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22話 婚約式2
お昼からフラッドリー公爵家の庭園で神官がたちあい厳かに始まった婚約式は、主役の2人に神官から祝福の言葉が贈られると、シャンパンと立食式の豪華な食事がならべられた、舞踏室へと場所を変えた。
公爵邸の温室で育てられて宝石のように美しく咲く貴重な花々でかざられた、舞踏室のすみで楽団員たちが演奏を始めると… アルベールの学友たちが中心となり、音楽に合わせて踊りだす。
こうしてにぎやかな婚約式の第二部が始まった。
口が悪いペルサル伯爵夫人も、これにはさすがに何の文句も言えなかった。
ひととおり、リアンナとアルベールは婚約式に招待した人たちにあいさつをすませると…
「リア… 疲れただろう? 控室で少し休憩しておいで… そっちに食事を運ばせるから、人の目を気にしないでゆっくり食べると良いよ」
なれない社交でリアンナが精いっぱいがんばって話している姿を見て、アルベールはリアンナを気づかい耳元でひそひそとささやいた。
「私がぬけても良いの?」
一応、今日の主役だけど?
「良いよ、リア… 今なら僕一人でも大丈夫だから… 行っておいで」
「ありがとう、アル… お言葉に甘えさせてもらうわ」
本当に優しい人だわ。
私は婚約者と言っても、エヴァ様の代理なのに… こんなに優しくされるなんて思わなかった。
リアンナはホッ… と、ためいきをつき、アルベールに感謝をこめてほほえんだ。
控室で1人っきりになると、リアンナは使用人が運んで来た食事をモリモリと頬張り急いでお腹を満たした。
夜は使用人あつかいの生活、昼間は優秀な学園生という、2重生活をおくって来たリアンナは、淑女らしからぬ、早食いがとくいなのだ。
「アルは私がいなくても大丈夫だと言ってくれたけれど… アルだって、食事をまともにとっていないから、お腹がペコペコのはずだわ? 早く舞踏室へもどって交代しないと!」
主役の2人がパーティの会場で食事をとろうとしても、招待客の誰かから話しかけられ、結局2人は手に皿を持ったまま食べられずにいたのだ。
食事は急いでとったが、食後のお茶だけはゆっくりと飲んでいると… 控室の扉がいきおいよく開き、フリルとリボンがたっぷりと使われた、ピンクのドレス姿のエヴァがあらわれた。
「エヴァ様…?!」
「……」
エヴァは無言でリアンナの前まで来ると…
パンッ…!!
エヴァは突然、リアンナの頬をたたいた。
「ハッ…?!」
何がおきているの? エヴァ様?!
リアンナはたたかれた自分の頬にふれ、ぼうぜんとエヴァを見る。
「この、どろぼう猫――! 私の恋人を盗もうとするなんて… この恥知らず! うそつき!! 私をだましたわね?! なんてズルイ女なの?!」
エヴァはキッ… とリアンナを睨みつけて罵詈雑言を怒鳴り声でまき散らした。
「……っ?!」
突然おきた衝撃的なできことで、リアンナは困惑し険悪な表情でののしるエヴァを、見つめることしかできなかった。
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