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フォンルージュ家編
59-虚しい行為※
しおりを挟む「ぅぅぅぅ…♡ァーーー…♡♡」
「まだわからない?兄上」
どれくらいだったのだろう。
快楽で馬鹿になった頭はずっと浮いていて、感覚が鈍くなっているはずなのに、下半身の刺激は今だ拾い続けている。
棒が入っているおかげで射精できず、出したいと思うが、その気持ちもお尻の刺激で飛んでいき雲散して、ひたすらメスイキを繰り返す。
ヨダレを垂らして喘ぐだけになってきた僕を見て、ラルクは呆れたように僕に言う。
「…わかった。兄上はもっと苦しいのが好きなんだな。」
「っ…ぁぅぅ…♡」
ちが、ちがう。くるしいのきらい。
いたいのもきらい。
でも、でもっ…、だめだ。
ラルクが何に怒っているのか。きっと死にたがったから、死のうとしたから。
でもそれがなんで?なんでそれで怒ってるの。わからない。
何故か謝りたくない。胸に空いた穴を見られる気がして、見られるわけないのに。
ラルクが新たな玩具を手に持つ。
卵よりも小さいピンク色の錠剤を大きくしたみたいな形の玉。
ローターだ。
5個の小さい凶器を持っていた。
抵抗できない僕はされるがまま、ラルクはローターを2個ずつ、両乳首を挟むように当ててテープで固定する。
残りの1つは僕の陰茎の裏筋に当てて取り付ける。
想像できるようで出来ない先の恐怖に心臓がバクバクする。
「兄上、ほら、言えよ」
死のうとしてごめなさい。ただ言うだけ。言うだけなのに口が動かない。身体が言うことを聞かない。
言え、言えって。おねがいだから。
「…そうか。残念だな。兄上」
ヴヴヴヴヴヴ…
電池ではなく魔法で動くのだろうか、ラルクが残念そうに呟いた後、指をパチンと鳴らす。ローターについてるハートのマークが怪しく光り、振動し始める。
「ッや゛ァァァァァッッ♡♡!!!ラゥクッ♡!ごめんなしゃッ♡♡!!ゆるしぇ…ッ♡とめてっ…!!とめッ…~゛~ンンッ♡♡!!」
全身に降りかかる暴力的な快楽に意識が飛んでしまうが、お尻の玩具とローターの刺激でまた現実に引き戻され、逃避することすら許されない。
地獄だ。
ラルクがローターの振動を止めて僕に問いかける。
「兄上」
訳が分からなくなってる僕の目の前に中指と親指を使い指パッチンの形を見せつけてくる。
言わないとまた鳴らすよ。
言葉で言われなくても分かる。
「ッぁ…ごめなしゃッ…死のうとして、ごめんなさい…ごめんなさ…っ♡」
強情な口が追い詰められてやっと動いてくれた。
「…どう悪いって思ってんの?俺がどう思って怒ってるか。説明して」
「っ…は…え…っ?」
え、死のうとしてごめんだけじゃ、だめなの…?
答えられない僕に無慈悲に目の前でまた指を鳴らす。
ヴヴヴヴヴヴ…
「ッッッあ゛ァ゛ァァァァァァァ♡♡♡♡!!!」
おかしくなるっ!もうやめてやめてっっ!!!
「し、しんでッ、ラルクをッくぅァァッ♡♡!ひとりにっ、しようとしたからぁッッッごめんなしゃぁぁッッ♡♡♡ァァァッ♡♡!!」
ヤケクソで喘ぎながら半狂乱になって叫んだ。
どうやら正解だったようで振動が止まる。肩で息をする僕はもう何も分からないくらいグズグズになっていた。
「ごめっ…グスッ…ぅぁ…ごめんなさい…ごめんなさぃぃ……」
ひたすら謝る僕の陰茎に刺さっている棒を引っ張り、ゆっくりと引き抜いていく。
ヌププ…ツポポポ…
「っぁぁ…ふぅ…ぁ……♡」
ヌポ、
棒が抜けきり、解放される。
「っは…♡ぁんー…ッ♡ぁぁ…」
今まで出せなかった精子や尿がトロトロと溢れ出てベッドを汚す。
競り出てくる感覚に身体をを震わせながらお尻の玩具を締め付けゆるくずっとイっている。
「兄上」
ラルクがずっと僕を苦しめてきたお尻の玩具を抜いていく。コリコリと僕の前立腺を抉りながら抜けていく玩具に、また絶頂し、足の指がキュウと丸まる。
クチュっと音を立て玩具が出ていき、すべての刺激からやっと解放された。
はふはふと息をしてグダグダになってる僕をラルクが正面から抱きしめる。
ゴリゴリとズボン越しにラルクの猛った肉棒が僕の腹に当たる。
「おれには…っあにうえしかいない…なのに、なんで、なんで俺の前から消えようとするんですかッ、なんでだよ…!
こんな家に、独りにするなよ、
1人で犠牲になんてなるなよ…
おれに大したことは出来ないけど、何でも1人で抱え込もうと、何でもやろうとするなよ…なあ」
ラルクの肩が小さく震えてる。
「っ…は……ごめ、んね…」
手を使えない代わりにラルクの震えている頭に自身の頭を擦り付ける。
「ごめ……ごめん…ごっッんぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁぁ…!?」
いつの間にかズボンを下げて顕になっていたラルクの肉棒が、グズグズになってる僕の中に一気に入ってくる。
玩具に散々いじめられた僕の弱い所を温かい鬼頭で抉られ、軽く絶頂する。
グチュッたちゅんっにちゅにちゅにちゅ
「ぁっ、ん゛ぃっ…!あっ、あっ、あ…ッ♡」
玩具とは違うちゃんと熱を持ったモノで奥を突かれ、きゅううと身体と心が歓喜したように収縮する。
棒を入れられてバグってしまったのか、くたりと僕のものはただ無気力に倒れている。ずっと頭でイっていてもう訳が分からなくなっていた。
だからなのか、胸から波打ったように大きな切なさが僕を襲う。
胸の穴から我慢していた感情が溢れ出したように、身体を、頭を支配する。
「ぁっふ…ぅぁぁっ…ぅぅ……ぁあああッ」
ぼろぼろと目が熱くなって涙が出て来て止まらない。
なんで、かなしくないのに、なんで?
わからない。わからないけど、
胸が切なくて仕方がない。
「ぅぅぅっ…はぁっ…グスッ…ぁぅッ…っぁぁ…!」
ラルクにとちゅとちゅと優しく奥を突かれる。
こんな姿他人に見せちゃダメなのに、抑えようとしても突かれる度に押し出されるように切ない感情が出てきて泣いてしまう。
追い打ちをかけるようにラルクが僕の涙を拭うように頬を撫でる。
真っ直ぐ、僕を見て、僕に言う。
「あにうえ、俺がいるから。
おれには我慢しなくていいから。
兄上が俺を助けてくれたように、
俺にも兄上を助けさせてよ。
兄上、愛してます」
呪いだ。その言葉は。
僕を縛り付ける。呪いの言葉だ。
駄目なのに。入れたら、駄目なのに。
僕に入ってこないで。入らないでって言ったのに。
僕は知らない。愛を知らない。
だから依存しかできない。依存は駄目。
駄目なのに、駄目なのに。
入れちゃ駄目なのに。駄目なのに。
どうせラルクも僕を断罪するのに、残酷だね。酷い、酷いよ。
ラルクだって愛を知らないだろ。知らない奴同士、傷ついた者同士で慰めあってただ傷を舐め合ってるだけの虚しい行為だ。こんなの。こんなの…
「ぅっ、ぁ…あぁあぁぁあぁぁあぁぁぁ…!」
初めて僕は他人の前で泣いた。醜い声をあげて、触る手を涙で汚して。
汚い自分をラルクに見せてしまった。
もっと汚れるのにラルクはそんな僕にキスをして、ただひたすら優しく促すように腰を動かしてきた。甘やかすように、依存させるように。
ひどい、ひどい。
かなしい、かなしい。
僕が泣き疲れて何も出来なくなるまで、傷の舐め合いは続いた。
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