9 / 30
9日目(タクシー)
しおりを挟む
彼女の名はラフィ。
今日は視察のために僻地の村を訪れていた。
「さて、今日の公務も終わりました。屋敷に帰りましょう……と言いたいところですが困りました。馬車の手配を忘れていました。今から呼んでも来るまで時間がかかりますし……」
「――迎えに来ました」
ザッ。
「あ、あなたは……」
「どうも、僕です」
そう言って、男は両手を後ろに回してしゃがみ込みながらニコリとほほ笑んだ。
「その格好……まさかおんぶする気じゃありませんよね?」
「そのまさかです。ささ、お早く。日が暮れてしまいます」
「無茶を言わないでください。ここから屋敷まで歩くと3時間は掛かります。それも私をおぶってなど……」
「なんのその。姫様こそ、忍者の健脚を舐めないでいただきたい」
「……踏破できると?」
「モチのロンです」
「わかりました。ではお願いします。でも、無理なときは無理とすぐに言ってくださいね?」
「ご心配なく。では出発しましょう」
「(……まあ少しでも屋敷に近づいておいて損はないですし、ここは付き合ってみますか。途中で運よく馬車を拾えるかもしれませんし)」
~1時間後~
「ま、まさかほんとに屋敷まで辿り着くとは……それもたったの1時間で」
「フフ、このぐらい朝飯前です」
「ありがとうございました。どうぞ中に入って休んでいってください。さぞやお疲れでしょう」
「いえいえ、むしろ元気になったくらいです。僕にとっても役得でしたから」
「役得?」
「ええ。道中、姫様の豊満な胸を背中でたっぷり堪能できたので」
「……やっぱり気が変わりました。このままお引き取りを」
「そうですか。しからば」
シュバッ。
「…………た、堪能///」
今日は視察のために僻地の村を訪れていた。
「さて、今日の公務も終わりました。屋敷に帰りましょう……と言いたいところですが困りました。馬車の手配を忘れていました。今から呼んでも来るまで時間がかかりますし……」
「――迎えに来ました」
ザッ。
「あ、あなたは……」
「どうも、僕です」
そう言って、男は両手を後ろに回してしゃがみ込みながらニコリとほほ笑んだ。
「その格好……まさかおんぶする気じゃありませんよね?」
「そのまさかです。ささ、お早く。日が暮れてしまいます」
「無茶を言わないでください。ここから屋敷まで歩くと3時間は掛かります。それも私をおぶってなど……」
「なんのその。姫様こそ、忍者の健脚を舐めないでいただきたい」
「……踏破できると?」
「モチのロンです」
「わかりました。ではお願いします。でも、無理なときは無理とすぐに言ってくださいね?」
「ご心配なく。では出発しましょう」
「(……まあ少しでも屋敷に近づいておいて損はないですし、ここは付き合ってみますか。途中で運よく馬車を拾えるかもしれませんし)」
~1時間後~
「ま、まさかほんとに屋敷まで辿り着くとは……それもたったの1時間で」
「フフ、このぐらい朝飯前です」
「ありがとうございました。どうぞ中に入って休んでいってください。さぞやお疲れでしょう」
「いえいえ、むしろ元気になったくらいです。僕にとっても役得でしたから」
「役得?」
「ええ。道中、姫様の豊満な胸を背中でたっぷり堪能できたので」
「……やっぱり気が変わりました。このままお引き取りを」
「そうですか。しからば」
シュバッ。
「…………た、堪能///」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる