめんね…僕の力は来世へは続かない。

 もう少し…僕に力があったら…。

 せめて…僕からの贈り物…加護を。

 「不幸な少女に…幸せな日常が訪れますように」
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