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忍び寄る紫竜の影
忍び寄る紫竜の影
ボスお気に入りのただの性玩具《ペット》なのに、アイツがアンダーボス?ふざけるな!
一年前、紗智さんが古参の幹部を差し置いて青蛇のアンダーボスに大抜擢されたとき、何人かの幹部は不平不満を口にし、組織を去っていった。そのときの幹部の一人。恐らくそうじゃないかな。
そう言いながら、紗智さんは甘えるように鞠家さんに体を預けた。
近所を夜警をして回っていた地区の消防団が、ペンションの裏にある物置小屋から火が出ているのをたまたま見付けすぐに火を消し止めてくれたからボヤ程度ですんだ。
彼に火を見るな、迷信かも知れないが、おなかの子に障るからそう言われ、リビングで眠り眼を擦る子供達と彼の帰りを待っていた。
今彼は、惣一郎さんと和江さんと交番のお巡りさんに別室で話しを聞かれている。
「逆恨みもいいところだ」
「でも性玩具《ペット》だったのは事実」
「紗智!」鞠家さんが声を荒げた。
一太が驚いて肩をぶるっと震わせた。
「昔のことはもう忘れろ、紗智は俺が愛して止まない奥さん。それでいいだろ?」
「鞠家、さん……俺……」
紗智さんが目を潤ませた。そして初めて彼の名前を口にした。「たか……ゆき……さん」って。震えながら。
「紗智」目を見開き驚く鞠家さん。
よほど嬉しかったのか堰を切ったかのように涙が溢れた。
「やっと夫婦らしくなりましたね」
「今までが他人行儀だったんだ。優璃、俺たちも夫婦らしいことをーー痛っ!」
橘さんがほっぺたをこれでもかと膨らませ、柚原さんの足を踏みつけた。
一年前、紗智さんが古参の幹部を差し置いて青蛇のアンダーボスに大抜擢されたとき、何人かの幹部は不平不満を口にし、組織を去っていった。そのときの幹部の一人。恐らくそうじゃないかな。
そう言いながら、紗智さんは甘えるように鞠家さんに体を預けた。
近所を夜警をして回っていた地区の消防団が、ペンションの裏にある物置小屋から火が出ているのをたまたま見付けすぐに火を消し止めてくれたからボヤ程度ですんだ。
彼に火を見るな、迷信かも知れないが、おなかの子に障るからそう言われ、リビングで眠り眼を擦る子供達と彼の帰りを待っていた。
今彼は、惣一郎さんと和江さんと交番のお巡りさんに別室で話しを聞かれている。
「逆恨みもいいところだ」
「でも性玩具《ペット》だったのは事実」
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よほど嬉しかったのか堰を切ったかのように涙が溢れた。
「やっと夫婦らしくなりましたね」
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