4 / 12
第二話 剣と被害者
しおりを挟む
―――5年前の秋
冬の到来が間近であると感じさせる枯れ葉が舞う夕暮れの寒空の下、家に向かって少女がニコニコと歩いていた。
名は葉月という。友達との遊びから帰る途中だ。遊び疲れから足取りは緩やかである。
「楽しかったな」
鬼ごっこ、かくれんぼ、ままごと、今日のことを振り返りそうつぶやく。
「今、私は幸せなんだろうなぁ」
ふと立ち止まりそんな風に考えた。この世界は「夢幻界」と呼ばれ妖怪や狂人、災害が襲ってくる。そのため家族や親しき友人を亡くす者が多くいる。その上、今妖怪の行動が活発になっており、そのせいで多くの人命が失われている。
そんな中、葉月には家族がいて、生きている。帰る家がある。それはとても幸せなことだ。葉月は家族のことを考えてたら寂しくなり、立ち止まるの止めて向かい風が吹く道を走った。
もうすぐ葉月にとって長い冬がやってくる―――
―――<第2話 剣と被害者>
夜中、了は買ったばかりの布団に包まれながら幸せそうに眠っていた。しかし、
ドンッドンッドンッ
夜中の突然の訪問者にたたき起こされた。了は何なんだ、こんな時間によと苛立ち頭をかきながらも起き上がって扉を開ける。
「助けて……」
扉を開けると、洋服にマフラーを纏った黒髪でボブカットの女性が、背から血を流し助けを求めていた。了は驚愕し、「おいどうした!!」と尋ねる。すると相手は「何者かに襲われて」、と答えた。そんな夜中の訪問者は人が居た安心感からか気を失ってしまった。
「何なんだ?」
了は突然の出来事にただ困惑しながらも、傷の手当てを行った。
―――朝
「ここは…… どこ?」
了の家に来た女は窓から入ってくる日差しと鳥のさえずりによって目を覚まし、どこだここはと思いながら、自分の身を確認した。
そして体に包帯が巻かれているのに気がつき、誰かに助けられたことを知った。すると、
「おっ気が付いたか」
「わあッ!?」
窓から了が顔出し女に声をかけた。女は驚いて声を上げた。
「おっと驚かしてすまん、辺りを監視していたんだ」
そう言うと顔ひっこめ、扉から入った。入ってきた了の目にはくまができていた。了は女を治療して、夜通し警護していたのだ。了は女の前に座り話しかける。
「いやー怪我人が急に現れて驚いたぜ」
「あんたが私を助けてくれたのか?」
女は自身にまかれた包帯を見ながら尋ねる。
「そうだ。その調子じゃ大丈夫そうかな、私は名は了。あんたは?」
座布団を敷いて座り挨拶をする彼女。それにつられ女も述べる。
「私はムク。ろくろ首の妖怪だ。助けてくれて本当にありがとう……」
命の恩人に心からの感謝を伝えた。それに照れて顔赤くする了。
そんな了は感謝された恥ずかしさからか話を変える。
「えっとあっ! 手当てするときにマフラー外したら首が無くて驚いたよ」
「うふふ、ろくろ首の妖怪だもん」
ムクは了が驚いたと知り、妖怪としてつい嬉しくなった。妖怪は人を驚かしたり恐怖させたりすることで、力を得る存在だからだ。
ニコニコ笑顔でマフラーを触りながら話すムク。
「普段は首がないのをマフラーで隠してるの」
「ろくろ首の妖怪て首が長い奴だけかと思ってた」
了の言葉に彼女は「2種類いるのさ。首が無いやつと長いやつ、私は無いやつ。先祖が飛頭蛮なの」
と説明した。了はそれを聞き納得し、怪我のワケを尋ねた。
「しかしなぜ怪我をしてたんだ? 何かあったのか」
「ああ、そうだ。昨日誰かに斬り付けられたんだ」
思い出し背に手を当てるムク。
眠りから目覚め彼女はすっかり忘れていた。ムクの言葉を聞いた了は険しい目に変わる。
「何、詳しく教えてくれないか」
「私は普段人の街で働いているんだ。仕事が終わり呉服屋の店員の友人と会ったりして、その後、家に帰ろうと暗闇の森に通じる道を歩いていたんだ。すると急に鋭い痛みが背中に走ってふりむいたら……」
昨日の事を思い出しムクは恐怖で体が震えた。了は無理しなくてもいいと言うが、彼女は話を続ける。
「狐の仮面で顔を隠し刀を持った奴がいたんだ。妖怪の力は感じられなかった。たぶん人だと思う」
話を了は黙って聞き、犯人の正体を考える。
「何とか反撃しようとしたけど……ソイツ強くてさ。また斬られて、痛みで気絶したんだ」
その後、夜に目覚め意識が朦朧としながら助けを求め、了の家についた。話を聞いた了はムクに、襲われた心当たりはあるか尋ねる
「大変だったなそれは、しかし人に斬り付けられるなんて人を傷つけたり、襲ったりしたか?」
「そんなことしてない!」
しかしムクは了の言葉を強く否定した。
「街で働いている時や、買い物するときは脅かさない様マフラーで首を隠している。あんただって知っているだろ、人の街で働けたり住めたりできる妖怪は善良な奴だけだって……」
ムクの言葉を聞いた了は、それもそうだと肯定する。ムクが語ったことは誰もが知っていることだった。
「そりゃ私も妖怪だし人を驚かしたりするけど、傷つけたり、ましてや殺めたりしないよ」
自分が襲われたことに彼女は疑問の念が大きくうなだれた。
「……そうか、ところで体の調子はどうだ。妖怪だろう、傷もう治ったんじゃないか」
了に言われ、傷に手をあてる。彼女の体に鋭い痛みが走った。そして声を上げて困惑した。
「あれなんで! 妖怪なのに!?」
妖怪は人と違い回復力の差が違う。人にとって重症でも妖怪であれば2日もあれば全快する。だが傷はそれ以前に血がにじみ出ていた。それを知った了は少し考え口を開く。
「犯人の目星がついたかも知れない……」
「なんだって!」
ムクは誰なんだとまくし立てる。そんなムクに了は犯人は『封魔』の者だと告げた。それを聞き、彼女は恐怖で青ざめた。
「…… そんな、私は何もしていない。第一に封魔は解散したはずだろう」
「ムクの治らない傷。妖怪に対してそんな風にできるのは、霊力を操る封魔の者だ。犯人が人だと考慮してだした考えだ」
『封魔』とは
妖怪と人間の争いにおいて人間を守るために設立された組織で霊力と呼ばれる力を持ちいて戦う。
霊力は人外や妖怪にとって弱点で、霊力を帯びた武器で攻撃されると人以上に傷つく。
そんな封魔は夢幻界に『大災害』が起きて人間と妖怪の争いが終結。人間と妖怪が和解したため解散となった。
「しかしなぜ封魔はお前を襲ったんだ。封魔は良い妖怪を退治しないと聞いているが」
了が考え込んでいる中、ムクはある考えを口に出した。
「決めた。襲った人と会って話をする。なんでそんなことをしたのかを聞く」
「何言ってんだ!? 命が狙われたんだぞ!」
彼女はその言葉を聞き困惑した。マフラーに刺し傷があった。もし首が無ければ死んでいただろう。
しかしムクは覚悟の言葉を語る。
「それでも、何もしてないのに襲われたんだ。人里と関わりを持つ妖怪が今後狙われるかも知れない。私の友人も街で働いている。だから襲った人とあって話がしたい」
「死ぬかも知れないぞ……」
「それでも」
ムクの覚悟の言葉を聞いて、了は手を組んで考えて口を開いた
「そうかなら、私にも手伝わせてくれ」
会ったばかりの了の言葉に戸惑うムク。
「私を助けても何もならないよ。それに命を助けてもらった了に危険な目に合わせるのは……」
「ムクみたいな良い奴をほおっておけないよ。それに傷も治っていないだろ、だから手伝わせてくれ」
「でも……」
「頼むよ」
了の言葉に少し考え込み、ムクこちらこそ頼むと承諾。その言葉に了は感謝した。話を終えてムクはあることに気がつき、ハッとしてしまう。
「そう言えば襲った人にどうやって会えばいいんだ?」
「それについていい考えがある。任せておけ」
作戦内容を話す了。それを聞いたムクは不安になった。
「いけるかなぁ?」
「大丈夫でしょ、作戦は明日行う。薬でも塗って明日に備えるぞ」
「わかった」
「私は寝る」
了はムクに塗り薬を渡し、疲れから横になって寝た。
冬の到来が間近であると感じさせる枯れ葉が舞う夕暮れの寒空の下、家に向かって少女がニコニコと歩いていた。
名は葉月という。友達との遊びから帰る途中だ。遊び疲れから足取りは緩やかである。
「楽しかったな」
鬼ごっこ、かくれんぼ、ままごと、今日のことを振り返りそうつぶやく。
「今、私は幸せなんだろうなぁ」
ふと立ち止まりそんな風に考えた。この世界は「夢幻界」と呼ばれ妖怪や狂人、災害が襲ってくる。そのため家族や親しき友人を亡くす者が多くいる。その上、今妖怪の行動が活発になっており、そのせいで多くの人命が失われている。
そんな中、葉月には家族がいて、生きている。帰る家がある。それはとても幸せなことだ。葉月は家族のことを考えてたら寂しくなり、立ち止まるの止めて向かい風が吹く道を走った。
もうすぐ葉月にとって長い冬がやってくる―――
―――<第2話 剣と被害者>
夜中、了は買ったばかりの布団に包まれながら幸せそうに眠っていた。しかし、
ドンッドンッドンッ
夜中の突然の訪問者にたたき起こされた。了は何なんだ、こんな時間によと苛立ち頭をかきながらも起き上がって扉を開ける。
「助けて……」
扉を開けると、洋服にマフラーを纏った黒髪でボブカットの女性が、背から血を流し助けを求めていた。了は驚愕し、「おいどうした!!」と尋ねる。すると相手は「何者かに襲われて」、と答えた。そんな夜中の訪問者は人が居た安心感からか気を失ってしまった。
「何なんだ?」
了は突然の出来事にただ困惑しながらも、傷の手当てを行った。
―――朝
「ここは…… どこ?」
了の家に来た女は窓から入ってくる日差しと鳥のさえずりによって目を覚まし、どこだここはと思いながら、自分の身を確認した。
そして体に包帯が巻かれているのに気がつき、誰かに助けられたことを知った。すると、
「おっ気が付いたか」
「わあッ!?」
窓から了が顔出し女に声をかけた。女は驚いて声を上げた。
「おっと驚かしてすまん、辺りを監視していたんだ」
そう言うと顔ひっこめ、扉から入った。入ってきた了の目にはくまができていた。了は女を治療して、夜通し警護していたのだ。了は女の前に座り話しかける。
「いやー怪我人が急に現れて驚いたぜ」
「あんたが私を助けてくれたのか?」
女は自身にまかれた包帯を見ながら尋ねる。
「そうだ。その調子じゃ大丈夫そうかな、私は名は了。あんたは?」
座布団を敷いて座り挨拶をする彼女。それにつられ女も述べる。
「私はムク。ろくろ首の妖怪だ。助けてくれて本当にありがとう……」
命の恩人に心からの感謝を伝えた。それに照れて顔赤くする了。
そんな了は感謝された恥ずかしさからか話を変える。
「えっとあっ! 手当てするときにマフラー外したら首が無くて驚いたよ」
「うふふ、ろくろ首の妖怪だもん」
ムクは了が驚いたと知り、妖怪としてつい嬉しくなった。妖怪は人を驚かしたり恐怖させたりすることで、力を得る存在だからだ。
ニコニコ笑顔でマフラーを触りながら話すムク。
「普段は首がないのをマフラーで隠してるの」
「ろくろ首の妖怪て首が長い奴だけかと思ってた」
了の言葉に彼女は「2種類いるのさ。首が無いやつと長いやつ、私は無いやつ。先祖が飛頭蛮なの」
と説明した。了はそれを聞き納得し、怪我のワケを尋ねた。
「しかしなぜ怪我をしてたんだ? 何かあったのか」
「ああ、そうだ。昨日誰かに斬り付けられたんだ」
思い出し背に手を当てるムク。
眠りから目覚め彼女はすっかり忘れていた。ムクの言葉を聞いた了は険しい目に変わる。
「何、詳しく教えてくれないか」
「私は普段人の街で働いているんだ。仕事が終わり呉服屋の店員の友人と会ったりして、その後、家に帰ろうと暗闇の森に通じる道を歩いていたんだ。すると急に鋭い痛みが背中に走ってふりむいたら……」
昨日の事を思い出しムクは恐怖で体が震えた。了は無理しなくてもいいと言うが、彼女は話を続ける。
「狐の仮面で顔を隠し刀を持った奴がいたんだ。妖怪の力は感じられなかった。たぶん人だと思う」
話を了は黙って聞き、犯人の正体を考える。
「何とか反撃しようとしたけど……ソイツ強くてさ。また斬られて、痛みで気絶したんだ」
その後、夜に目覚め意識が朦朧としながら助けを求め、了の家についた。話を聞いた了はムクに、襲われた心当たりはあるか尋ねる
「大変だったなそれは、しかし人に斬り付けられるなんて人を傷つけたり、襲ったりしたか?」
「そんなことしてない!」
しかしムクは了の言葉を強く否定した。
「街で働いている時や、買い物するときは脅かさない様マフラーで首を隠している。あんただって知っているだろ、人の街で働けたり住めたりできる妖怪は善良な奴だけだって……」
ムクの言葉を聞いた了は、それもそうだと肯定する。ムクが語ったことは誰もが知っていることだった。
「そりゃ私も妖怪だし人を驚かしたりするけど、傷つけたり、ましてや殺めたりしないよ」
自分が襲われたことに彼女は疑問の念が大きくうなだれた。
「……そうか、ところで体の調子はどうだ。妖怪だろう、傷もう治ったんじゃないか」
了に言われ、傷に手をあてる。彼女の体に鋭い痛みが走った。そして声を上げて困惑した。
「あれなんで! 妖怪なのに!?」
妖怪は人と違い回復力の差が違う。人にとって重症でも妖怪であれば2日もあれば全快する。だが傷はそれ以前に血がにじみ出ていた。それを知った了は少し考え口を開く。
「犯人の目星がついたかも知れない……」
「なんだって!」
ムクは誰なんだとまくし立てる。そんなムクに了は犯人は『封魔』の者だと告げた。それを聞き、彼女は恐怖で青ざめた。
「…… そんな、私は何もしていない。第一に封魔は解散したはずだろう」
「ムクの治らない傷。妖怪に対してそんな風にできるのは、霊力を操る封魔の者だ。犯人が人だと考慮してだした考えだ」
『封魔』とは
妖怪と人間の争いにおいて人間を守るために設立された組織で霊力と呼ばれる力を持ちいて戦う。
霊力は人外や妖怪にとって弱点で、霊力を帯びた武器で攻撃されると人以上に傷つく。
そんな封魔は夢幻界に『大災害』が起きて人間と妖怪の争いが終結。人間と妖怪が和解したため解散となった。
「しかしなぜ封魔はお前を襲ったんだ。封魔は良い妖怪を退治しないと聞いているが」
了が考え込んでいる中、ムクはある考えを口に出した。
「決めた。襲った人と会って話をする。なんでそんなことをしたのかを聞く」
「何言ってんだ!? 命が狙われたんだぞ!」
彼女はその言葉を聞き困惑した。マフラーに刺し傷があった。もし首が無ければ死んでいただろう。
しかしムクは覚悟の言葉を語る。
「それでも、何もしてないのに襲われたんだ。人里と関わりを持つ妖怪が今後狙われるかも知れない。私の友人も街で働いている。だから襲った人とあって話がしたい」
「死ぬかも知れないぞ……」
「それでも」
ムクの覚悟の言葉を聞いて、了は手を組んで考えて口を開いた
「そうかなら、私にも手伝わせてくれ」
会ったばかりの了の言葉に戸惑うムク。
「私を助けても何もならないよ。それに命を助けてもらった了に危険な目に合わせるのは……」
「ムクみたいな良い奴をほおっておけないよ。それに傷も治っていないだろ、だから手伝わせてくれ」
「でも……」
「頼むよ」
了の言葉に少し考え込み、ムクこちらこそ頼むと承諾。その言葉に了は感謝した。話を終えてムクはあることに気がつき、ハッとしてしまう。
「そう言えば襲った人にどうやって会えばいいんだ?」
「それについていい考えがある。任せておけ」
作戦内容を話す了。それを聞いたムクは不安になった。
「いけるかなぁ?」
「大丈夫でしょ、作戦は明日行う。薬でも塗って明日に備えるぞ」
「わかった」
「私は寝る」
了はムクに塗り薬を渡し、疲れから横になって寝た。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる