死にたがり(愛されたがり)の悪役令息

たまも。

文字の大きさ
62 / 79
フォンルージュ家編

59-虚しい行為※

しおりを挟む



「ぅぅぅぅ…♡ァーーー…♡♡」


「まだわからない?兄上」


どれくらいだったのだろう。

快楽で馬鹿になった頭はずっと浮いていて、感覚が鈍くなっているはずなのに、下半身の刺激は今だ拾い続けている。

棒が入っているおかげで射精できず、出したいと思うが、その気持ちもお尻の刺激で飛んでいき雲散して、ひたすらメスイキを繰り返す。

ヨダレを垂らして喘ぐだけになってきた僕を見て、ラルクは呆れたように僕に言う。


「…わかった。兄上はもっと苦しいのが好きなんだな。」


「っ…ぁぅぅ…♡」


ちが、ちがう。くるしいのきらい。
いたいのもきらい。

でも、でもっ…、だめだ。

ラルクが何に怒っているのか。きっと死にたがったから、死のうとしたから。

でもそれがなんで?なんでそれで怒ってるの。わからない。

何故か謝りたくない。胸に空いた穴を見られる気がして、見られるわけないのに。


ラルクが新たな玩具を手に持つ。
卵よりも小さいピンク色の錠剤を大きくしたみたいな形の玉。

ローターだ。

5個の小さい凶器を持っていた。


抵抗できない僕はされるがまま、ラルクはローターを2個ずつ、両乳首を挟むように当ててテープで固定する。

残りの1つは僕の陰茎の裏筋に当てて取り付ける。

想像できるようで出来ない先の恐怖に心臓がバクバクする。


「兄上、ほら、言えよ」


死のうとしてごめなさい。ただ言うだけ。言うだけなのに口が動かない。身体が言うことを聞かない。

言え、言えって。おねがいだから。


「…そうか。残念だな。兄上」


ヴヴヴヴヴヴ…


電池ではなく魔法で動くのだろうか、ラルクが残念そうに呟いた後、指をパチンと鳴らす。ローターについてるハートのマークが怪しく光り、振動し始める。


「ッや゛ァァァァァッッ♡♡!!!ラゥクッ♡!ごめんなしゃッ♡♡!!ゆるしぇ…ッ♡とめてっ…!!とめッ…~゛~ンンッ♡♡!!」


全身に降りかかる暴力的な快楽に意識が飛んでしまうが、お尻の玩具とローターの刺激でまた現実に引き戻され、逃避することすら許されない。

地獄だ。


ラルクがローターの振動を止めて僕に問いかける。


「兄上」


訳が分からなくなってる僕の目の前に中指と親指を使い指パッチンの形を見せつけてくる。


言わないとまた鳴らすよ。


言葉で言われなくても分かる。


「ッぁ…ごめなしゃッ…死のうとして、ごめんなさい…ごめんなさ…っ♡」


強情な口が追い詰められてやっと動いてくれた。


「…どう悪いって思ってんの?俺がどう思って怒ってるか。説明して」


「っ…は…え…っ?」


え、死のうとしてごめんだけじゃ、だめなの…?

答えられない僕に無慈悲に目の前でまた指を鳴らす。


ヴヴヴヴヴヴ…


「ッッッあ゛ァ゛ァァァァァァァ♡♡♡♡!!!」


おかしくなるっ!もうやめてやめてっっ!!!


「し、しんでッ、ラルクをッくぅァァッ♡♡!ひとりにっ、しようとしたからぁッッッごめんなしゃぁぁッッ♡♡♡ァァァッ♡♡!!」


ヤケクソで喘ぎながら半狂乱になって叫んだ。

どうやら正解だったようで振動が止まる。肩で息をする僕はもう何も分からないくらいグズグズになっていた。


「ごめっ…グスッ…ぅぁ…ごめんなさい…ごめんなさぃぃ……」


ひたすら謝る僕の陰茎に刺さっている棒を引っ張り、ゆっくりと引き抜いていく。

ヌププ…ツポポポ…


「っぁぁ…ふぅ…ぁ……♡」


ヌポ、


棒が抜けきり、解放される。


「っは…♡ぁんー…ッ♡ぁぁ…」


今まで出せなかった精子や尿がトロトロと溢れ出てベッドを汚す。
競り出てくる感覚に身体をを震わせながらお尻の玩具を締め付けゆるくずっとイっている。


「兄上」


ラルクがずっと僕を苦しめてきたお尻の玩具を抜いていく。コリコリと僕の前立腺を抉りながら抜けていく玩具に、また絶頂し、足の指がキュウと丸まる。

クチュっと音を立て玩具が出ていき、すべての刺激からやっと解放された。

はふはふと息をしてグダグダになってる僕をラルクが正面から抱きしめる。
ゴリゴリとズボン越しにラルクの猛った肉棒が僕の腹に当たる。


「おれには…っあにうえしかいない…なのに、なんで、なんで俺の前から消えようとするんですかッ、なんでだよ…!

こんな家に、独りにするなよ、

1人で犠牲になんてなるなよ…

おれに大したことは出来ないけど、何でも1人で抱え込もうと、何でもやろうとするなよ…なあ」


ラルクの肩が小さく震えてる。


「っ…は……ごめ、んね…」


手を使えない代わりにラルクの震えている頭に自身の頭を擦り付ける。


「ごめ……ごめん…ごっッんぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁぁ…!?」


いつの間にかズボンを下げて顕になっていたラルクの肉棒が、グズグズになってる僕の中に一気に入ってくる。

玩具に散々いじめられた僕の弱い所を温かい鬼頭で抉られ、軽く絶頂する。


グチュッたちゅんっにちゅにちゅにちゅ


「ぁっ、ん゛ぃっ…!あっ、あっ、あ…ッ♡」


玩具とは違うちゃんと熱を持ったモノで奥を突かれ、きゅううと身体と心が歓喜したように収縮する。

棒を入れられてバグってしまったのか、くたりと僕のものはただ無気力に倒れている。ずっと頭でイっていてもう訳が分からなくなっていた。

だからなのか、胸から波打ったように大きな切なさが僕を襲う。
胸の穴から我慢していた感情が溢れ出したように、身体を、頭を支配する。


「ぁっふ…ぅぁぁっ…ぅぅ……ぁあああッ」


ぼろぼろと目が熱くなって涙が出て来て止まらない。

なんで、かなしくないのに、なんで?

わからない。わからないけど、

胸が切なくて仕方がない。


「ぅぅぅっ…はぁっ…グスッ…ぁぅッ…っぁぁ…!」


ラルクにとちゅとちゅと優しく奥を突かれる。

こんな姿他人に見せちゃダメなのに、抑えようとしても突かれる度に押し出されるように切ない感情が出てきて泣いてしまう。

追い打ちをかけるようにラルクが僕の涙を拭うように頬を撫でる。

真っ直ぐ、僕を見て、僕に言う。


「あにうえ、俺がいるから。

おれには我慢しなくていいから。

兄上が俺を助けてくれたように、

俺にも兄上を助けさせてよ。




兄上、愛してます」





呪いだ。その言葉は。

僕を縛り付ける。呪いの言葉だ。

駄目なのに。入れたら、駄目なのに。

僕に入ってこないで。入らないでって言ったのに。


僕は知らない。愛を知らない。

だから依存しかできない。依存は駄目。

駄目なのに、駄目なのに。
入れちゃ駄目なのに。駄目なのに。


どうせラルクも僕を断罪するのに、残酷だね。酷い、酷いよ。


ラルクだって愛を知らないだろ。知らない奴同士、傷ついた者同士で慰めあってただ傷を舐め合ってるだけの虚しい行為だ。こんなの。こんなの…



「ぅっ、ぁ…あぁあぁぁあぁぁあぁぁぁ…!」



初めて僕は他人の前で泣いた。醜い声をあげて、触る手を涙で汚して。

汚い自分をラルクに見せてしまった。


もっと汚れるのにラルクはそんな僕にキスをして、ただひたすら優しく促すように腰を動かしてきた。甘やかすように、依存させるように。



ひどい、ひどい。

かなしい、かなしい。



僕が泣き疲れて何も出来なくなるまで、傷の舐め合いは続いた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが

松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。 ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。 あの日までは。 気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。 (無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!) その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。 元日本人女性の異世界生活は如何に? ※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。 5月23日から毎日、昼12時更新します。

少女漫画の当て馬に転生したら聖騎士がヤンデレ化しました

猫むぎ
BL
※イヴ視点26以降(ハルフィリア編)大幅修正いたします。 見てくださった皆様には申し訳ございません。 これからも見ていただけたら嬉しいです。 外の世界に憧れを抱いていた少年は、少女漫画の世界に転生しました。 当て馬キャラに転生したけど、モブとして普通に暮らしていたが突然悪役である魔騎士の刺青が腕に浮かび上がった。 それでも特に刺青があるだけでモブなのは変わらなかった。 漫画では優男であった聖騎士が魔騎士に豹変するまでは… 出会う筈がなかった二人が出会い、聖騎士はヤンデレと化す。 メインヒーローの筈の聖騎士に執着されています。 最上級魔導士ヤンデレ溺愛聖騎士×当て馬悪役だけどモブだと信じて疑わない最下層魔導士

普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。

山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。 お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。 サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。

処理中です...