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第1章 タイムスリップ?
タイムパラドックス
しおりを挟むボロボロに崩れて凸凹になった道路をしばらく歩くと、細い路地に案内された。
すると彼女は立ち止まって何も無い壁に手をかざした。
壁は青い光の筋を放ち、消失した。
「すっげぇ未来っぽい…」
「当たり前よ、進みましょう」
中はSF映画で見るような機械が並ぶ研究室のような造りになっていた。
「彼がタイムパラドクサーかね」
「ええ、博士。そうみたいよ、彼の周りの磁気も安定していない」
博士と呼ばれた銀髪の白衣を着た男性。50代くらいだろうか。
「おっと挨拶が遅れてしまったな。私はマック・シェイカーという者だ。気軽にミスター・シェイクとでも呼んでくれ」
「はぁ…」
軽く握手を交わすとあることに気づいた。
「そうか、どこの時代からやって来たかは分からないが、義手は初めてかい?」
冷たい金属の感覚。初めて義手というものに触れたが、きっとこれも未来の進んだ科学を取り入れたものだろう。
「そうだ、君の詳細について知りたい。こっちの部屋に来てもらえるかな?それと君もついてくるかい?」
「私はいい、まだ任務中よ」
そう言うと、彼女はまた外へ出ていってしまった。
「ふむ、なぁに元々嫌われてるものでね。じゃあ少し話そうか」
俺はミスターシェイクに今までの経緯と自分の時代について話した。
博士は話途中で少し驚いたような表情をとったがすぐに気を取り直した。
「ふむふむ、君は西暦2017年のニッポンの人間か。」
博士はおもむろに立ち上がり、部屋をウロウロしながらまた話し始めた。
「やはり君がタイムパラドクサーだな。この世界に来た時は驚いただろうが安心して欲しい…が」
「が?」
博士は俺の両肩を掴むと耳元で囁くように喋りかけた。
「私達はかなり緊迫している状況にある。この秘密部屋も戦場のど真ん中だ。しかし、今ある戦力は彼女のみ…私達は人手が足りないんだ。だから君に協力して欲しい」
「…俺にどうしろと?」
博士はニッと無精髭を揺らして笑って見せた。
「彼女のパートナーになってもらう…。君、この世界に来てから前より身体が軽く感じないか?」
言われてみれば、ベッドに入る前の気怠い倦怠感は消えて、力に満ち溢れたような感覚がする。
「タイムパラドックスはタイムスリップとは違って、君に宿る精神が何かの引き金でこの世界に来てしまったんだ。つまり君は今精神のみがこの世界に召喚されている状態。君は心の状態次第で身体能力を上げられる能力を持つ特殊能力者さ!」
「何言ってるのかサッパリ…」
俺が困惑していると博士がチョンチョンと胸を指さした
「私は君をよく知っている。君はきっと強い人だ。」
博士は懐かしそうにそう呟くと「長い話をしてすまなかったな、ゆっくり休んでくれ」と言って部屋を後にした。
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