86 / 149
女児霊といっしょに。~学校の七不思議~
第七章:最後の一週間 4
しおりを挟む
火曜日の学習サポートはボロボロだった。眠いし、眠いし、超眠いし。眠くて計算は間違えるし、眠くてミミズがのたくった文字を書いてしまうし、眠くて眠ってしまい担任教師に叩き起こされるわ子供に笑われるわ眠いわ。
眠いので職員室でブラックコーヒーで眠……目が覚めた。よし、これで眠いけど頑張れそうでも眠い。
いや、ここで眠ってはいけない。せめて昼眠いまでは起きてやり眠いってから、そこでゆっくり眠ろう。
確か、次の授業は……眠い。筆記布団と教科枕を床に用意して、羊のチャイムが一匹、二匹……
「お~い、駆郎にぃ。起きろ~」
「ぐぅ」
「起きろ~~~っ!」
昼休みには仮眠をとった後改めて三年生の物置に置かれた人形を見に行ったが、やはりただの怖い人形以外の何物でもない。
「霊力も気配もないんだよなぁ……ふぁ、眠い」
「ねー駆郎にぃ。気になったんだけどさ」
「何だよ」
「あの子とこの人形ってさ、同じなの?」
「それがどうしたんだよ」
「だって、髪の長さが微妙に違うから。この人形の方が短いよ?」
「……お前も気付いていたか」
頭の中で、バラバラに飛び散っていたパズルのピースが少しずつ嵌まっていく。
最近出来た奥部小の七不思議。
昔からある物置の怖い人形。
人形娘の霊と連動していたモニターの怪。
気になる点の多い人形娘の霊の言動とオレを謎空間の穴に誘ったこと。
そして――その先にあるもう一つの答え。
「今日もさっさと帰るぞ」
「え~?もしかしてまだ眠いの?」
「それもあるが図書館へ行くんだよ」
「図書館で寝るの?」
「それはただの迷惑」
「今日は早いのね」
震名さんは相変わらず不機嫌そうな様子。腕を組んで冷たい目、まるで冷酷な女王様のような雰囲気である。
「この間はご迷惑を掛けました。それで――」
「前置きはいいわ。用件だけ言って」
いつもより怖いぞ、今日の震名さん。また婚活パーティで良き相手と出会えなかったのだろうか。
「魔の年……二十五年前から最近までの新聞。その中で奥部小の児童の死亡、もしくは行方不明に関係する記事をお願いしたいんです」
「ぼぴゅほっ!」
震名さんが唐突に吹き出す。大量の唾液が霧吹きの如く顔面にかけられてとても不快だ。
どうせ前回の小児性愛のくだりで思い出し笑いをしたんだろう。
「おひょっ、ひひゅっ……ぐふふ……」
「笑っているところ悪いんですけど、用件は聞いてました?」
「ふひっ……。大丈夫よ、仕事はしっかりこなすわ」
急にクールにならないでくれ、オレの腹筋に悪い。
「ただ範囲が広いから資料を纏めるのに時間がかかるけど、いいわよね?」
「大体どれくらいかかりそうですか?」
「一社だけでいいなら、明日の今頃までには出来ているけど」
「めっちゃ早いやん」
口は悪いが仕事の腕は最高なんだよな、この人。もう少し優しい態度をとることさえ出来れば婚活でこんなに苦しまないと思うのだが……それを言ったら殺されそうだな。
「ところで、またあなたの相棒がやらかしているんだけど」
震名さんが睨む先ではまたもや本が飛び回っていて、子供達がきゃっきゃと大騒ぎしていた。ななが盛大にポルターガイストを起こしていた。
「いや~、毎度申し訳ないです」
「いいから早く止めてきて」
「まぁ、周りの子供達も楽しそうですし――」
「はよ行け」
マジギレ寸前だったので、オレはアクロバティックなパルクールを決めてななを取り押さえた。
震名さん、怒ると般若になるからなぁ。
その後、図書館から帰ってきたオレはマッハで布団に突入して爆睡した。
もう限界だったんです。許して。
眠いので職員室でブラックコーヒーで眠……目が覚めた。よし、これで眠いけど頑張れそうでも眠い。
いや、ここで眠ってはいけない。せめて昼眠いまでは起きてやり眠いってから、そこでゆっくり眠ろう。
確か、次の授業は……眠い。筆記布団と教科枕を床に用意して、羊のチャイムが一匹、二匹……
「お~い、駆郎にぃ。起きろ~」
「ぐぅ」
「起きろ~~~っ!」
昼休みには仮眠をとった後改めて三年生の物置に置かれた人形を見に行ったが、やはりただの怖い人形以外の何物でもない。
「霊力も気配もないんだよなぁ……ふぁ、眠い」
「ねー駆郎にぃ。気になったんだけどさ」
「何だよ」
「あの子とこの人形ってさ、同じなの?」
「それがどうしたんだよ」
「だって、髪の長さが微妙に違うから。この人形の方が短いよ?」
「……お前も気付いていたか」
頭の中で、バラバラに飛び散っていたパズルのピースが少しずつ嵌まっていく。
最近出来た奥部小の七不思議。
昔からある物置の怖い人形。
人形娘の霊と連動していたモニターの怪。
気になる点の多い人形娘の霊の言動とオレを謎空間の穴に誘ったこと。
そして――その先にあるもう一つの答え。
「今日もさっさと帰るぞ」
「え~?もしかしてまだ眠いの?」
「それもあるが図書館へ行くんだよ」
「図書館で寝るの?」
「それはただの迷惑」
「今日は早いのね」
震名さんは相変わらず不機嫌そうな様子。腕を組んで冷たい目、まるで冷酷な女王様のような雰囲気である。
「この間はご迷惑を掛けました。それで――」
「前置きはいいわ。用件だけ言って」
いつもより怖いぞ、今日の震名さん。また婚活パーティで良き相手と出会えなかったのだろうか。
「魔の年……二十五年前から最近までの新聞。その中で奥部小の児童の死亡、もしくは行方不明に関係する記事をお願いしたいんです」
「ぼぴゅほっ!」
震名さんが唐突に吹き出す。大量の唾液が霧吹きの如く顔面にかけられてとても不快だ。
どうせ前回の小児性愛のくだりで思い出し笑いをしたんだろう。
「おひょっ、ひひゅっ……ぐふふ……」
「笑っているところ悪いんですけど、用件は聞いてました?」
「ふひっ……。大丈夫よ、仕事はしっかりこなすわ」
急にクールにならないでくれ、オレの腹筋に悪い。
「ただ範囲が広いから資料を纏めるのに時間がかかるけど、いいわよね?」
「大体どれくらいかかりそうですか?」
「一社だけでいいなら、明日の今頃までには出来ているけど」
「めっちゃ早いやん」
口は悪いが仕事の腕は最高なんだよな、この人。もう少し優しい態度をとることさえ出来れば婚活でこんなに苦しまないと思うのだが……それを言ったら殺されそうだな。
「ところで、またあなたの相棒がやらかしているんだけど」
震名さんが睨む先ではまたもや本が飛び回っていて、子供達がきゃっきゃと大騒ぎしていた。ななが盛大にポルターガイストを起こしていた。
「いや~、毎度申し訳ないです」
「いいから早く止めてきて」
「まぁ、周りの子供達も楽しそうですし――」
「はよ行け」
マジギレ寸前だったので、オレはアクロバティックなパルクールを決めてななを取り押さえた。
震名さん、怒ると般若になるからなぁ。
その後、図書館から帰ってきたオレはマッハで布団に突入して爆睡した。
もう限界だったんです。許して。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ラン(♂)の父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリー(♀)だった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は騒然となった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる