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忍び寄る紫竜の影
忍び寄る紫竜の影
那和さんが窓に駆け寄ってカーテンを閉めた。
「大丈夫?」
「うん、ごめん。他人の、何だっけ……」
顎や唇が震えてうまく話せない紗智さんの肩をそっと静かに抱き寄せる鞠家さん。
「他人の空似だ」
「そうだった」
えへへと愛想笑いした紗智さんに、無理をするな、鞠家さんが声を掛けると、声を震わせ泣き出した。
「惣一郎さん、今晩部屋って空いてますか?」
「それが、生憎満室で」
「ログハウスの貸コテージでよかったら空いてるわよ」
エプロン姿の和江さんが厨房から顔を出した。
「ごめんなさいね、カーテンを閉め忘れたの私なの」
「和江さんは悪くありませんよ。ここちゃん、パパがおいでって呼んでる」
鞠家さんが心望を抱き上げようとすると、胸にぎゅーーっとしがみつき、下唇をこれでもかと伸ばし、泣きべそをかいた。
「ここちゃん、紗智は俺の……」
「あらあらここちゃんにまで焼きもちを妬くなんてね」
鞠家さん、和江さんに冷やかされて顔を真っ赤にしていた。
紗智さんが落ち着くまでと、ソファーに腰を下ろすと、つかさず遥香が紗智さんと鞠家さんの間に割り込んだ。
屈託のない愛くるしい笑顔を振り撒く遥香と心望の遊び相手をしているうち、自然と紗智さんに笑顔が戻った。
鞠家さんが泊まるならと、彼と柚原さんも泊まることになった。
パパとずっと一緒にいれる!やったー!一太と遥香は、飛び上がるくらい大喜びしていた。
ただ泊まる部屋が人数分空いていないから、那和さん以外はみんな貸コテージに泊まることになり、二人きりになれると思った鞠家さん、ぬか喜びだった。と肩を落としガッカリしていた。
「大丈夫?」
「うん、ごめん。他人の、何だっけ……」
顎や唇が震えてうまく話せない紗智さんの肩をそっと静かに抱き寄せる鞠家さん。
「他人の空似だ」
「そうだった」
えへへと愛想笑いした紗智さんに、無理をするな、鞠家さんが声を掛けると、声を震わせ泣き出した。
「惣一郎さん、今晩部屋って空いてますか?」
「それが、生憎満室で」
「ログハウスの貸コテージでよかったら空いてるわよ」
エプロン姿の和江さんが厨房から顔を出した。
「ごめんなさいね、カーテンを閉め忘れたの私なの」
「和江さんは悪くありませんよ。ここちゃん、パパがおいでって呼んでる」
鞠家さんが心望を抱き上げようとすると、胸にぎゅーーっとしがみつき、下唇をこれでもかと伸ばし、泣きべそをかいた。
「ここちゃん、紗智は俺の……」
「あらあらここちゃんにまで焼きもちを妬くなんてね」
鞠家さん、和江さんに冷やかされて顔を真っ赤にしていた。
紗智さんが落ち着くまでと、ソファーに腰を下ろすと、つかさず遥香が紗智さんと鞠家さんの間に割り込んだ。
屈託のない愛くるしい笑顔を振り撒く遥香と心望の遊び相手をしているうち、自然と紗智さんに笑顔が戻った。
鞠家さんが泊まるならと、彼と柚原さんも泊まることになった。
パパとずっと一緒にいれる!やったー!一太と遥香は、飛び上がるくらい大喜びしていた。
ただ泊まる部屋が人数分空いていないから、那和さん以外はみんな貸コテージに泊まることになり、二人きりになれると思った鞠家さん、ぬか喜びだった。と肩を落としガッカリしていた。
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