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慶悟先輩
慶悟先輩
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「通りの向こう側に建築途中で中断されそのまま放置されているビルがあるだろう。立入禁止にはなっているが、100%幽霊が出る心霊スポットとして巷で騒がれていて、侵入する者があとをたたない。先週ボヤ騒ぎがあったばかりだ」
上を見つめたまま微動だにしない青空さんの肩を蜂谷さんがぽんぽんと軽く叩いた。
「仕事をしよう」
「ハチ、人がいる」
「人だと?」
「3階の窓のあたりだ。真っ昼間から幽霊は出るものなのか?」
「出るときは出るんじゃないか」
蜂谷さんの表情が急に変わった。
「四季、亜優、頭を下げろ!すぐ廊下に出れるようになるべくドアの近くに……」
プシューン。鈍い音がして、その直後、窓ガラスに大きなクモの巣状のひび割れが出来ていた。
警告音が鳴り響くなか、青空さんがすぐに駆け付けてくれた。
「二発目がすぐ来る」
「ひかりのみこの信者に青空と柚原みたいなのがいるなんて聞いてないぞ」
「ロンだ。ヤツは高校のときライフル射撃の選手だった。国体にも出場するくらいの腕前だった。サバゲーで無差別に撃ちまくり逃げ惑うひとたちを見るのが快感らしい。ヤツにとってはただの遊びだ。殺す気はない」
乾いた発砲音が二回、続けて聞こえてきた。
一発はクモの巣状にひび割れたガラスに命中し、もう一発は僕の頭上を掠めドアを貫通した。
「亜優さん大丈夫?」
反射神経のいい亜優さん。寸でのところでしゃがみこみ難を逃れた。
「青空さんは大丈夫?」
顔を上げると、血が一滴、僕の手の上に落ちてきた。
「嘘………」
目の前が真っ暗になった。
「心配ない。ただの掠り傷だ。それと前言撤回する」
青空さんは頬を指の腹でそっと拭った。
「俺も血の通っている。生きている人間だんだな」
しみじみと感慨深く呟くと、
「柚原、ソイツをさっさと始末しろ!四季と亜優に傷ひとつ付けたらただじゃおかない!」
向かいのビルに向かい叫んだ。
上を見つめたまま微動だにしない青空さんの肩を蜂谷さんがぽんぽんと軽く叩いた。
「仕事をしよう」
「ハチ、人がいる」
「人だと?」
「3階の窓のあたりだ。真っ昼間から幽霊は出るものなのか?」
「出るときは出るんじゃないか」
蜂谷さんの表情が急に変わった。
「四季、亜優、頭を下げろ!すぐ廊下に出れるようになるべくドアの近くに……」
プシューン。鈍い音がして、その直後、窓ガラスに大きなクモの巣状のひび割れが出来ていた。
警告音が鳴り響くなか、青空さんがすぐに駆け付けてくれた。
「二発目がすぐ来る」
「ひかりのみこの信者に青空と柚原みたいなのがいるなんて聞いてないぞ」
「ロンだ。ヤツは高校のときライフル射撃の選手だった。国体にも出場するくらいの腕前だった。サバゲーで無差別に撃ちまくり逃げ惑うひとたちを見るのが快感らしい。ヤツにとってはただの遊びだ。殺す気はない」
乾いた発砲音が二回、続けて聞こえてきた。
一発はクモの巣状にひび割れたガラスに命中し、もう一発は僕の頭上を掠めドアを貫通した。
「亜優さん大丈夫?」
反射神経のいい亜優さん。寸でのところでしゃがみこみ難を逃れた。
「青空さんは大丈夫?」
顔を上げると、血が一滴、僕の手の上に落ちてきた。
「嘘………」
目の前が真っ暗になった。
「心配ない。ただの掠り傷だ。それと前言撤回する」
青空さんは頬を指の腹でそっと拭った。
「俺も血の通っている。生きている人間だんだな」
しみじみと感慨深く呟くと、
「柚原、ソイツをさっさと始末しろ!四季と亜優に傷ひとつ付けたらただじゃおかない!」
向かいのビルに向かい叫んだ。
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