single tear drop

彩矢

文字の大きさ
625 / 985
忍び寄る紫竜の影

忍び寄る紫竜の影

ボスお気に入りのただの性玩具《ペット》なのに、アイツがアンダーボス?ふざけるな!
一年前、紗智さんが古参の幹部を差し置いて青蛇のアンダーボスに大抜擢されたとき、何人かの幹部は不平不満を口にし、組織を去っていった。そのときの幹部の一人。恐らくそうじゃないかな。
そう言いながら、紗智さんは甘えるように鞠家さんに体を預けた。
近所を夜警をして回っていた地区の消防団が、ペンションの裏にある物置小屋から火が出ているのをたまたま見付けすぐに火を消し止めてくれたからボヤ程度ですんだ。

彼に火を見るな、迷信かも知れないが、おなかの子に障るからそう言われ、リビングで眠り眼を擦る子供達と彼の帰りを待っていた。

今彼は、惣一郎さんと和江さんと交番のお巡りさんに別室で話しを聞かれている。

「逆恨みもいいところだ」

「でも性玩具《ペット》だったのは事実」

「紗智!」鞠家さんが声を荒げた。
一太が驚いて肩をぶるっと震わせた。

「昔のことはもう忘れろ、紗智は俺が愛して止まない奥さん。それでいいだろ?」

「鞠家、さん……俺……」

紗智さんが目を潤ませた。そして初めて彼の名前を口にした。「たか……ゆき……さん」って。震えながら。
「紗智」目を見開き驚く鞠家さん。
よほど嬉しかったのか堰を切ったかのように涙が溢れた。

「やっと夫婦らしくなりましたね」
「今までが他人行儀だったんだ。優璃、俺たちも夫婦らしいことをーー痛っ!」

橘さんがほっぺたをこれでもかと膨らませ、柚原さんの足を踏みつけた。

感想 2

あなたにおすすめの小説

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 【エールいただきました。ありがとうございます】 【たくさんの“いいね”ありがとうございます】 【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

【完結】恋人になりたかった

ivy
BL
初めてのキスは、 すべてが始まった合図だと思っていた。 優しい大地と過ごす時間は、 律にとって特別で、 手放したくないものになっていく。 けれど……

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

貧乏子爵のオメガ令息は、王子妃候補になりたくない

こたま
BL
山あいの田舎で、子爵とは名ばかりの殆ど農家な仲良し一家で育ったラリー。男オメガで貧乏子爵。このまま実家で生きていくつもりであったが。王から未婚の貴族オメガにはすべからく王子妃候補の選定のため王宮に集うようお達しが出た。行きたくないしお金も無い。辞退するよう手紙を書いたのに、近くに遠征している騎士団が帰る時、迎えに行って一緒に連れていくと連絡があった。断れないの?高貴なお嬢様にイジメられない?不安だらけのラリーを迎えに来たのは美丈夫な騎士のニールだった。

愛する公爵と番になりましたが、大切な人がいるようなので身を引きます

まんまる
BL
メルン伯爵家の次男ナーシュは、10歳の時Ωだと分かる。 するとすぐに18歳のタザキル公爵家の嫡男アランから求婚があり、あっという間に婚約が整う。 初めて会った時からお互い惹かれ合っていると思っていた。 しかしアランにはナーシュが知らない愛する人がいて、それを知ったナーシュはアランに離婚を申し出る。 でもナーシュがアランの愛人だと思っていたのは⋯。 執着系α×天然Ω 年の差夫夫のすれ違い(?)からのハッピーエンドのお話です。 Rシーンは※付けます ※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。 ※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。 Xアカウント(@wawawa_o_o_)

僕の番

結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが―― ※他サイトにも掲載