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第二章
マリアベル 王に会う
今週末に、ノーザンコートの邸に帰ってくるようにと、連絡があった。
王より面会の申し出があったらしいのだ。
「急なのね、」
旦那様方が時間の調整をしていたそうですよ。
王様かぁ、どんな人だろう?
「ねえ、王様って怖い人?」
さぁー、どうでしょうねぇ?ガブリエルは答える。
「私が見たところでは、優しい方でしたよ。いつも下の者にも労りの声を掛けてくださって、」
「ガブリエルは、会った事あるの?」
「ええ、私、前は王宮の騎士でしたから。」
えええー、ガブリエルそんなに強いの!!!
「まぁ、騎士科では、五本の指に入っていました。」
納得、納得、
あの、見事なケリ。決まっていたもの
「ガブリエル、素敵よ!
こんな所で侍女にしておくのは勿体ないわ、騎士に戻りだいでしょうに」
「ウフフ、お嬢様のお側も、なかなか刺激的で楽しいですよ。」
ガブリエルはそう言って ちょっと黒い笑を浮かべた。
週末、ノーザンコート邸に出向き支度をする。
足首まであるドレス、ヒールの靴、
コルセットは思ったよりキツくなかった。
(風と共に去りぬ 見た時、紐でぎゅーぎゅー締めていたから痛そうだと思ってたけど•••
腰痛コルセット締めている位の感じね)
基本、成長期の子供はコルセットは付けない、高いヒールは履かない、という決まりがあるらしい。
そして、本日はカツラ無し、地毛で勝負の日だった。
「やあ、支度は出来たかな?」
父クラレンス侯爵がノックと共に部屋を覗いた。
「ローガン様、いくら娘だとて 女性の支度を覗いてはいけませんよ」
ローラはクスクス笑って言った。
父は照れ臭そうに鼻をポリポリと掻く。
(カタン、部屋の戸が開いた。あれ、人が通った?あれあれ?誰もいない??
お父様ったら、ちゃんとドア閉めなかったのね!)
「さあ、お祖父様が待っておられるぞ」
エスコートポーズを取る父の腕に、私は右手を添えた。
父はウルウルして今にも泣きそうな顔をしている。
「お父様、お嫁に行く訳では御座いませんのよ、行先は王宮ですよ!」
父は「うん、うん、」と頷きハンカチで目を拭った。
「全くお前ときたら、、、
しっかりせんか、マリアベルに笑われるぞ」
お祖父様に叱られていた。
そして、三人で仲良く王宮に向かった。
行った先は、城の一画のこじんまりとした離宮だった。
[王に拝謁]なのだから てっきり 大きな謁見の間に 赤い絨毯 脇には旗を持った人が一列にズラ~と立っていて 段の上の豪華な椅子に王様が座っているのをイメージしていた。
ちょっと拍子抜けした。
馬車を降り、ドアを開けてもらいホールへ通される。
目の前に見知らぬひと組の男女
祖父と父がすかさず礼を取る。
私も膝を折り遅れず礼を取る。
「御尊顔を拝し、恐悦至極に存じ奉ります。」
「よい、顔を上げよ」
顔を上げると、王が私の手を取った
「マリアベル、久しいな
と言っても、13年振りだ、会ったのは其方がまだオムツをしていた頃だ。
美しく育ってくれた。」
私はどう答えるのが正しいマナーなのか分からず、祖父を見た。
「マリアベル、ここでは堅苦しい作法は要らぬ、その為の離宮だ。
抱かせてくれぬか?」
祖父は首を縦に振る。
「はい。」返事をした。
「大きくなったなぁ、
コーネリアによく似ておる。
今まで、なんの手助けも出来ず済まなんだ。
愚かな伯父を許しておくれ」
王は私を抱きしめて言った。
「いえ、王様、
それ程の苦労はありませんでした。
丈夫に元気に育ててもらいました。
逆に感謝しております。」
「其方は、本当に前向きな娘だ、
'ケイ様'ソナタの祖母君がどうしてもクラレンスで育てると申していたが••••
この事であったのか!」
「トラビス様、」側で美しい女性が王に箱を手渡した。
「おお、すまぬ、
紹介しよう。これは私の妻 ザビーネだ」
私はすかさず礼を取り
「王妃様におかせられましては、恐縮至極に存じます」
「オホホ、いいのですよ、礼は不要ですわ
それより、ほら、トラビス様、、、」
「そうであった、遅くなったが 入学のお祝いをな其方にと思うてな」
王は小箱を差し出した。
祖父は受け取るよう、首を振る。
私は腰を折り足を引き頭を下げてを手を差し出す。
そんな私を王は立たせた。
「合格点だな、サリバンには褒めるよう言っておくぞ、」
王は小箱を開けて中を取り出した。
それは、指輪であった。
それも、日本で流行ったカル○エの三連リングだった。
ポカンとした私の手を取り右手の中指にはめる。
黒と銀と金の三連リング
ケイ様のお気に入りのデザインを復元させたのだ。
黒にはケイ様の御髪を、
銀にはコーネリアの髪を
中心に入れ込んである。
そして金には、、、 金は王家の象徴
右手の中指は邪気を弾くという言い伝えがある。
その指にはめるように。
と言われた。
嬉しくなってお礼を言い、祖父と父を見た。
祖父はニコニコしていた。
が、何故か父は悲しそうな顔をしていた。
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