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第二話 剣と被害者 2
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次の日、ムクは街にいた。街には多くの人が行き渡っており、中には妖怪も存在した。街は平和はそのものだった。彼女は朝から昼までロウソク屋で働き、昼ごろには服屋にいた。そこで働く友人の葉月と話をしたりして、平和な日常を送っていた。
そんなムクの様子を少し離れた所で了が隠れて見守っていた。ムクは襲われた日と同じ行動をしていたのだ。
了が立てた作戦はムクが無事であることをアピールして、襲った者をおびき出すものだ。
「今のところ何もないな」
了は少し安心したが周囲の警戒を怠らなかった。
夕方、ムクが街を出て暗闇の森に続く道をうつむきながら歩いていた。すると
「これはッ……」
道の端に血の跡がある事に気がついた。そして辺りを見渡し、自分が襲われた場所だと気づいた。 彼女は血の跡を見て襲われたときの事を思い出し血の気が引いた。そんな時、
「やあ」
ふと誰かに声をかけられた。彼女は驚き顔を上げ周囲を見渡す。
道の横に並ぶ木々に背負を預けている人が居た。背丈は小さく髪はポニーテール。鮮やかな青の袴を着て顔を隠すように狐の仮面をつけていた。ムクは眼を見開いた。
相手は刀を持ち、なおかつ襲ってきた者と同じ狐の仮面をしていたのだ。それがわかり恐怖で体震え、動揺した。そんな様子を見て仮面の人間は笑う。
「どうしたんだ。恐ろしい者を見たって感じだけど」
「あ、あんたが昨日私を襲った奴か」
ムクの問いかけに相手は平然と答えた。
「そうだ。顔を隠してたせいかうまく切れなかったか。念のため首を刺したんだがなあ、なぜ生きてるのかな?」
「私は首のない妖怪だ。そんなことよりなぜ襲った! 誰かと勘違いしてないか」
震え声で相手に無実を訴える。
「何もしていない……」
しかし、相手は訴えを聞いて、大声で笑った。それにムクは不快感を示した。
「何がおかしい……」
「妖怪なんているだけで害。存在しているだけで罪だ。襲った理由はそれだけだ」
相手はそう言いきった。余りにも酷い理由にムクは言葉を失った。
「今日は仮面をとるよ、確実に仕留めるためにね」
そう言って仮面を取り外した。現れたのは若く花の様な愛らさを持つ少女であった。その顔にムクは見覚えがあり、名を呼ぶ。
「葉月……」
「そうさ、呉服屋で働いているあんたの友人のね」
「……嘘だそんなの」
相手の正体が友人であることに、彼女は信じられず、頭が真っ白になった。
「ムクのこと人間だと思ってたんだがある日、気付いたんだ。かすかな妖気で妖怪だって事にね。気付いた時は人に紛れて何かしないかと冷や冷やしたよ」
そんな葉月の言葉に思わず、ムクは涙し言葉を口にしようとする。
「私は妖怪だ。だけど人間と仲良く……」
しかし辛くて、これ以上の言葉はでなかった。
「……それが最後の言葉でいいな」
葉月は刀を構えムクを見据える。ムクは精神的ショックで動けなかった。葉月の殺意がムクに向けられたそんな中、第三者の声が響く。
「言い分けないだろ」
「!!」
「!!」
二人は第三者の声に驚き、そちらに顔を向ける。そこには了がいた。了は葉月に向かい話しかける。
「話を聞いていたが、ムクはアンタのこと友人だと思っていたんだぜ。その上、妖怪はいるだけで罪だとかいってさ。あんた刀を向ける相手が違うぜ」
それを聞いた葉月は殺気がこもった声で言い返す。
「なんだお前。そこの化け物をかばうつもりか?」
「その通り、それに彼女は化け物じゃないムクだ」
「ならばお前から斬ってやる。化け物をかばう奴なんてロクなやつじゃないからな!!」
そう告げ了に刀と敵意を向けた。了もカードを取り出し戦闘態勢に入る。辺りは緊迫した空気に包まれた。
「死ね!!」
相手は了に対し、素早い動きで上段斬りを仕掛けた。それと同時に了はカードを発動。
<アイアン>
自分の体を鉄の様にし、刀を片腕で受け止め様とする。刀は鉄を斬れないそう考えてた。しかしそうではなかった。腕は切断とはいかなかったものの、深く斬られてしまう。それに了は驚いた。
「何ッ!?」
「なにを驚いているッ!!」
驚く了に構わず、葉月は追撃を仕掛ける。その攻撃を紙一重で避けて了は距離を取った。斬撃を避けれたものの、了の心中は穏やかではない。
そんなムクの様子を少し離れた所で了が隠れて見守っていた。ムクは襲われた日と同じ行動をしていたのだ。
了が立てた作戦はムクが無事であることをアピールして、襲った者をおびき出すものだ。
「今のところ何もないな」
了は少し安心したが周囲の警戒を怠らなかった。
夕方、ムクが街を出て暗闇の森に続く道をうつむきながら歩いていた。すると
「これはッ……」
道の端に血の跡がある事に気がついた。そして辺りを見渡し、自分が襲われた場所だと気づいた。 彼女は血の跡を見て襲われたときの事を思い出し血の気が引いた。そんな時、
「やあ」
ふと誰かに声をかけられた。彼女は驚き顔を上げ周囲を見渡す。
道の横に並ぶ木々に背負を預けている人が居た。背丈は小さく髪はポニーテール。鮮やかな青の袴を着て顔を隠すように狐の仮面をつけていた。ムクは眼を見開いた。
相手は刀を持ち、なおかつ襲ってきた者と同じ狐の仮面をしていたのだ。それがわかり恐怖で体震え、動揺した。そんな様子を見て仮面の人間は笑う。
「どうしたんだ。恐ろしい者を見たって感じだけど」
「あ、あんたが昨日私を襲った奴か」
ムクの問いかけに相手は平然と答えた。
「そうだ。顔を隠してたせいかうまく切れなかったか。念のため首を刺したんだがなあ、なぜ生きてるのかな?」
「私は首のない妖怪だ。そんなことよりなぜ襲った! 誰かと勘違いしてないか」
震え声で相手に無実を訴える。
「何もしていない……」
しかし、相手は訴えを聞いて、大声で笑った。それにムクは不快感を示した。
「何がおかしい……」
「妖怪なんているだけで害。存在しているだけで罪だ。襲った理由はそれだけだ」
相手はそう言いきった。余りにも酷い理由にムクは言葉を失った。
「今日は仮面をとるよ、確実に仕留めるためにね」
そう言って仮面を取り外した。現れたのは若く花の様な愛らさを持つ少女であった。その顔にムクは見覚えがあり、名を呼ぶ。
「葉月……」
「そうさ、呉服屋で働いているあんたの友人のね」
「……嘘だそんなの」
相手の正体が友人であることに、彼女は信じられず、頭が真っ白になった。
「ムクのこと人間だと思ってたんだがある日、気付いたんだ。かすかな妖気で妖怪だって事にね。気付いた時は人に紛れて何かしないかと冷や冷やしたよ」
そんな葉月の言葉に思わず、ムクは涙し言葉を口にしようとする。
「私は妖怪だ。だけど人間と仲良く……」
しかし辛くて、これ以上の言葉はでなかった。
「……それが最後の言葉でいいな」
葉月は刀を構えムクを見据える。ムクは精神的ショックで動けなかった。葉月の殺意がムクに向けられたそんな中、第三者の声が響く。
「言い分けないだろ」
「!!」
「!!」
二人は第三者の声に驚き、そちらに顔を向ける。そこには了がいた。了は葉月に向かい話しかける。
「話を聞いていたが、ムクはアンタのこと友人だと思っていたんだぜ。その上、妖怪はいるだけで罪だとかいってさ。あんた刀を向ける相手が違うぜ」
それを聞いた葉月は殺気がこもった声で言い返す。
「なんだお前。そこの化け物をかばうつもりか?」
「その通り、それに彼女は化け物じゃないムクだ」
「ならばお前から斬ってやる。化け物をかばう奴なんてロクなやつじゃないからな!!」
そう告げ了に刀と敵意を向けた。了もカードを取り出し戦闘態勢に入る。辺りは緊迫した空気に包まれた。
「死ね!!」
相手は了に対し、素早い動きで上段斬りを仕掛けた。それと同時に了はカードを発動。
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「何ッ!?」
「なにを驚いているッ!!」
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