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五章 葛藤
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新との共同生活は友里にとってひどく楽しいものだった。
家に帰ると一緒に勉強し、夕食を食べ、ゲームをして、二人が好きなアクション映画やホラー映画を見た。
新は一人で生活していた割に、生活能力が皆無だった。スーパーには行かず食事は宅配ばかりだったし、洗濯機も回さずにクリーニングばかりだった。
友里がいることによって余計に金がかかるどころか、むしろ節約できていると感じるほどだった。
「新、さすがにひどすぎ。今時、家事できない男は結婚できないぞ。親の金を湯水のように使って······」
友里が新に苦言を呈すと、新はどこか嬉しそうに反論した。
「いいよ別に結婚できなくても。お前がいるじゃん。」
友里は嫌そうな顔をしてみせたが、内心悪い気はしなかった。
新は友里にとって特別な存在になっていて、新も同じ気持ちであればいいと願ってしまうからだ。
何の脅威も感じずに、ただ好きな友達と好きな時間を過ごすということが、こんなに心穏やかになれるとは知らなかった。
友里が家に帰らず、新のマンションに同居していることは学校では秘密にしておいた。
アルバイト代を貯めておいた通帳を静にそのまま渡したおかげか、静はあれから学校へ連絡してくることもなく大人しくしていた。
その代わり、友里のスマホには一日に何十通も静からラインが入るようになった。
はじめは、着信が入っていたり、
「帰ってきて」
などと書いてあったが、友里が返事をしないでいると、次第に静の独り言のような、日記のような不気味な文が送られてくるようになった。
『今日は、街で小学生くらいの男の子に声をかけられました。ゆうくんみたいにとてもかわいい子です。家に誘ったけど来てくれず、とても寂しかった。会いたい、会いたい』
『死んだお父さんに顔向けできるの?私のこと遊びだったんですか?それなら、貸したお金を返してください。そんな子に育てた覚えはありません。』
家のソファーに座り、友里が暗い表情でスマホの画面を凝視していると、風呂上がりにアイスを咥えていた新が、ひょいと友里からスマホを取り上げた。
「あ!おい··········」
「きも。スクショして俺にも送っとくな。なんかの時証拠になるかも。」
新は友里に寄りかかり体重を預けた。
友里と新の距離は、友達というには近すぎる関係になっていた。
寝る時以外でも、家にいるときは新に触れていると安心できた。新も特に嫌がる素振りはなかったので、友里は新の彼女に悪いなと思いながらも、新の優しさに甘えることが心地よかった。
学校でも友里と新は一緒に過ごすことが多かったが、新は彼女といつ一緒に過ごしているのか。寝る前、ゲームに熱中している新に聞いてみた。
「新、最近智美ちゃん元気?」
新は、テレビ画面から目を離すことなく、コントローラーをカチャカチャと操作しながら答えた。
「智美?なんで?」
「だって、最近俺とばっかりいるから。いつ会ってるのか気になってさ。」
「あー、別れた。」
「別れた?········いい子そうだったのに。何で?」
「んー、なんか悪いと思って。お前が原因ではある。」
その言葉に、新の元カノの『男友達を優先させるのが嫌!』という言葉が蘇った。意図せず別れの原因になることが、友里は不本意だった。
「なんだよ·······べつに学校では一緒にいてくれなんて頼んでないし。彼女と遊んでくれて構わなかったし。家に連れてくる時は外に出たよ。言ってくれればーーー」
「俺が無理だったから。」
「?」
「友里より智美と一緒にいたい瞬間がなかったんだ。好きだったら、会えない時間に彼女のこと考えるじゃん。手繋ぎたいとかその先もしたいとか考えるじゃん。俺はそういう願望が智美に対してなかったからさ。だから別れた。」
よく、独身女性がペットを買うと結婚が遠のくというが、それと似たようなものだろうか。寂しさを男友達で埋めてしまい、彼女を必要としなくなるのかもしれない。
「············俺、新に頼り過ぎだな。学校でも家でもべったりでさ。家のこと落ち着いたら、すぐにでもーーー」
友里の言葉を遮るように、新はコントローラーを机の上にカチャンと置いた。
新が急に友里の方に顔を向けたので友里はドキッとしてしまった。
「そういう話してないって。俺は、男友達を家に何日も泊めたことなんかないし、広く浅い付き合いが好きだし、男と同じベッドで手を繋いで寝るなんか気色悪くてできないんだよ!」
友里はしばらく固まり瞬きをした後、
「新は無理してるってこと?」
と呟いた。
「もういい!お前苛つく!」
新はゲームをそのままにソファを立つと、自室に籠もってしまった。
友里はその場に取り残された後、友達になってから初めて新を怒らせてしまったことに落ち込んでいた。
新が怒った理由が分からず、謝ろうにも謝り方が分からなかった。
気まずさから、その日は別々の部屋で寝た。
新はベッドに入り悶々としていた。
先程、友里に腹を立ててしまったのは理由があった。ずっと抱えていた新の悩みに関係していることだ。
新の父は写真家という自由でバイタリティ溢れる仕事をしながらも、信仰上の理由から、『同性愛』を断固として許容しない人間だった。
まだ新が幼かった頃、父は事あるごとに新に『同性愛が何故異端なのか』を説いてみせた。
「新、お前は大丈夫だと思うが、男が好きな男は実は世の中多いんだ。変なのに引っかからないように油断するなよ。女遊びはいくらしてもいい。でも、そっちの方向には絶対に行くな。じゃないと天国にいけないぞ。」
何度も父に言われた言葉が頭の中でこだまする。
幼い時は、『ふーん、そうなんだ。』としか思わなかった。
成長するにつれて、今は多種多様な趣向の人間がいて、同性愛を否定することの方がマイノリティになりつつあることは知っている。
ただ、新自身は男より女の子の方を好んだし、同性愛に目覚めることはなかったので、父の教えは特段気にもとめていなかった。自分には関係のない世界だった。
友里に出会うまでは。
友里は、新が初めて自分から『仲良くなりたい』と思った人間だった。
特段明るいわけでも、何かに秀でているわけでも、人気者なわけでもなかった。どこか掴みどころがなく、無愛想で人嫌いだった。
ひょんなきっかけから友里と遊ぶようになると、彼は無感動な人間ではないことが分かってきた。
横暴に見えた態度は臆病の裏返しだったし、捻くれているようで純粋だった。
他の誰にも心を開かないのに、新に頼ってきてくれることが嬉しかった。
友里は、快活に声を上げて笑うことはない。手を叩いて爆笑することもない。楽しい時は、目を細めて微笑むだけだ。その年齢に似つかわしくない憂いを帯びたような表情を見ると、新はいつも胸がザワザワし、落ち着かなくなるのだ。見てはいけないものを見ているような、けれどこっそりと見ていたいような、そんな秘密めいた感情だった。
そんな風に友里と近い距離で過ごしていると、会えない時間も友里のことを考えることが多くなった。
いかがわしい夢をみてしまった時には、いよいよ自分はおかしいのだと自覚せざるを得なかった。
自分は『同性愛者』ではないと信じたいがために、女子と付き合っては別れるということを繰り返した。
結果、以前と変わらず女性を愛でる気持ちはあるものの、友里と一緒にいる時間を割かれることが苦痛で長く続かない、という悪循環に陥っていた。
友里は、自身のことに踏み込まれることを異常に嫌っていた。新は、友里に嫌われたくないという気持ちもあったが、そこに踏み込んでしまうと取り返しがつかなくなるのではないかという恐れもあり、友里の個人的な部分には立ち入らないようにしていた。
しかし、行き場がないと泣きじゃくる友里を見た時、新は完全に落ちてしまった。
友里を傷付けるすべてのものが許せなかったし、友里の泣き顔を見るのは自分だけでいいという歪んだ独占欲めいたものが芽生えた。
友里も新に特別な感情を抱いている。それは感じるが、『手を繋いで寝る』以上の線は越えてこないし、新も越えられなかった。
新が友里へ想いを伝えた瞬間から、この『特別な友達』という関係は終わる。
幼い頃の刷り込みというのは、本人が自覚するより強く新の中に根付いており、父の嫌う『同性愛者』になる覚悟が新にはまだなかった。
友里に触れたいという想いとは裏腹に、今の関係のままであればまだ引き返せるという打算が捨てきれなかった。
自分から友里に八つ当たりしたくせに、夜部屋に来てくれないと、それはそれで腹立たしくなった。
広いベッドの左半分が寒々しい。もはや、新はベッドの真ん中では眠らない。友里の手のぬくもりがなければ眠ることができなかった。
目を閉じたが頭の中は休まらず、新が眠りについたのは明け方近くだった。
家に帰ると一緒に勉強し、夕食を食べ、ゲームをして、二人が好きなアクション映画やホラー映画を見た。
新は一人で生活していた割に、生活能力が皆無だった。スーパーには行かず食事は宅配ばかりだったし、洗濯機も回さずにクリーニングばかりだった。
友里がいることによって余計に金がかかるどころか、むしろ節約できていると感じるほどだった。
「新、さすがにひどすぎ。今時、家事できない男は結婚できないぞ。親の金を湯水のように使って······」
友里が新に苦言を呈すと、新はどこか嬉しそうに反論した。
「いいよ別に結婚できなくても。お前がいるじゃん。」
友里は嫌そうな顔をしてみせたが、内心悪い気はしなかった。
新は友里にとって特別な存在になっていて、新も同じ気持ちであればいいと願ってしまうからだ。
何の脅威も感じずに、ただ好きな友達と好きな時間を過ごすということが、こんなに心穏やかになれるとは知らなかった。
友里が家に帰らず、新のマンションに同居していることは学校では秘密にしておいた。
アルバイト代を貯めておいた通帳を静にそのまま渡したおかげか、静はあれから学校へ連絡してくることもなく大人しくしていた。
その代わり、友里のスマホには一日に何十通も静からラインが入るようになった。
はじめは、着信が入っていたり、
「帰ってきて」
などと書いてあったが、友里が返事をしないでいると、次第に静の独り言のような、日記のような不気味な文が送られてくるようになった。
『今日は、街で小学生くらいの男の子に声をかけられました。ゆうくんみたいにとてもかわいい子です。家に誘ったけど来てくれず、とても寂しかった。会いたい、会いたい』
『死んだお父さんに顔向けできるの?私のこと遊びだったんですか?それなら、貸したお金を返してください。そんな子に育てた覚えはありません。』
家のソファーに座り、友里が暗い表情でスマホの画面を凝視していると、風呂上がりにアイスを咥えていた新が、ひょいと友里からスマホを取り上げた。
「あ!おい··········」
「きも。スクショして俺にも送っとくな。なんかの時証拠になるかも。」
新は友里に寄りかかり体重を預けた。
友里と新の距離は、友達というには近すぎる関係になっていた。
寝る時以外でも、家にいるときは新に触れていると安心できた。新も特に嫌がる素振りはなかったので、友里は新の彼女に悪いなと思いながらも、新の優しさに甘えることが心地よかった。
学校でも友里と新は一緒に過ごすことが多かったが、新は彼女といつ一緒に過ごしているのか。寝る前、ゲームに熱中している新に聞いてみた。
「新、最近智美ちゃん元気?」
新は、テレビ画面から目を離すことなく、コントローラーをカチャカチャと操作しながら答えた。
「智美?なんで?」
「だって、最近俺とばっかりいるから。いつ会ってるのか気になってさ。」
「あー、別れた。」
「別れた?········いい子そうだったのに。何で?」
「んー、なんか悪いと思って。お前が原因ではある。」
その言葉に、新の元カノの『男友達を優先させるのが嫌!』という言葉が蘇った。意図せず別れの原因になることが、友里は不本意だった。
「なんだよ·······べつに学校では一緒にいてくれなんて頼んでないし。彼女と遊んでくれて構わなかったし。家に連れてくる時は外に出たよ。言ってくれればーーー」
「俺が無理だったから。」
「?」
「友里より智美と一緒にいたい瞬間がなかったんだ。好きだったら、会えない時間に彼女のこと考えるじゃん。手繋ぎたいとかその先もしたいとか考えるじゃん。俺はそういう願望が智美に対してなかったからさ。だから別れた。」
よく、独身女性がペットを買うと結婚が遠のくというが、それと似たようなものだろうか。寂しさを男友達で埋めてしまい、彼女を必要としなくなるのかもしれない。
「············俺、新に頼り過ぎだな。学校でも家でもべったりでさ。家のこと落ち着いたら、すぐにでもーーー」
友里の言葉を遮るように、新はコントローラーを机の上にカチャンと置いた。
新が急に友里の方に顔を向けたので友里はドキッとしてしまった。
「そういう話してないって。俺は、男友達を家に何日も泊めたことなんかないし、広く浅い付き合いが好きだし、男と同じベッドで手を繋いで寝るなんか気色悪くてできないんだよ!」
友里はしばらく固まり瞬きをした後、
「新は無理してるってこと?」
と呟いた。
「もういい!お前苛つく!」
新はゲームをそのままにソファを立つと、自室に籠もってしまった。
友里はその場に取り残された後、友達になってから初めて新を怒らせてしまったことに落ち込んでいた。
新が怒った理由が分からず、謝ろうにも謝り方が分からなかった。
気まずさから、その日は別々の部屋で寝た。
新はベッドに入り悶々としていた。
先程、友里に腹を立ててしまったのは理由があった。ずっと抱えていた新の悩みに関係していることだ。
新の父は写真家という自由でバイタリティ溢れる仕事をしながらも、信仰上の理由から、『同性愛』を断固として許容しない人間だった。
まだ新が幼かった頃、父は事あるごとに新に『同性愛が何故異端なのか』を説いてみせた。
「新、お前は大丈夫だと思うが、男が好きな男は実は世の中多いんだ。変なのに引っかからないように油断するなよ。女遊びはいくらしてもいい。でも、そっちの方向には絶対に行くな。じゃないと天国にいけないぞ。」
何度も父に言われた言葉が頭の中でこだまする。
幼い時は、『ふーん、そうなんだ。』としか思わなかった。
成長するにつれて、今は多種多様な趣向の人間がいて、同性愛を否定することの方がマイノリティになりつつあることは知っている。
ただ、新自身は男より女の子の方を好んだし、同性愛に目覚めることはなかったので、父の教えは特段気にもとめていなかった。自分には関係のない世界だった。
友里に出会うまでは。
友里は、新が初めて自分から『仲良くなりたい』と思った人間だった。
特段明るいわけでも、何かに秀でているわけでも、人気者なわけでもなかった。どこか掴みどころがなく、無愛想で人嫌いだった。
ひょんなきっかけから友里と遊ぶようになると、彼は無感動な人間ではないことが分かってきた。
横暴に見えた態度は臆病の裏返しだったし、捻くれているようで純粋だった。
他の誰にも心を開かないのに、新に頼ってきてくれることが嬉しかった。
友里は、快活に声を上げて笑うことはない。手を叩いて爆笑することもない。楽しい時は、目を細めて微笑むだけだ。その年齢に似つかわしくない憂いを帯びたような表情を見ると、新はいつも胸がザワザワし、落ち着かなくなるのだ。見てはいけないものを見ているような、けれどこっそりと見ていたいような、そんな秘密めいた感情だった。
そんな風に友里と近い距離で過ごしていると、会えない時間も友里のことを考えることが多くなった。
いかがわしい夢をみてしまった時には、いよいよ自分はおかしいのだと自覚せざるを得なかった。
自分は『同性愛者』ではないと信じたいがために、女子と付き合っては別れるということを繰り返した。
結果、以前と変わらず女性を愛でる気持ちはあるものの、友里と一緒にいる時間を割かれることが苦痛で長く続かない、という悪循環に陥っていた。
友里は、自身のことに踏み込まれることを異常に嫌っていた。新は、友里に嫌われたくないという気持ちもあったが、そこに踏み込んでしまうと取り返しがつかなくなるのではないかという恐れもあり、友里の個人的な部分には立ち入らないようにしていた。
しかし、行き場がないと泣きじゃくる友里を見た時、新は完全に落ちてしまった。
友里を傷付けるすべてのものが許せなかったし、友里の泣き顔を見るのは自分だけでいいという歪んだ独占欲めいたものが芽生えた。
友里も新に特別な感情を抱いている。それは感じるが、『手を繋いで寝る』以上の線は越えてこないし、新も越えられなかった。
新が友里へ想いを伝えた瞬間から、この『特別な友達』という関係は終わる。
幼い頃の刷り込みというのは、本人が自覚するより強く新の中に根付いており、父の嫌う『同性愛者』になる覚悟が新にはまだなかった。
友里に触れたいという想いとは裏腹に、今の関係のままであればまだ引き返せるという打算が捨てきれなかった。
自分から友里に八つ当たりしたくせに、夜部屋に来てくれないと、それはそれで腹立たしくなった。
広いベッドの左半分が寒々しい。もはや、新はベッドの真ん中では眠らない。友里の手のぬくもりがなければ眠ることができなかった。
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