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番外編:星霊エアルの日記
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俺の名前は星霊エアル。かつては88在った国が今の4ヶ国になった頃、父上から生まれた。
全長18cm、背中に生えたひらひらの羽根が自慢の俺。どっからどー見ても愛らしい星霊だけど、実はかなり重要な役割を持っている。
我が国を納める星獣、レオの補佐役。要はレオと契約した人間は国王として政をするから、その手伝いをしろってことだ。
まぁここんとこは役目がなくてだらだらしてるけどな。
国の、自称エライ奴が勝手に定めた掟とか、面倒を詰め込んだだけものは多いけど、レオはレオ自身が認めた奴としか、本当の意味での契約をしない。
レオの補佐役である俺も、同じだ。レオが認めた奴しか主だと認めない。誰が何を言おうが絶対に王だとは認めない。
父上の神託で、国々が生まれ変わって早幾百年。俺達が王だと認めた主は一番最初に契約した、ラッフィカだけだった。
うん、まるで昨日のことのように覚えてる。
星獣と契約した時に体に浮き出る契約印とは別に在る、本当の意味を持った契約印。うなじに深々と刻み込まれた、レオの牙の痕。
創りたてでバラバラの国と民を一代でまとめあげたカリスマ性。本人は無自覚のまま、容易に人間と星獣を誑しこみ、魅了させてしまう振る舞い、佇まい。
腰あたりまで届く、高く結い上げた淡い紫色の髪を揺らして、自らの足で政をする。その姿を見ていた民達は、いつしかラッフィカを【淡紫の花】と呼ぶようになった。
確かに、ラッフィカはレオの主だから迂闊に近付けないし、触れない。高嶺の花なんかよりずっとずっと遠い存在として君臨していることが由来であろう、この呼び名。
本人は「あっはっはっはっは!!」って爆笑してたけど、俺達はよく似合ってると思ってて、普通に気に入ってる。
あー、そういや今まで何人の国王と仮契約したっけな……顔も名前も興味無いから覚えてないし、何なら今の国王もわからん。
多分これからもそうだろう。俺達はこれからも、一途にラッフィカだけを想い続けるって、思ってたんだけどな。
突然、その花は現れた。
広げた両手の平に俺を乗せて「わぁ……!」とか言ってるこの男の、淡い紫の髪から目が離せない。
王族でもない、貴族でもない、ごく普通に当たり前を生きていた平民なのに。
レオに見付かったばかりに、ラッフィカと同じ色を宿して生まれたばかりに、その身に一生消えない証を刻まれることになるであろう、哀れで、大切な2人目の主。
「お初にお目にかかります、エアル様。私はシオン・スメラギ。ヒイラギ姫様の専属騎士として、お傍に……」
この【淡紫の花】に牙の痕が刻み込まれるのはいつになるだろうか、気になった俺は日記に残してみることにした。
全長18cm、背中に生えたひらひらの羽根が自慢の俺。どっからどー見ても愛らしい星霊だけど、実はかなり重要な役割を持っている。
我が国を納める星獣、レオの補佐役。要はレオと契約した人間は国王として政をするから、その手伝いをしろってことだ。
まぁここんとこは役目がなくてだらだらしてるけどな。
国の、自称エライ奴が勝手に定めた掟とか、面倒を詰め込んだだけものは多いけど、レオはレオ自身が認めた奴としか、本当の意味での契約をしない。
レオの補佐役である俺も、同じだ。レオが認めた奴しか主だと認めない。誰が何を言おうが絶対に王だとは認めない。
父上の神託で、国々が生まれ変わって早幾百年。俺達が王だと認めた主は一番最初に契約した、ラッフィカだけだった。
うん、まるで昨日のことのように覚えてる。
星獣と契約した時に体に浮き出る契約印とは別に在る、本当の意味を持った契約印。うなじに深々と刻み込まれた、レオの牙の痕。
創りたてでバラバラの国と民を一代でまとめあげたカリスマ性。本人は無自覚のまま、容易に人間と星獣を誑しこみ、魅了させてしまう振る舞い、佇まい。
腰あたりまで届く、高く結い上げた淡い紫色の髪を揺らして、自らの足で政をする。その姿を見ていた民達は、いつしかラッフィカを【淡紫の花】と呼ぶようになった。
確かに、ラッフィカはレオの主だから迂闊に近付けないし、触れない。高嶺の花なんかよりずっとずっと遠い存在として君臨していることが由来であろう、この呼び名。
本人は「あっはっはっはっは!!」って爆笑してたけど、俺達はよく似合ってると思ってて、普通に気に入ってる。
あー、そういや今まで何人の国王と仮契約したっけな……顔も名前も興味無いから覚えてないし、何なら今の国王もわからん。
多分これからもそうだろう。俺達はこれからも、一途にラッフィカだけを想い続けるって、思ってたんだけどな。
突然、その花は現れた。
広げた両手の平に俺を乗せて「わぁ……!」とか言ってるこの男の、淡い紫の髪から目が離せない。
王族でもない、貴族でもない、ごく普通に当たり前を生きていた平民なのに。
レオに見付かったばかりに、ラッフィカと同じ色を宿して生まれたばかりに、その身に一生消えない証を刻まれることになるであろう、哀れで、大切な2人目の主。
「お初にお目にかかります、エアル様。私はシオン・スメラギ。ヒイラギ姫様の専属騎士として、お傍に……」
この【淡紫の花】に牙の痕が刻み込まれるのはいつになるだろうか、気になった俺は日記に残してみることにした。
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