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第一章 湖の村攻防編
6.火蓋
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ひょろ長の腕から轟音を響かせながら、細長い一本の線が森の中に消えていく。
ゴイン!と鈍い音を響かせて森から、金属音の音が合唱のように響く。
全身を金属の鎧で身を固めた、明らかに人でない影が二体、のそりと出てくる。
ゴブリンのように緑の体皮ではない。
しかし顔つきはゴブリンの犬歯が伸び、よりたくましく獰猛な顔をしている。
田舎者の小鬼だろうか?
体も大の大人と変わらない体格で、肩周りの筋肉がその膂力の強さを物語っていた。
頭と額を覆う兜を被り、全身赤黒く汚れた鉄の鎧、鉈を大きくした様な大剣を持つ一匹と、スチュアートのように盾を持ち、かなり太い棍棒を持っている一匹の計二匹だ。
二匹は軽装備のひょろ長に狙いをつけ動き始める。
「パーチ!僕の後ろに!!」
スチュアートがひょろ長にそう叫ぶと、スチュアートは腰に差していた縦長の棒の様な鈍器を片手に持つと、盾を叩いて威嚇した。
スチュアートの体の周りが薄く光り、二体の怪物はスチュアートを警戒する。
敵の警戒心や標的意識を固定する技能。
「ヘイトを取る」というものだ。敵対値ともいわれ、パーチに向けられた殺意は、
そのままスチュアートに向けられる。
鉈の様な大剣の怪物がスチュアートに向かって攻撃を仕掛ける。
スチュアートはタワーシールドを鉈の大剣に合わせて、当て、押し戻す。
盾に薄く光が発せられ、鉈の大剣は大きく弾かれて、思いもしない反動の大きさに、怪物は体勢を崩す。
その隙を、パーチは逃さず、素早く屈んだスチュアートの背後から、持っている槍を片手に、腕をひねるように繰り出す。
体勢を崩し、がら空きになった怪物の首筋に槍が突き立った。
かなりの回転がかかっていたのか、まるでミキサーでジュースを絞り出すかのように、どす黒いしぶきをあげて槍は怪物の喉を貫通した。
棍棒と盾を持つ怪物にスチュアートは盾の角で、顎先を掠めるように振り回す。
丁度怪物の顎先に、スチュアートの盾が当たり、怪物の頭が激しく揺れる。
人型の怪物故か、頭に盾の打撃技を食らい、
脳震盪を起こす。
パーチのようにのらりくらりとした歩みで、武器を落とし無防備そのもの。
スチュアートの棒状の鈍器が怪物の顔と体に、容赦なく叩き込まれた。
兜が歪み、鎧も殴った部分が凹んでくる。盾の底辺の部分が凄い勢いで怪物の鼻に陥没する。
スチュアートは軽く動かしているのだが、それは彼自身の怪物並みの膂力による物なのだ。
スチュアートは、盾や武器に付着した異物を振り払い身嗜みを整えると、
「返信遅れてすいません、ちょっとお片付けしてました・・・。」
魔法石に向かってそう答えた。
********************
早朝と言うよりも深夜に近いこの時間。
灰の山の麓は一段と冷え込む。
鍛冶屋キュロプスの建物で、テンポよく鋼を叩く音がしている。
熱した鋼の加減を見やすくする為に、日の光のない暗闇でより正確に確認する事ができるからだ。
特に打つ素材によっては満月の日や、熱しても、1,2回程度しか打てない物も
有り、形を作っていくうえで、かなり大変な作業の一つではある。
だが、ミカゲはこういった時間が好きだ。
誰にも邪魔されず、好きな事をやれるこの時間が。
少ししてミカゲは仮眠をとる。
二階の寝室で体を少し休め、その横の部屋にある浴室で、炉の熱等を利用して温まった水を体に掛け、本格的に一日を動き始める準備をする。
馬小屋に行く。普通飼葉等の飼料を与える場所があるが、その小屋にはない。
別の場所に、客が乗って来た馬を置く所にはある。
小屋から馬の鳴き声とは程遠い、獣の、喉を鳴らす様なグロロロという音。
のそりとその影は馬小屋から出てくる。
爬虫類のような目がミカゲを捉えると、野太い一鳴きをして、ミカゲに向かって
くる。
爬虫類のような目、長い口、鰐のような牙、短いが、背中に向かってまっすぐ伸びた角。
竜という表現が一番合っているだろう。
全身に細かな鱗が生え、少し黒ずんだ灰色の様な体皮。
手は鷹のかぎ爪のように三本で短い分、後ろ足は筋肉質で、
常人が蹴られれば、ひとたまりもない程筋肉質で、大きかった。
走竜と呼ばれる種だ。
軍馬は戦などで戦うために調教されているが、走竜はもとより魔物の一種で、牙や蹴りも『脅威』と言うしかなく、軍馬と同じように高く扱われることもある。
更に、馬などでは行けない険しい山も平気で走破できる優れものだ。
「水を汲みに行く、餌は後だがどうする?」
頭をミカゲにそっと近づけ、その後顔に頬擦りしてくる。
細かい鱗の体皮は滑らかで、触り心地もよい。
実際生え変わりの落ちた鱗で鎧の下に着る服や鎧も作れるが、処理や製法がかなり難しい。
だが防御力もさることながら、色々と特典は有る。
少し撫でてやるとミカゲの背中を、頭で水を汲む瓶の方に押してくる。
着いて行くと言うことだ。
大きな瓶を一つミカゲは担ぎ、走竜は木の
棒を瓶に通し、二つだ。
山頂に向かう道を歩く。万年雪の解けた水が流れる場所につく。
瓶に水を満たし、家に戻る。
二階のさらに上に貯水槽があり、そこに水瓶一つ分、残りは台所と工房に持っていく。
台所から毛を毟った鳥のような形をした肉をミカゲは持ってきて走竜に投げる。
綺麗に口で咥えると、丸ごとかみ砕いた。
鳥の骨は噛み砕くと尖る様に細く割れる。
喉に閊えたり、刺さる事もあるが、元々強靭な顎で噛み砕き、それを感じさせる事は全く無かった。
もう一匹、鳥の肉の様な物を走竜に与えると、今度は咥えて馬小屋に。
後のお楽しみだろうかw
その後、ミカゲは台の上に木剣を持ち、軽く素振りをする。直刀のやや短い、俗にいう木刀という形だ。
『カタナ』といわれる剣種で、ミカサはこの武器の魅力にとり憑かれた一人といえる。
体の全体を、カタナの木剣をを持ったまま伸ばしていく。
ストレッチを念入りに行い、そこから体を本格的に修練モードに切り替える。
居合、刺突、逆手持ち。振りの「ブレ」やそこに正拳や掌打や手刀、蹴りも織り交ぜ、見えない仮想する相手と組み手を行う。
そして次は自重を使った筋トレを始める。
スクワット、腕立て、家の壁に手を掛けて懸垂。
その後また体の汗を浴室で流す。
ミカゲは台所に向かい、まな板を取り出す。
畑でとれた野菜や森、山でとってきた肉などを調理用のナイフで素早く刻む、捌く。
窯の下に火をくべるとこがあり、藁の上に小枝、そして少し大きな薪を置く。
工房の炉からまだ起きている火種を持ってきて火をおこす。
『生活魔法』という若干の火種や照明代わり、水起こし等々ここ近年確立された魔法があるのだが、ミカサは出来るだけ自然の物で、出来る事はしていた。
窯に火が起き、窯の上に鉄の鍋を置く。脂の塊を落とし、鍋に行き渡らすと、
肉を入れる。
ジュウと肉が鉄の鍋で焼ける音と良い匂いが立ち込めてくる。
葉物の野菜は木の器に盛られ、残りの野菜はある程度火の通った肉と一緒に炒められる。
木の筒を鉄の鍋の上で振る。中には塩などが入っており、ミル付きの黒胡椒入れなどもある。
こういった用品も『智の勇者』と細かな細工職人の努力で、徐々に広がっていった。
勇者が顕現された理由はともあれ、こういった知識が技術が拡がり、人々がよりよく暮らしていける。
魔王の襲来やそれによる勇者の顕現とは、えてしてこうゆうものがそもそもの根源でないのか…?
と、鉄の鍋をふるいながら思いを巡らす。
それはやがて襲ってくる空腹と食欲にかき消された。
棚から四角いパンのようなものを取り出し、その上に炒めた肉と野菜を乗せていく。
野菜には水で冷やされた容器に入ったドレッシングのような液体をかけ、
コップには果実を混ぜた水。
「いただきます。」
合掌してパンの様な物に乗せた肉野菜を口に頬張る。
うまい。
塩と肉と野菜の旨味。
足りない油分を、炒めるときに使った、豚のような魔獣の脂肪がおぎなう。
葉物の野菜もシャキシャキしており、掛けた卵と油のドレッシングも食欲をそそる。
口の中に押し込んだそれらをようやく堪能し終え、二撃目を浴びせようとした
その瞬間、
森の櫓にある鐘が一回、鳴った。
ゴイン!と鈍い音を響かせて森から、金属音の音が合唱のように響く。
全身を金属の鎧で身を固めた、明らかに人でない影が二体、のそりと出てくる。
ゴブリンのように緑の体皮ではない。
しかし顔つきはゴブリンの犬歯が伸び、よりたくましく獰猛な顔をしている。
田舎者の小鬼だろうか?
体も大の大人と変わらない体格で、肩周りの筋肉がその膂力の強さを物語っていた。
頭と額を覆う兜を被り、全身赤黒く汚れた鉄の鎧、鉈を大きくした様な大剣を持つ一匹と、スチュアートのように盾を持ち、かなり太い棍棒を持っている一匹の計二匹だ。
二匹は軽装備のひょろ長に狙いをつけ動き始める。
「パーチ!僕の後ろに!!」
スチュアートがひょろ長にそう叫ぶと、スチュアートは腰に差していた縦長の棒の様な鈍器を片手に持つと、盾を叩いて威嚇した。
スチュアートの体の周りが薄く光り、二体の怪物はスチュアートを警戒する。
敵の警戒心や標的意識を固定する技能。
「ヘイトを取る」というものだ。敵対値ともいわれ、パーチに向けられた殺意は、
そのままスチュアートに向けられる。
鉈の様な大剣の怪物がスチュアートに向かって攻撃を仕掛ける。
スチュアートはタワーシールドを鉈の大剣に合わせて、当て、押し戻す。
盾に薄く光が発せられ、鉈の大剣は大きく弾かれて、思いもしない反動の大きさに、怪物は体勢を崩す。
その隙を、パーチは逃さず、素早く屈んだスチュアートの背後から、持っている槍を片手に、腕をひねるように繰り出す。
体勢を崩し、がら空きになった怪物の首筋に槍が突き立った。
かなりの回転がかかっていたのか、まるでミキサーでジュースを絞り出すかのように、どす黒いしぶきをあげて槍は怪物の喉を貫通した。
棍棒と盾を持つ怪物にスチュアートは盾の角で、顎先を掠めるように振り回す。
丁度怪物の顎先に、スチュアートの盾が当たり、怪物の頭が激しく揺れる。
人型の怪物故か、頭に盾の打撃技を食らい、
脳震盪を起こす。
パーチのようにのらりくらりとした歩みで、武器を落とし無防備そのもの。
スチュアートの棒状の鈍器が怪物の顔と体に、容赦なく叩き込まれた。
兜が歪み、鎧も殴った部分が凹んでくる。盾の底辺の部分が凄い勢いで怪物の鼻に陥没する。
スチュアートは軽く動かしているのだが、それは彼自身の怪物並みの膂力による物なのだ。
スチュアートは、盾や武器に付着した異物を振り払い身嗜みを整えると、
「返信遅れてすいません、ちょっとお片付けしてました・・・。」
魔法石に向かってそう答えた。
********************
早朝と言うよりも深夜に近いこの時間。
灰の山の麓は一段と冷え込む。
鍛冶屋キュロプスの建物で、テンポよく鋼を叩く音がしている。
熱した鋼の加減を見やすくする為に、日の光のない暗闇でより正確に確認する事ができるからだ。
特に打つ素材によっては満月の日や、熱しても、1,2回程度しか打てない物も
有り、形を作っていくうえで、かなり大変な作業の一つではある。
だが、ミカゲはこういった時間が好きだ。
誰にも邪魔されず、好きな事をやれるこの時間が。
少ししてミカゲは仮眠をとる。
二階の寝室で体を少し休め、その横の部屋にある浴室で、炉の熱等を利用して温まった水を体に掛け、本格的に一日を動き始める準備をする。
馬小屋に行く。普通飼葉等の飼料を与える場所があるが、その小屋にはない。
別の場所に、客が乗って来た馬を置く所にはある。
小屋から馬の鳴き声とは程遠い、獣の、喉を鳴らす様なグロロロという音。
のそりとその影は馬小屋から出てくる。
爬虫類のような目がミカゲを捉えると、野太い一鳴きをして、ミカゲに向かって
くる。
爬虫類のような目、長い口、鰐のような牙、短いが、背中に向かってまっすぐ伸びた角。
竜という表現が一番合っているだろう。
全身に細かな鱗が生え、少し黒ずんだ灰色の様な体皮。
手は鷹のかぎ爪のように三本で短い分、後ろ足は筋肉質で、
常人が蹴られれば、ひとたまりもない程筋肉質で、大きかった。
走竜と呼ばれる種だ。
軍馬は戦などで戦うために調教されているが、走竜はもとより魔物の一種で、牙や蹴りも『脅威』と言うしかなく、軍馬と同じように高く扱われることもある。
更に、馬などでは行けない険しい山も平気で走破できる優れものだ。
「水を汲みに行く、餌は後だがどうする?」
頭をミカゲにそっと近づけ、その後顔に頬擦りしてくる。
細かい鱗の体皮は滑らかで、触り心地もよい。
実際生え変わりの落ちた鱗で鎧の下に着る服や鎧も作れるが、処理や製法がかなり難しい。
だが防御力もさることながら、色々と特典は有る。
少し撫でてやるとミカゲの背中を、頭で水を汲む瓶の方に押してくる。
着いて行くと言うことだ。
大きな瓶を一つミカゲは担ぎ、走竜は木の
棒を瓶に通し、二つだ。
山頂に向かう道を歩く。万年雪の解けた水が流れる場所につく。
瓶に水を満たし、家に戻る。
二階のさらに上に貯水槽があり、そこに水瓶一つ分、残りは台所と工房に持っていく。
台所から毛を毟った鳥のような形をした肉をミカゲは持ってきて走竜に投げる。
綺麗に口で咥えると、丸ごとかみ砕いた。
鳥の骨は噛み砕くと尖る様に細く割れる。
喉に閊えたり、刺さる事もあるが、元々強靭な顎で噛み砕き、それを感じさせる事は全く無かった。
もう一匹、鳥の肉の様な物を走竜に与えると、今度は咥えて馬小屋に。
後のお楽しみだろうかw
その後、ミカゲは台の上に木剣を持ち、軽く素振りをする。直刀のやや短い、俗にいう木刀という形だ。
『カタナ』といわれる剣種で、ミカサはこの武器の魅力にとり憑かれた一人といえる。
体の全体を、カタナの木剣をを持ったまま伸ばしていく。
ストレッチを念入りに行い、そこから体を本格的に修練モードに切り替える。
居合、刺突、逆手持ち。振りの「ブレ」やそこに正拳や掌打や手刀、蹴りも織り交ぜ、見えない仮想する相手と組み手を行う。
そして次は自重を使った筋トレを始める。
スクワット、腕立て、家の壁に手を掛けて懸垂。
その後また体の汗を浴室で流す。
ミカゲは台所に向かい、まな板を取り出す。
畑でとれた野菜や森、山でとってきた肉などを調理用のナイフで素早く刻む、捌く。
窯の下に火をくべるとこがあり、藁の上に小枝、そして少し大きな薪を置く。
工房の炉からまだ起きている火種を持ってきて火をおこす。
『生活魔法』という若干の火種や照明代わり、水起こし等々ここ近年確立された魔法があるのだが、ミカサは出来るだけ自然の物で、出来る事はしていた。
窯に火が起き、窯の上に鉄の鍋を置く。脂の塊を落とし、鍋に行き渡らすと、
肉を入れる。
ジュウと肉が鉄の鍋で焼ける音と良い匂いが立ち込めてくる。
葉物の野菜は木の器に盛られ、残りの野菜はある程度火の通った肉と一緒に炒められる。
木の筒を鉄の鍋の上で振る。中には塩などが入っており、ミル付きの黒胡椒入れなどもある。
こういった用品も『智の勇者』と細かな細工職人の努力で、徐々に広がっていった。
勇者が顕現された理由はともあれ、こういった知識が技術が拡がり、人々がよりよく暮らしていける。
魔王の襲来やそれによる勇者の顕現とは、えてしてこうゆうものがそもそもの根源でないのか…?
と、鉄の鍋をふるいながら思いを巡らす。
それはやがて襲ってくる空腹と食欲にかき消された。
棚から四角いパンのようなものを取り出し、その上に炒めた肉と野菜を乗せていく。
野菜には水で冷やされた容器に入ったドレッシングのような液体をかけ、
コップには果実を混ぜた水。
「いただきます。」
合掌してパンの様な物に乗せた肉野菜を口に頬張る。
うまい。
塩と肉と野菜の旨味。
足りない油分を、炒めるときに使った、豚のような魔獣の脂肪がおぎなう。
葉物の野菜もシャキシャキしており、掛けた卵と油のドレッシングも食欲をそそる。
口の中に押し込んだそれらをようやく堪能し終え、二撃目を浴びせようとした
その瞬間、
森の櫓にある鐘が一回、鳴った。
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