必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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 華都も、武衛も、あちこちで数え切れぬほどの屍が倒れ伏し、地面は真っ赤に染まっている。悲鳴がほとばしり、明日さえどうなるかわからぬ不安が付きまとう。それは何も近臣たちだけではない。ただ日々を生きている無辜の民さえも不安を抱えている。そんな世の中が、はたして本当に泰平の世だと胸を張って言えるだろうか?
 芳次の問いかけに叫び散らしていた近臣たちは答えを返せず口ごもり、領主もまた瞼を伏せる。
「多くの者が現状に――衛府に不満を抱いている。国のすべてを私しているとな。もはや衛府が存在していては不満も怒りも憎しみも終わりはせぬだろう。もともと、衛府は帝から政をお預かりしているにすぎぬ。ならば元の通り、帝にすべてをお返しするだけだ。ただ、その時が来ただけのこと」
 彼らが衛府を憎むというのであれば、その存在を終わらせる。それは単純で、逃げたと後ろ指をさされるかもしれないが、それでも破壊の限りを尽くしてどちらかが消えるまで血の雨を降らせ続けるよりは良いだろう。芳次は将軍であり、帝の臣下だ。彼が考える中で、これが唯一にして最上の策。だが衛府が無くなればすべてを失う近臣たちは納得できず、拳を握りしめた。
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