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第二章

男の子の事情

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[ラヴィ•ランディエールの事情]

最近、マリアベル様の側にフランシスがいる。
僕はあの女が苦手だ!
子供の頃から大の苦手だった。
口喧嘩で勝てた試しが無い。いつも言いまかされてしまう。
あれは女の癖にすぐ暴力を振るう。
何故かあいつには、頭が上がらないのだ。

ううう、マリアベル欠乏症になってしまう。
マリアベル様の魔力が欲しい!
ちょっとでいいから、ちょっと舐めるだけでいから、、、

この前、ジェイコブ殿下に頼んでみた。

マリアベルは、なかなか尻尾を出さない。
口を割らせようとしたがクラレンスで邪魔が入ってしまった。
僕の婚約者にしてしまえば誰にも文句を言わせず意識操作出来る。
[王命で婚約者にしても、いいですよ!]
そう進言してみた。

「それでは、お前に悪いでは無いか!」

「彼女は美人だから遊ぶだけ遊んで、後は誰かに下げればいいし、利用価値はありますよ!」

「お前も、大概悪い奴だな!あの悪女にはいい薬だ。
では、お前の婚約者にしてやろう。
マリアベルをオモチャにして遊ばないで、マリアの居どころをちゃんと聞き出せよ!」

アホめ、マリアはいないんだよ!
これでマリアベル様は僕の物になる。
ウフフ、僕ってなんて頭がいいんだ。

スティーブンはマリアを諦めたようだし•••

やっとマリアベル様を独り占め出来る。
待ち切れないのに、、、
フランシスが邪魔をする。チクショウ

************

[ジェイコブ殿下の事情]

最近学園でもはマリアベルの話題で持ちきりだ。
マリアベルが良い方だと?
きっとノーザンコート伯爵の操作に決まってる。
あの狸ジジイは四家と父上を騙し王家を乗っ取ろとしているのだ。
父も四家の当主達も、あの女の色仕掛けにメロメロになっている。
確かに、休み明けのマリアベルは、まるで花が開き掛けた様に美しくなっていた。
血迷うのは無理もないが•••

何が王家の呪いだ!
自分たちの不始末を上手く処理出来ず、[呪い]のせいにしただけではないか!

祖父王の愛妾のケイという女。
黒髪の黒目で大層色っぽい女だったと聞く。
あれこそが魔族の特徴ではないか!
私は、[呪い]は魔族の復活の流布だと思っている。
呪いで怯えさせ、預言者と称したケイを送り込み王家を取り込む。
そして、マリアベルは私と子を成してこの国を乗っ取るつもりなのだ!

アイツらの思い通りにはさせない。
あいにく、私はマリアと心を通わせている。
彼女が側にいてくれたなら魔族など恐る事は無い。
魔族の手下のマリアベルが、マリアを隠したのだ!
あの、神にも似た崇高な心を危惧して何処に監禁しているに違いない。

ラヴィ達に探らせたが失敗に終わった。
スティーブンは毒気に当たったのか全く使い物にならない。
ラヴィが気の利いた提案をしてくれた。
マリアベルをラヴィにくれてやって、マリアの居場所を聞き出せばよい、
婚約者のする事だ、ノーザンコートもクラレンスも手も足もでまい。
フフフ、アイツも魔族の血を引いているだけあって 考える事がえげつない。
魔族は嫌いだが、アイツはなかなか使い道がある男だ。

早くマリアを救い出さなくては、、、
アイツらがどんな手を使ってマリアを貶めるか、心配で夜も眠れない。
待っていろ、俺がすぐ助けて出してやる。

*********

[スティーブン•アルビスの事情]

父から[王家の呪い]というものを教えられた。
本来ならば学園卒業後に教えられるものだという。

初代様の失態
そして、アーサー王弟殿下の啓治とサーガ
黒の預言者ケイ様、悲劇のコーネリア様

そして、マリアベル様。
何という尊い血統。
何という重荷を背負っておいでなのか•••

そして、彼女はこの冬に、女神様よりの祝福を受けたの事。

真実のお姿を隠す為に視覚誤認の魔道具を付けていらっしゃる。
そのため、学園では風当たりが強かったのだ。
かくいう私もそうだった。

ソフィア様、アビゲール様、ランディ、
この3人はマリアベル様の外見に囚われず内面を見抜き友人関係を築いていた。
最近、フランシス様が加わっておいでになる。

心の目でみる。
そう、人とは、まず外見で判断する。
中身までみようとはしないものだ。
そして、噂を鵜呑みして相手をそういうものと決めつけてしまう。
まさに、私の事だ!

今回の呪いとは、ジェイコブ殿下の番であったらしい。
それに付随して、私とラヴィにも降りかかる予定であったらしいのだ。

しかし、私は気が付いてしまった。
これはジェイコブ殿下の、独りよがりの考え方が招いた結果だ。
回りの声に耳を傾けて真実を探そうとしない。
盲信的に自分の考えだけを推し進めるている。あまりにも危険だ。
殿下を諌めなければならない。
そうしないと殿下が[呪い]の犠牲になってしまう。
何とかしないと、でも、私1人で立ち向かう事では無い。
父達に相談して綿密に物事を進めていがなければならない。

最近 殿下はラヴィとなにやら画策しているようだ。
2人でコソコソと、、、

ラヴィの動きも変だ。マリアベル様の回りをウロウロとしてはフランシス様に蹴飛ばされている。
この今の時期にフランシス様の登場は実にありがたい。
昔からラヴィは、なぜかフランシス様には滅法弱い。

[ラヴィは敵には絶対にならない]そう聞かされたが、、、

当面は彼らの動きを観察して父に報告して指示を仰ごう。













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