すてられた令嬢は、傷心の魔法騎士に溺愛される

みみぢあん

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5話 ブルイヤール夫妻

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 翌日、使用人のメグを連れて、ソレイユは馬車で婚約者リベルテの実家ブルイヤール家に訪問すると…
 ブルイヤール夫妻に会って早々に、ソレイユは謝罪を受けた。


「本当にすまないソレイユ… 私たちも王都からリベルテの手紙が送られて来て、婚約解消の話を初めて知ったんだ」
 リベルテの父、元騎士のキルデリク・ブルイヤールきょうも… 突然、送られて来た息子の手紙を読み、困惑こんわくしていた。

「ああ、やっぱり…! お義母様の話は本当だったのね…?」
 リベルテが書いた手紙の内容も、すべて真実なのだわ…

 義母の話がうそか本当かが確認できて、ソレイユはようやく納得するが… 義母の思惑通おもわくどおりに、自分の将来が決められて、不安に押しつぶされそうになる。

「まったく… いくら口約束の婚約でも、何年もソレイユを待たせて、手紙1通で解消するなんて… あのバカ息子が! こんなことなら面倒がらずに婚約契約書を作れば良かった!」
 
「おじ様…」
 でも、リベルテ自身の気持ちが、私から離れて義妹のリュンヌにあるなら… 契約書があっても、同じ結果になると思うわ?

 自分のために怒ってくれる、キルデリクきょうには言えなかったが… ソレイユの胸は苦い思いでいっぱいだった。


「ごめんなさいソレイユ! リベルテが… 王都へ行ってからあんなに不誠実な人間に変わってしまうなんて! あなたにどうつぐなえば良いか、わからないわ!」

 ブルイヤール夫人とソレイユの母親は、地元の同じ学園出身で親友だった。
 そのえんでジャルダン子爵家とブルイヤール家は、家族ぐるみで付き合い… 次男リベルテが子爵家に婿養子むこようしに入る約束で、ソレイユと婚約したのだ。

「おば様… どうか泣かないで! おば様にそんなに悲しまれると、私も悲しくなるわ?」
 お母様の親友だったおば様は、いつも私に優しくしてくれる… 亡くなったお母さまのように。 

 ソレイユの母親が亡くなってすぐに、父様が愛人と再婚したため、家族で会うことがなくなった。
 だがソレイユだけは、時々ひまを見つけては、夫妻に会いに来ていたが…

「まぁ… ソレイユ… 本当にあなたは、何て優しい子なの?!」

「おば様こそ、私を実の娘のように可愛がってくれる、優しい人だわ!」
 ああ、久しぶりにブルイヤール夫妻に会えたのに… こんな話をしなくてはいけないなんて!

「君の義父になれなくて… 本当に残念だよ、ソレイユ!」
 キルデリクきょうがソレイユの実の父親に代わり、なぐさめようと、ギュッ… と抱きしめてくれた。

「私もです… おじ様! お2人と家族になりたかった!」
「あなたのお母様と約束したのに… ごめんなさいソレイユ…」

「おば様…」
 私を裏切ったリベルテの両親なのに… 私とえんをつなげなかったことを、心からしみ、悲しんでくれている! 


 皮肉ひにくにも家族からはえられなかった、なぐさめといやしをブルイヤール夫妻にあたえられ、ソレイユは初めて涙をこぼした。






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