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0日目(前夜)

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 とある場所。二人の男。


「なあ、お前に依頼……つーか友人として頼みがあるんだが」
「なんです? 改まって」
「この写真、見てくれ」

 そこに映っていたのは、長い金髪と青い瞳のとても美しい女性だった。

「このひとは……」
「姫だ、とある国の。つっても俺の姪なんだがな。これからお前には、この気難しそうなお姫さまを“落として”もらう。期限はまあ……だいたい30日で頼む。できるよな?」
「承知しました。むしろ短いくらいです」
「ほう。たいした自信だな。なにか勝算でも?」
「ありません」
「おいおい。それでよく堂々と短いなんて言えたな」
「……誰のナニが短いと?」
「いや言ってないが。なんでそうなった」
「そうですか。ではいってきます。しからば」

 シュバッ。




「やっべぇ……人選間違えたかも」
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