Steel of blood

もんもん

文字の大きさ
3 / 3
第1章 タイムスリップ?

タイムパラドックス

しおりを挟む

ボロボロに崩れて凸凹になった道路をしばらく歩くと、細い路地に案内された。

すると彼女は立ち止まって何も無い壁に手をかざした。
壁は青い光の筋を放ち、消失した。

「すっげぇ未来っぽい…」

「当たり前よ、進みましょう」

中はSF映画で見るような機械が並ぶ研究室のような造りになっていた。

「彼がタイムパラドクサーかね」

「ええ、博士。そうみたいよ、彼の周りの磁気も安定していない」

博士と呼ばれた銀髪の白衣を着た男性。50代くらいだろうか。

「おっと挨拶が遅れてしまったな。私はマック・シェイカーという者だ。気軽にミスター・シェイクとでも呼んでくれ」

「はぁ…」

軽く握手を交わすとあることに気づいた。

「そうか、どこの時代からやって来たかは分からないが、義手は初めてかい?」

冷たい金属の感覚。初めて義手というものに触れたが、きっとこれも未来の進んだ科学を取り入れたものだろう。

「そうだ、君の詳細について知りたい。こっちの部屋に来てもらえるかな?それと君もついてくるかい?」

「私はいい、まだ任務中よ」

そう言うと、彼女はまた外へ出ていってしまった。

「ふむ、なぁに元々嫌われてるものでね。じゃあ少し話そうか」

俺はミスターシェイクに今までの経緯と自分の時代について話した。

博士は話途中で少し驚いたような表情をとったがすぐに気を取り直した。

「ふむふむ、君は西暦2017年のニッポンの人間か。」

博士はおもむろに立ち上がり、部屋をウロウロしながらまた話し始めた。

「やはり君がタイムパラドクサーだな。この世界に来た時は驚いただろうが安心して欲しい…が」

「が?」

博士は俺の両肩を掴むと耳元で囁くように喋りかけた。

「私達はかなり緊迫している状況にある。この秘密部屋も戦場のど真ん中だ。しかし、今ある戦力は彼女のみ…私達は人手・・が足りないんだ。だから君に協力して欲しい」

「…俺にどうしろと?」

博士はニッと無精髭を揺らして笑って見せた。

「彼女のパートナーになってもらう…。君、この世界に来てから前より身体が軽く感じないか?」

言われてみれば、ベッドに入る前の気怠い倦怠感は消えて、力に満ち溢れたような感覚がする。

「タイムパラドックスはタイムスリップとは違って、君に宿る精神が何かの引き金でこの世界に来てしまったんだ。つまり君は今精神・・のみがこの世界に召喚されている状態。君は心の状態次第で身体能力を上げられる能力を持つ特殊能力者さ!」

「何言ってるのかサッパリ…」

俺が困惑していると博士がチョンチョンと胸を指さした

「私は君をよく知っている。君はきっと強い人だ。」

博士は懐かしそうにそう呟くと「長い話をしてすまなかったな、ゆっくり休んでくれ」と言って部屋を後にした。

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

ある国立学院内の生徒指導室にて

よもぎ
ファンタジー
とある王国にある国立学院、その指導室に呼び出しを受けた生徒が数人。男女それぞれの指導担当が「指導」するお話。 生徒指導の担当目線で話が進みます。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

異世界からの手紙

F.conoe
ファンタジー
異世界から手紙が届いた。 それは数日前に行方不明になった姉からの手紙であった。 しんみりと家族で手紙をやりとりする話。 でもラストは。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

続・冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。 の続編です。 アンドリューもそこそこ頑張るけど、続編で苦労するのはその息子かな? 辺境から結局建国することになったので、事務処理ハンパねぇー‼ってのを息子に押しつける俺です。楽隠居を決め込むつもりだったのになぁ。

繰り返しのその先は

みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、 私は悪女と呼ばれるようになった。 私が声を上げると、彼女は涙を流す。 そのたびに私の居場所はなくなっていく。 そして、とうとう命を落とした。 そう、死んでしまったはずだった。 なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。 婚約が決まったあの日の朝に。

処理中です...