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穏やかで愛おしい日々
穏やかで愛おしい日々
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ずっと家の中にいたせいか、陽の光が眩しすぎて思わず目を眇めた。
「遥琉も橘も過保護だからな。引き籠っていたらもやしになっちまうぞ。明日、天気が良かったら散歩に連れていってやる」
鷲崎さんは機嫌良く笑っていた。
「遥琉から記憶がないって聞いて、顔がこの通り怖いだろ?だから、未知が俺を恐がり、パニックを起こさないか心配だったんだ。だから、七海だけ行かせるつもりだった。でも、どうしても未知の世話がしたくてな。良かった・・・・」
何気に目が合うと、安堵し穏やかな笑みが返ってきた。
「遠慮することも、敬語も使う必要もない。何でも言え。分かったな」
鷲崎さんの優しさが涙が出るくらい嬉しくて。うん、大きく頷いて、太い首にぎゅっとしがみついた。
あっ!七海さんに焼きもち妬かれちゃうかも。
慌てて腕の力を緩めたら、
「七海は未知には焼きもちを妬かない」
今度はゲラゲラと声を上げ笑い出した。
「あっ、ママだ‼」
一太と遥香がすぐに気が付いて駆け寄ってくれた。
「そんな目で見んな。俺が未知を落とす訳ねぇだろ」
一太と遥香にも心配そうに見詰められて。鷲崎さん、少し仏頂面になっていた。
心さんと紗智さんと那和さんが、手際よくレジャーシートを広げてくれて、長座布団の上に静かに下ろしてもらった。
「ちょうどいい、おやつの時間だ。何が食べれるか分からなくてな、適当に買ってきた。ちょっと待ってろ」
鷲崎さんが近くに控えていた部下に命じ、大きめのクーラーボックスを運んできてもらった。
子供達がその回りにちょこんと座り、興味津々、目を輝かせて中をそぉーと覗き込んだ。
仙台といえば、牛タンにずんだ餅に笹かまだろ?あと、巷で美味しいって評判の生パイに、シューラスクに、カステラに、ずんだロールケーキに………あと、黒糖まんじゅうもあるぞ。
次から次に見たこともないお菓子が出てくるものだから、子供達は目を丸くして驚いていた。
「遥琉も橘も過保護だからな。引き籠っていたらもやしになっちまうぞ。明日、天気が良かったら散歩に連れていってやる」
鷲崎さんは機嫌良く笑っていた。
「遥琉から記憶がないって聞いて、顔がこの通り怖いだろ?だから、未知が俺を恐がり、パニックを起こさないか心配だったんだ。だから、七海だけ行かせるつもりだった。でも、どうしても未知の世話がしたくてな。良かった・・・・」
何気に目が合うと、安堵し穏やかな笑みが返ってきた。
「遠慮することも、敬語も使う必要もない。何でも言え。分かったな」
鷲崎さんの優しさが涙が出るくらい嬉しくて。うん、大きく頷いて、太い首にぎゅっとしがみついた。
あっ!七海さんに焼きもち妬かれちゃうかも。
慌てて腕の力を緩めたら、
「七海は未知には焼きもちを妬かない」
今度はゲラゲラと声を上げ笑い出した。
「あっ、ママだ‼」
一太と遥香がすぐに気が付いて駆け寄ってくれた。
「そんな目で見んな。俺が未知を落とす訳ねぇだろ」
一太と遥香にも心配そうに見詰められて。鷲崎さん、少し仏頂面になっていた。
心さんと紗智さんと那和さんが、手際よくレジャーシートを広げてくれて、長座布団の上に静かに下ろしてもらった。
「ちょうどいい、おやつの時間だ。何が食べれるか分からなくてな、適当に買ってきた。ちょっと待ってろ」
鷲崎さんが近くに控えていた部下に命じ、大きめのクーラーボックスを運んできてもらった。
子供達がその回りにちょこんと座り、興味津々、目を輝かせて中をそぉーと覗き込んだ。
仙台といえば、牛タンにずんだ餅に笹かまだろ?あと、巷で美味しいって評判の生パイに、シューラスクに、カステラに、ずんだロールケーキに………あと、黒糖まんじゅうもあるぞ。
次から次に見たこともないお菓子が出てくるものだから、子供達は目を丸くして驚いていた。
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