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夕貴さんの生きた証
夕貴さんの生きた証
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「それでも親なんですか。夕貴さんは生きるために懸命に戦っているんですよ。命と引き換えにしてでも真沙哉さんを告発しようとしていたんですよ。その理由があなた方に分かりますか?夕貴さんは心春ちゃんと円花ちゃんが大人になるまで成長を見守りたかったはずです。幸せな花嫁姿を見たかったはずです。もっともっとそばに……ずっと一緒にいたかったはずです」
絶縁したからもう赤の他人と言ってきかない夕貴さんの両親に、お婆ちゃんが涙を浮かべながらすぐ来るように説得していた。もう二度と会えなくなるかも知れない。大切なひとを失ってから、あのときこうしていればと後悔しても遅い。いまならまだ間に合う。親子の縁はそう簡単に切れるものではない。お婆ちゃんの涙の訴えに、それまで頑なだった夕貴さんの両親の態度が少しずつ変わっていった。
ーこれを聞いているということは私はもうこの世にいないということね。心春ごめんね。寂しい想いばかりさせて。ママ失格だね。心春、これからは和真さんと四季さんの言うことをちゃんと聞いてママの分も生きてね。あと、そうだ円花のお世話お願いね。頭は叩いちゃだめだよ。撫で撫でだよ。心春や円花の成長をみれないのは寂しいけど、遠いお空の上でずっと見守っているからねー
鼻をずずっと啜りながら言葉を続けた。
ーあのとき私は一度死んだ。店のオーナーの真沙哉が身も心も深く傷付いた私に親身になってすごく優しくしてくれたの。でもそれは私を監視するため。真沙哉は私を愛してはいなかった。彼が愛していたのはただひとり。実の妹の結さんよ。騙されていたことに今さら気付くなんて。男運がないよね。つくづくそう思う。和真さん、四季さん子どもたちのことをお願いしますー
手当てを受けていた病院を出たあと真沙哉さんは逮捕された。容疑は内縁の妻、夕貴さんへ対する殺人未遂罪だ。別件でも逮捕状が出ているって彼が話していた。
絶縁したからもう赤の他人と言ってきかない夕貴さんの両親に、お婆ちゃんが涙を浮かべながらすぐ来るように説得していた。もう二度と会えなくなるかも知れない。大切なひとを失ってから、あのときこうしていればと後悔しても遅い。いまならまだ間に合う。親子の縁はそう簡単に切れるものではない。お婆ちゃんの涙の訴えに、それまで頑なだった夕貴さんの両親の態度が少しずつ変わっていった。
ーこれを聞いているということは私はもうこの世にいないということね。心春ごめんね。寂しい想いばかりさせて。ママ失格だね。心春、これからは和真さんと四季さんの言うことをちゃんと聞いてママの分も生きてね。あと、そうだ円花のお世話お願いね。頭は叩いちゃだめだよ。撫で撫でだよ。心春や円花の成長をみれないのは寂しいけど、遠いお空の上でずっと見守っているからねー
鼻をずずっと啜りながら言葉を続けた。
ーあのとき私は一度死んだ。店のオーナーの真沙哉が身も心も深く傷付いた私に親身になってすごく優しくしてくれたの。でもそれは私を監視するため。真沙哉は私を愛してはいなかった。彼が愛していたのはただひとり。実の妹の結さんよ。騙されていたことに今さら気付くなんて。男運がないよね。つくづくそう思う。和真さん、四季さん子どもたちのことをお願いしますー
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