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赤点、母からのお仕置き
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「ドアを開けるのが怖い……」
私は自分の家の目の前で呆然と立ち尽くしていた。
それもそのはず、私は先日の定期テストで赤点を取ってしまったからだ。それも数学と理科の2教科……。今日は母からの“お仕置き”がほぼ確定なのである。その恐怖から、なかなか家の中に入ることができない。
しかしいつまでも躊躇している訳にもいかない。私は意を決してドアに手を掛け、家の中に入った……。
「た、ただいま……」
「おかえり、結衣、今日テスト返ってきたでしょ? 見せなさい」
「は、はい……」
リビングで母と顔を合わせるとすぐにテスト用紙を求められた。私は震えながら鞄を開け、数枚のそれらを取り出した。そして恐る恐る重ねて母に手渡した……。
その間、一足先に帰宅していた小学生の弟の大樹がちらちらとこちらを見てくる。大樹はダイニングテーブルで宿題をしているようだ。
今日は恐らく、弟に“お仕置き”を見られてしまうだろう……。そう思うと恐怖だけでなく恥ずかしさと情けなさも込み上げてきた。
一方、母は1枚ずつ私のテスト用紙をまじまじと確認していった。赤点の2枚は重なりの一番下に置いたので、すぐには露見しないだろう……。
しかしその分、恐怖はじわじわと襲ってくる。母が紙を捲る度に心拍数が上がるのだ。胸の鼓動の速度はもはや小動物と変わらないくらい速い。あまりの緊張感からその時間は永遠にすら感じられたがその時は来た……。
「何? この点数は……」
母は静かにそう呟いた。恐らく怒りより驚きや呆れの方が大きかったのだろう。ついに私の一枚目の赤点が見つかってしまったようだ。しかし赤点はもう一枚ある…。私はその時、怖くて母の顔を直視することができなかった。そして母は続けざまに最後のテスト用紙を確認した……。
バッヂッッンンンン!!
瞬間、私の左頬に鋭い衝撃が走る。突然の平手打ちである。私の目が少しだけ潤んだ。ぶたれた頬はじんじんと痛い。大樹も驚いた顔でこちらを見ている。その視線がなんだか恥ずかしい。しかしこれはまだ“お仕置き”ではないのだ。
「こっちを見なさい! 数学に続いて理科まで赤点だなんてアンタ全然勉強してないでしょ!」
「ご、ごめんなさい。で、でも一応勉強はしました」
私は自分でも勉強が足りてないのは分かっていたが、なんとかこう言うしかなかった……。
「嘘でしょ? お姉ちゃんは部屋でスマホばっかりで全然勉強してないって大樹が言ってたわよ」
弟の大樹は私と違って優等生だ。その大樹に告げ口されたら反論できない。それに実際スマホいじりばかりだったのは事実だ……。
「確かにスマホはやってたけど、ちゃんと勉強もしたよ…」
「言い訳はもういい! 次、赤点取ったらお尻叩くって言ったよね!」
“お尻叩き”ついにその恐ろしいワードが母の口から出てしまった……。私の身は凍りついた。そして、なんとか思考錯誤して言い訳を考える。
「ごめんなさい。そ、それだけは許してください。ちゃんと勉強したけどそれでもだめで……」
「だから言い訳はもういいって言ってるでしょ! 早くお尻出しなさい!」
こう言われると、もうどうしようもない。弟に見られながらのお尻叩きが確定である。恥ずかしさと情けなさが一気に込み上げて、私は涙が溢れてきた。
「うう……ごめんなさい……ごめんなさい」
「いいから早くお尻出しなさい! 何回も言わせるんじゃない! 叩く数増やすよ!」
我が家の“お仕置き”は基本的にズボンやパンツを下ろして直で裸のお尻に行う。ズボンやパンツの上からでは意味がないというのが母の考えらしい。お尻を出しなさいと言われたら、急いでパンツを下ろさなくてはならない。
「10、9、8……」
母がカウントを始めたので私は泣く泣くパンツに手を掛けて膝まで下ろした。そして制服のスカートを捲り上げる。剥き出しのお尻に部屋の空気が当たって冷たい。私はこの瞬間が嫌いだ。
ふと、大樹がまたしても私の方を見ている。見ないで……。と頼んでも良いのだが、それを言うのもなんだか恥ずかしいというか、おこがましいような気がした。それに頼んだところで、隣でお尻叩きが行われていたらどうしても見てしまうだろう。
「準備できま……」
「残念、時間切れ。言い訳も長かったし追加で10発ね」
「そ、そんな……ごめんなさい!」
母のカウントがかなり早かったので私は若干理不尽さを感じたが、ここで反抗したらさらに悲惨なことになると思ったので大人しく従うことにした。
「いいから、こっちへ来なさい」
母は側にあったソファに腰掛けると膝にぽんと手を当てながら、そう言った。それを見て、私は急いで母の膝の上に横たわった。
「それじゃ、赤点2教科と追加の10でお尻30発叩くからね」
「はい……」
私は小さく返事をした。いよいよ叩かれるんだ。弟に見られながら。そう思った瞬間……。
バッヂィイインンン!
「ッ!」
母の稲妻のような全力の平手が私の剥き出しのお尻に振り下ろされた。その打撃音は部屋中に響き渡り、近所にまで聞こえてしまうのではないかとすら思った。声は抑えようと思っていたが、あまりの衝撃につい変な声が出てしまった。だがそんなことはお構いなしにお仕置きは続けられる。
バッシィイイインン!
「ッ!」
バッシィイイイイン!
「ッ!」
パッッヂィイイイイン!
「ッッ!」
本当に1発1発が重い。これをあと20数回もやられるなんてキツすぎると思った。ここまでなんとか声を上げずに頑張ってきたがそろそろ限界だ。
バッヂィイイイイイン!
「いやああああああ!」
バッヂィイイイイン!
「ごめんなさいいいいいい!」
バッヂィイイイイン!
「いああああああ!」
途中から痛みに耐えきれず、恥も知らずに叫んでしまった。もう弟のことなど頭にない。
バッヂィイイイイン! バッヂィイイイイン! バッヂィイイイイン!
「うわああああああ!ごめんなさあああい!ごめんなさい!」
回数はわからなくなっていたが、恐らく10発終わったところで一瞬休みが入った。しかしそれは本当に一瞬のことですぐにお仕置きは再開された。
バッヂィイイイイン! バッヂィイイイイン! バッヂィイイイイン! バッヂィイイイイン! …………。
「いやああああああっ!もうちゃんと勉強しますうううううう!痛い痛い痛いいいい!ゆるじてええええっ!」
母の稲妻のような平手が私の裸のお尻に次々と着弾する。時には思わず体を大きく捩って暴れてしまうこともあったが、その度に私は抑え付けられて滅茶苦茶にぶたれた。
……バッヂィイイイイン!
「んあっ……ひぐっ……」
最後の方は声が枯れて変な声ばかり出していたと思う。お尻はもう感覚が鈍くなっていた。そして目は涙でいっぱいでソファは変色するほど濡れてしまっていた。
すると30発終わったのか私は母の膝から降ろされた。そのまま私はお尻丸出しのままでお説教を受けた。
「まったく、こんなに叩いて手が痛かったよ。お母さんだってほんとは叩きたくなんてない。あなたが情けなすぎてほんとに恥ずかしい。しばらくスマホは禁止ね。今日からしっかり勉強すること!」
「ひっぐっ……わ、わかりました……」
スマホ禁止はとても辛いが仕方ない。
「それともし、また赤点取ったら次は定規で叩くからね」
「ひっ……わかりました……」
最後には恐ろしいことを言われて私は解放された。母はその後、夕飯の準備をしにいった。私はパンツを上げてスカートを直すと大樹と目が合ったがすぐに逸らされた。大樹は私がお仕置きされてる間、ちゃんと宿題をやっていたようだった。
私は恥ずかしくなって何も言わずに自分の部屋に逃げた。そしてそこでまた泣いた……。
しばらくすると、大樹が夕飯のために私を呼びに来た。
「お姉ちゃん、ご飯だよ。大丈夫?」
「わかった、すぐ行く……ちょっと待って」
せっかく呼びに来てくれたのに冷たいトーンで返事をしてしまったかもしれない。そう思っていると……。
「俺が告げ口みたいなことしちゃってごめんね。……それと元気だして」
小学生なのに、なんとよくできた弟だろう。情けない私を馬鹿にするのではなく、心配し慰めてくれるではないか。本当に優等生だ。ここまで来ると完全な敗北を認めざるを得ない。何の勝負なのかはよくわからないけど。
「ううん、大樹は気にしないで。悪いのは完全に私だから」
リビングへ戻り、夕飯の席に着くと父が帰宅していた。
「結衣お前また尻叩かれたんだって?」
「またって最近は叱られてなかったし……」
デリカシーのない父の発言に少し気分が落ちたが、ありがたいことに、その後は誰も“お仕置き”の話はしなかった。夕飯を食べ終わった頃には元気を取り戻していたと思う……。
私は自分の家の目の前で呆然と立ち尽くしていた。
それもそのはず、私は先日の定期テストで赤点を取ってしまったからだ。それも数学と理科の2教科……。今日は母からの“お仕置き”がほぼ確定なのである。その恐怖から、なかなか家の中に入ることができない。
しかしいつまでも躊躇している訳にもいかない。私は意を決してドアに手を掛け、家の中に入った……。
「た、ただいま……」
「おかえり、結衣、今日テスト返ってきたでしょ? 見せなさい」
「は、はい……」
リビングで母と顔を合わせるとすぐにテスト用紙を求められた。私は震えながら鞄を開け、数枚のそれらを取り出した。そして恐る恐る重ねて母に手渡した……。
その間、一足先に帰宅していた小学生の弟の大樹がちらちらとこちらを見てくる。大樹はダイニングテーブルで宿題をしているようだ。
今日は恐らく、弟に“お仕置き”を見られてしまうだろう……。そう思うと恐怖だけでなく恥ずかしさと情けなさも込み上げてきた。
一方、母は1枚ずつ私のテスト用紙をまじまじと確認していった。赤点の2枚は重なりの一番下に置いたので、すぐには露見しないだろう……。
しかしその分、恐怖はじわじわと襲ってくる。母が紙を捲る度に心拍数が上がるのだ。胸の鼓動の速度はもはや小動物と変わらないくらい速い。あまりの緊張感からその時間は永遠にすら感じられたがその時は来た……。
「何? この点数は……」
母は静かにそう呟いた。恐らく怒りより驚きや呆れの方が大きかったのだろう。ついに私の一枚目の赤点が見つかってしまったようだ。しかし赤点はもう一枚ある…。私はその時、怖くて母の顔を直視することができなかった。そして母は続けざまに最後のテスト用紙を確認した……。
バッヂッッンンンン!!
瞬間、私の左頬に鋭い衝撃が走る。突然の平手打ちである。私の目が少しだけ潤んだ。ぶたれた頬はじんじんと痛い。大樹も驚いた顔でこちらを見ている。その視線がなんだか恥ずかしい。しかしこれはまだ“お仕置き”ではないのだ。
「こっちを見なさい! 数学に続いて理科まで赤点だなんてアンタ全然勉強してないでしょ!」
「ご、ごめんなさい。で、でも一応勉強はしました」
私は自分でも勉強が足りてないのは分かっていたが、なんとかこう言うしかなかった……。
「嘘でしょ? お姉ちゃんは部屋でスマホばっかりで全然勉強してないって大樹が言ってたわよ」
弟の大樹は私と違って優等生だ。その大樹に告げ口されたら反論できない。それに実際スマホいじりばかりだったのは事実だ……。
「確かにスマホはやってたけど、ちゃんと勉強もしたよ…」
「言い訳はもういい! 次、赤点取ったらお尻叩くって言ったよね!」
“お尻叩き”ついにその恐ろしいワードが母の口から出てしまった……。私の身は凍りついた。そして、なんとか思考錯誤して言い訳を考える。
「ごめんなさい。そ、それだけは許してください。ちゃんと勉強したけどそれでもだめで……」
「だから言い訳はもういいって言ってるでしょ! 早くお尻出しなさい!」
こう言われると、もうどうしようもない。弟に見られながらのお尻叩きが確定である。恥ずかしさと情けなさが一気に込み上げて、私は涙が溢れてきた。
「うう……ごめんなさい……ごめんなさい」
「いいから早くお尻出しなさい! 何回も言わせるんじゃない! 叩く数増やすよ!」
我が家の“お仕置き”は基本的にズボンやパンツを下ろして直で裸のお尻に行う。ズボンやパンツの上からでは意味がないというのが母の考えらしい。お尻を出しなさいと言われたら、急いでパンツを下ろさなくてはならない。
「10、9、8……」
母がカウントを始めたので私は泣く泣くパンツに手を掛けて膝まで下ろした。そして制服のスカートを捲り上げる。剥き出しのお尻に部屋の空気が当たって冷たい。私はこの瞬間が嫌いだ。
ふと、大樹がまたしても私の方を見ている。見ないで……。と頼んでも良いのだが、それを言うのもなんだか恥ずかしいというか、おこがましいような気がした。それに頼んだところで、隣でお尻叩きが行われていたらどうしても見てしまうだろう。
「準備できま……」
「残念、時間切れ。言い訳も長かったし追加で10発ね」
「そ、そんな……ごめんなさい!」
母のカウントがかなり早かったので私は若干理不尽さを感じたが、ここで反抗したらさらに悲惨なことになると思ったので大人しく従うことにした。
「いいから、こっちへ来なさい」
母は側にあったソファに腰掛けると膝にぽんと手を当てながら、そう言った。それを見て、私は急いで母の膝の上に横たわった。
「それじゃ、赤点2教科と追加の10でお尻30発叩くからね」
「はい……」
私は小さく返事をした。いよいよ叩かれるんだ。弟に見られながら。そう思った瞬間……。
バッヂィイインンン!
「ッ!」
母の稲妻のような全力の平手が私の剥き出しのお尻に振り下ろされた。その打撃音は部屋中に響き渡り、近所にまで聞こえてしまうのではないかとすら思った。声は抑えようと思っていたが、あまりの衝撃につい変な声が出てしまった。だがそんなことはお構いなしにお仕置きは続けられる。
バッシィイイインン!
「ッ!」
バッシィイイイイン!
「ッ!」
パッッヂィイイイイン!
「ッッ!」
本当に1発1発が重い。これをあと20数回もやられるなんてキツすぎると思った。ここまでなんとか声を上げずに頑張ってきたがそろそろ限界だ。
バッヂィイイイイイン!
「いやああああああ!」
バッヂィイイイイン!
「ごめんなさいいいいいい!」
バッヂィイイイイン!
「いああああああ!」
途中から痛みに耐えきれず、恥も知らずに叫んでしまった。もう弟のことなど頭にない。
バッヂィイイイイン! バッヂィイイイイン! バッヂィイイイイン!
「うわああああああ!ごめんなさあああい!ごめんなさい!」
回数はわからなくなっていたが、恐らく10発終わったところで一瞬休みが入った。しかしそれは本当に一瞬のことですぐにお仕置きは再開された。
バッヂィイイイイン! バッヂィイイイイン! バッヂィイイイイン! バッヂィイイイイン! …………。
「いやああああああっ!もうちゃんと勉強しますうううううう!痛い痛い痛いいいい!ゆるじてええええっ!」
母の稲妻のような平手が私の裸のお尻に次々と着弾する。時には思わず体を大きく捩って暴れてしまうこともあったが、その度に私は抑え付けられて滅茶苦茶にぶたれた。
……バッヂィイイイイン!
「んあっ……ひぐっ……」
最後の方は声が枯れて変な声ばかり出していたと思う。お尻はもう感覚が鈍くなっていた。そして目は涙でいっぱいでソファは変色するほど濡れてしまっていた。
すると30発終わったのか私は母の膝から降ろされた。そのまま私はお尻丸出しのままでお説教を受けた。
「まったく、こんなに叩いて手が痛かったよ。お母さんだってほんとは叩きたくなんてない。あなたが情けなすぎてほんとに恥ずかしい。しばらくスマホは禁止ね。今日からしっかり勉強すること!」
「ひっぐっ……わ、わかりました……」
スマホ禁止はとても辛いが仕方ない。
「それともし、また赤点取ったら次は定規で叩くからね」
「ひっ……わかりました……」
最後には恐ろしいことを言われて私は解放された。母はその後、夕飯の準備をしにいった。私はパンツを上げてスカートを直すと大樹と目が合ったがすぐに逸らされた。大樹は私がお仕置きされてる間、ちゃんと宿題をやっていたようだった。
私は恥ずかしくなって何も言わずに自分の部屋に逃げた。そしてそこでまた泣いた……。
しばらくすると、大樹が夕飯のために私を呼びに来た。
「お姉ちゃん、ご飯だよ。大丈夫?」
「わかった、すぐ行く……ちょっと待って」
せっかく呼びに来てくれたのに冷たいトーンで返事をしてしまったかもしれない。そう思っていると……。
「俺が告げ口みたいなことしちゃってごめんね。……それと元気だして」
小学生なのに、なんとよくできた弟だろう。情けない私を馬鹿にするのではなく、心配し慰めてくれるではないか。本当に優等生だ。ここまで来ると完全な敗北を認めざるを得ない。何の勝負なのかはよくわからないけど。
「ううん、大樹は気にしないで。悪いのは完全に私だから」
リビングへ戻り、夕飯の席に着くと父が帰宅していた。
「結衣お前また尻叩かれたんだって?」
「またって最近は叱られてなかったし……」
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