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豹変
豹変
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「俺は、君のお兄さんみたく決して傷付けたり
はしない。だから、恋人として・・・いや、夫として、君を抱きたい。一太に兄弟を作ってあげよう」
心の奥底まで見破られそうな鋭い眼光に身動ぎを封じられ。
「まま、いちた、あかちゃんほしい!」
キラキラと目を輝かせた息子に、トドメとなる一言を言われてしまい、断る逃げ道を完全に塞がれてしまった。
【颯人さん、待っ・・・】
2度目の口付けは自宅アパート前の駐車場で。停車するなり腰に彼の腕が回ってきて、抱き寄せられ、すぐに唇を奪われた。
「君の横顔があまりにも可愛くて・・・」
シートを倒され彼がすぐに覆い被さってきた。一太は後部座席のチャイルドシートに座ったまま熟睡しててぴくりとも動かない。
「ごめん、君の家まで我慢出来そうにない」
戸惑う僕にはお構い無し。
だいぶ薄暗くなってはきてるものの、人通りがない訳じゃないのに。
【嫌だ!】
必死でぶんぶんと首を横に振った。
「嫌だという割りには・・・固くなってるよ、ここ」
くすりと苦笑いされながら、布越しに下肢をそろりと撫でられた瞬間、顔がひきつり、ぞっと身慄いがした。
「なぁ、未知・・・そろそろトラウマを克服して貰わないと・・・」
そこで彼は一旦言葉を止めた。
「俺が困るんだよ、おい、聞いてるか?」
それまでの表情が一転。鬼の様な形相に豹変した。声もがらりと変わりまるで別人の様だった。
恐怖からか体が動かない。どくんどくんと鼓動の音が耳にはっきりと聞こえてくる。
手を伸ばせばドアを開けられる。でも、一太を置いて僕だけ逃げるなんて出来る訳ない。
「怯えている未知もなかなか可愛いな。そそられる」
彼の手が頬に触れた瞬間、あまりの冷たさに震え上がった。
はしない。だから、恋人として・・・いや、夫として、君を抱きたい。一太に兄弟を作ってあげよう」
心の奥底まで見破られそうな鋭い眼光に身動ぎを封じられ。
「まま、いちた、あかちゃんほしい!」
キラキラと目を輝かせた息子に、トドメとなる一言を言われてしまい、断る逃げ道を完全に塞がれてしまった。
【颯人さん、待っ・・・】
2度目の口付けは自宅アパート前の駐車場で。停車するなり腰に彼の腕が回ってきて、抱き寄せられ、すぐに唇を奪われた。
「君の横顔があまりにも可愛くて・・・」
シートを倒され彼がすぐに覆い被さってきた。一太は後部座席のチャイルドシートに座ったまま熟睡しててぴくりとも動かない。
「ごめん、君の家まで我慢出来そうにない」
戸惑う僕にはお構い無し。
だいぶ薄暗くなってはきてるものの、人通りがない訳じゃないのに。
【嫌だ!】
必死でぶんぶんと首を横に振った。
「嫌だという割りには・・・固くなってるよ、ここ」
くすりと苦笑いされながら、布越しに下肢をそろりと撫でられた瞬間、顔がひきつり、ぞっと身慄いがした。
「なぁ、未知・・・そろそろトラウマを克服して貰わないと・・・」
そこで彼は一旦言葉を止めた。
「俺が困るんだよ、おい、聞いてるか?」
それまでの表情が一転。鬼の様な形相に豹変した。声もがらりと変わりまるで別人の様だった。
恐怖からか体が動かない。どくんどくんと鼓動の音が耳にはっきりと聞こえてくる。
手を伸ばせばドアを開けられる。でも、一太を置いて僕だけ逃げるなんて出来る訳ない。
「怯えている未知もなかなか可愛いな。そそられる」
彼の手が頬に触れた瞬間、あまりの冷たさに震え上がった。
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