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【 第一章 】未熟な王子と暫定騎士
赤紫の炎③
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「ああっ、マティアス様っ! 火傷、あの炎は、幻覚……⁉」
見たことがない程狼狽したウィルバートの顔がそこにあった。涙で黒い瞳が歪み濡れている。
「ウィル……!」
マティアスは恐怖と安堵からウィルバートの首に両腕を回し抱き着いた。ウィルバートもまた躊躇するとこなくマティアスをきつく抱き締めてくれた。
「ああ、マティアス様! どこか痛い所は⁉」
ウィルバートはマティアスの背中を撫で確認してくるのだが、マティアスは触れられている箇所が異様に熱くなるのを感じた。
ウィルバートの首筋から仄かに漂うウィルバート自身の匂いが鼻腔をくすぐる。なぜかもっと嗅ぎたいと強い衝動が湧き出て、マティアスはその襟足に鼻先を埋めて思いっきり深呼吸した。肺いっぱいにウィルバートを感じ全身が熱くなる。
「あぁっ、ウィル……」
マティアスはさらに我慢できなくなりウィルバートの首筋に舌を這わせた。他人の肌を舐めるなんてマティアスにはあり得ない行為だったが強い衝動に抗えなかった。
「ま、マティアス様⁉」
マティアスの異変に気付いたウィルバートが声をかけてくる。しかしマティアスはウィルバートの問いかけに構わずその首筋にくちづけし続けた。逞しく筋肉の張った首に縋りつき、唇ではむはむと肌の弾力を確かめながら舌で肌をなぞる。
ウィルバートが呆然と固まっているのを良い事に、マティアスの唇は首筋から顎に移って行く。ウィルバートのザラリとした髭の感触を舌に感じた。
そして正面からウィルバートの顔を見つめた。漆黒の髪と同じく深い夜空のように黒い瞳。スッと通った鼻梁。形の良い唇。どれも理想的なバランスで配置され、少年ぽさがすっかり抜け大人の色気を漂わせている男の顔。
「……欲しい。ウィルの全部が欲しい……!」
マティアスはウィルバートの瞳を見つめながらそう呟くと、迷うことなくウィルバートの唇に自身の唇を近づけた。
「マティ……!」
ウィルバートが名前を呼びかけたのを遮りそこを塞ぐ。互いの柔らかな唇か合さりとろけるような感覚が全身を駆け抜けていく。
そのままマティアスはちゅっちゅっとウィルバートの唇を何度も吸った。そして唇を吸いながらマティアスはウィルバートに小さく囁いた。
「ウィル……好き、好きだよ……愛してる」
自然と言葉が漏れ出た。それと同時に胸の奥が、全身が、幸福感に包まれた。
(ああ、そうだ。私は……僕は、ウィルを愛してるんだ……)
ずっと気付かなかったがこの想いは恋であり愛なのだと確信した。
見たことがない程狼狽したウィルバートの顔がそこにあった。涙で黒い瞳が歪み濡れている。
「ウィル……!」
マティアスは恐怖と安堵からウィルバートの首に両腕を回し抱き着いた。ウィルバートもまた躊躇するとこなくマティアスをきつく抱き締めてくれた。
「ああ、マティアス様! どこか痛い所は⁉」
ウィルバートはマティアスの背中を撫で確認してくるのだが、マティアスは触れられている箇所が異様に熱くなるのを感じた。
ウィルバートの首筋から仄かに漂うウィルバート自身の匂いが鼻腔をくすぐる。なぜかもっと嗅ぎたいと強い衝動が湧き出て、マティアスはその襟足に鼻先を埋めて思いっきり深呼吸した。肺いっぱいにウィルバートを感じ全身が熱くなる。
「あぁっ、ウィル……」
マティアスはさらに我慢できなくなりウィルバートの首筋に舌を這わせた。他人の肌を舐めるなんてマティアスにはあり得ない行為だったが強い衝動に抗えなかった。
「ま、マティアス様⁉」
マティアスの異変に気付いたウィルバートが声をかけてくる。しかしマティアスはウィルバートの問いかけに構わずその首筋にくちづけし続けた。逞しく筋肉の張った首に縋りつき、唇ではむはむと肌の弾力を確かめながら舌で肌をなぞる。
ウィルバートが呆然と固まっているのを良い事に、マティアスの唇は首筋から顎に移って行く。ウィルバートのザラリとした髭の感触を舌に感じた。
そして正面からウィルバートの顔を見つめた。漆黒の髪と同じく深い夜空のように黒い瞳。スッと通った鼻梁。形の良い唇。どれも理想的なバランスで配置され、少年ぽさがすっかり抜け大人の色気を漂わせている男の顔。
「……欲しい。ウィルの全部が欲しい……!」
マティアスはウィルバートの瞳を見つめながらそう呟くと、迷うことなくウィルバートの唇に自身の唇を近づけた。
「マティ……!」
ウィルバートが名前を呼びかけたのを遮りそこを塞ぐ。互いの柔らかな唇か合さりとろけるような感覚が全身を駆け抜けていく。
そのままマティアスはちゅっちゅっとウィルバートの唇を何度も吸った。そして唇を吸いながらマティアスはウィルバートに小さく囁いた。
「ウィル……好き、好きだよ……愛してる」
自然と言葉が漏れ出た。それと同時に胸の奥が、全身が、幸福感に包まれた。
(ああ、そうだ。私は……僕は、ウィルを愛してるんだ……)
ずっと気付かなかったがこの想いは恋であり愛なのだと確信した。
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