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萌えるファインダー
それからしばらくして、テーブルいっぱいに夬皇母のお手製料理が振舞われると、
一同は歓談をしながら楽しい時間を過ごした。
時間はあっと言う間に過ぎていく。
勿論、途中で凜の携帯のカメラが火を噴く事も多々あった。
(なお、夬皇母は明日に備え、すでに客室で就寝している)
<シャッタータイム①>
風呂上がり、濡れた髪を乾かしながらラフな格好でリビングに戻って来た勇緋の姿をパチリ。
「あっ、ちょ、お姉さん!?」
突然のシャッター音に驚く勇緋。
その姿を見て、笑みを見せたまま、無言で頷くだけの凜。
何も答えが帰って来ない為、彼はしばらく動けなくなった。
<シャッタータイム②>
パジャマ姿でリビングのソファに座って、携帯をいじったり、漫画を読んだりしている二人の後ろ姿をパチリ。
「姉ちゃん、写真撮るならちゃんと撮ったら?」
夬皇は携帯画面を見つめながら、ボソッと呟く。
「ほーう。なら、被写体がしっかりしてないとダメじゃない?萌えないんだけど」
少し煽るような口ぶりで凜が応える。
「全く。仕方ねーなぁ」
そう言って、隣で漫画を読み耽っている勇緋を見つめる夬皇。
「勇緋、ちょっと」
「んっ? なに…」
名を呼ばれたので、視線を漫画から逸らすと、突然夬皇の顔が近寄り、唇が触れ合ったのだった。
まさかの事に目を開けたまま固まってしまった勇緋。
凛のカメラの連射速度が異常に早まった気がした。
「どう? 満足した?」
「ええ。ご馳走様。お風呂行って来るわ」
凛はとても満足そうな顔をして、バスルームへと消えて行ったのだった。
それから静かになったリビング。
「ちょっと、さっきの何?」
「姉ちゃんに分からせてやらないと気が済まなくなっただけ。俺達の事をさ」
「でも。凄くお姉さん、嬉しそうで良かったよ。急でびっくりしたけど」
「結婚してから腐の力が増したらしいけどな。あの携帯、うっかり落としたらヤバいだろうなぁ」
「そ、そうだろうね…」
勇緋はその光景を想像してしまった。
脳内に聞こえる彼女の断末魔はホラー映画よりも怖かった。
「それよりもさ」
「何?」
スッと顔を近づけ、彼の耳元で囁くように話す夬皇。
「なんでずっと、顔赤いの?」
急な事に、流石の勇緋も焦ってしまった。
「あ、赤くないし。第一、お前とキスはいつもしてるじゃんか。今更ときめきなんて…」
そう言いながら視線を彼に向けると、真剣な眼差しで真っ直ぐこちらを見つめる夬皇が居た。
「あ、ある訳…」
「いつまでも、ときめいて貰えるように頑張らないとな」
そう言って、夬皇は彼の顎を掴み、再び唇を奪う。
「んんっ!」
先程とは打って変わり、互いを味わうように舌を絡ませ合う濃厚なキスをした。
こうして、突然の来訪者があった二人のフリーの日は、しっとりと夜に消えていくのだった。
そして次の日。
玄関先でライブと言う戦場へ向かう二人。
「ホント、ありがとうね。ワコちゃん、勇ちゃん」
夬皇母は普段は寝れないらしいが、昨日は特に快眠だったらしくハツラツとしていた。
「お料理、美味しかったです」
「母さんも無理しないで」
勇緋達の労いの言葉を受けた、夬皇母。
「勇ちゃん。ワコの事、よろしく頼むわね」
「…はい。勿論です」
勇緋の言葉を聞いた夬皇母は安心したようで、柔らかな笑みを見せたのだった。
「夬皇、ゆうひ君をちゃんと大切にしなさいよ?」
「わかってるよ。そんな心配よりも、携帯、落とすなよ?」
「落とす訳ないでしょ! 私を舐めないで♪」
「お姉さん、お気をつけて」
「ホントはハグの一つもしたいところだけど、そこのノッポに怒られそうだから、次の機会まで取っておくわ」
そう言って、凛は勇緋に向かってウインクをするのだった。
またしても彼はアワアワしてしまった。
「とりあえず。早く行かないと電車、遅れるよ」
「あらほんと。行きましょう、凜。タクシーも来ているわ」
「二人とも、見送りはここで大丈夫よ。ホントにありがとね!」
凜は大きく手を振って、例のカバンのグリップに手をかけた。
「また、タイミングが合えば来て下さい」
「勿論よ。今度は怪獣二体も連れてくるわ」
それから、何度も手を振り合いながら、玄関のドアが閉まったのだった。
二人の聖域が静寂に包まれた。
「相変わらず凄かったね、あの二人」
「ますますヲタのレベルが上がっていたな。同じ家族として心配になるよ」
「でも、俺はとても楽しかったよ」
「姉ちゃんにデレデレだったもんな」
夬皇はそう言いながら、リビングに抜ける廊下をドスドスと歩いて行き、自室へ入った。
「わかりやすく不貞腐れるなよ。俺はいつでもお前にしかときめかんよ」
彼の言葉を待っていたかのように、夬皇の部屋の扉が開く。
「それだけで俺、頑張れるわ。行きたくないけど、仕事行ってきます」
夬皇は仕事用のカバンをよいしょと背負う。
玄関で待っている勇緋の横を通過しようとした時、ふいに立ち止まった。
「やる気のチャージをお願いします」
「はいはい」
そう言って二人は力強くハグをした。
「今日も頑張って来ます」
「しっかり、稼いできて下さい」
それから夬皇は元気よく 行ってきます と言って玄関を飛び出して行った。
一人残った勇緋。
大きく伸びをして、気持ちを切り替える。
「さてと。まずは掃除からしますか! あいつに気持ち良く帰って来て貰うためにも」
一同は歓談をしながら楽しい時間を過ごした。
時間はあっと言う間に過ぎていく。
勿論、途中で凜の携帯のカメラが火を噴く事も多々あった。
(なお、夬皇母は明日に備え、すでに客室で就寝している)
<シャッタータイム①>
風呂上がり、濡れた髪を乾かしながらラフな格好でリビングに戻って来た勇緋の姿をパチリ。
「あっ、ちょ、お姉さん!?」
突然のシャッター音に驚く勇緋。
その姿を見て、笑みを見せたまま、無言で頷くだけの凜。
何も答えが帰って来ない為、彼はしばらく動けなくなった。
<シャッタータイム②>
パジャマ姿でリビングのソファに座って、携帯をいじったり、漫画を読んだりしている二人の後ろ姿をパチリ。
「姉ちゃん、写真撮るならちゃんと撮ったら?」
夬皇は携帯画面を見つめながら、ボソッと呟く。
「ほーう。なら、被写体がしっかりしてないとダメじゃない?萌えないんだけど」
少し煽るような口ぶりで凜が応える。
「全く。仕方ねーなぁ」
そう言って、隣で漫画を読み耽っている勇緋を見つめる夬皇。
「勇緋、ちょっと」
「んっ? なに…」
名を呼ばれたので、視線を漫画から逸らすと、突然夬皇の顔が近寄り、唇が触れ合ったのだった。
まさかの事に目を開けたまま固まってしまった勇緋。
凛のカメラの連射速度が異常に早まった気がした。
「どう? 満足した?」
「ええ。ご馳走様。お風呂行って来るわ」
凛はとても満足そうな顔をして、バスルームへと消えて行ったのだった。
それから静かになったリビング。
「ちょっと、さっきの何?」
「姉ちゃんに分からせてやらないと気が済まなくなっただけ。俺達の事をさ」
「でも。凄くお姉さん、嬉しそうで良かったよ。急でびっくりしたけど」
「結婚してから腐の力が増したらしいけどな。あの携帯、うっかり落としたらヤバいだろうなぁ」
「そ、そうだろうね…」
勇緋はその光景を想像してしまった。
脳内に聞こえる彼女の断末魔はホラー映画よりも怖かった。
「それよりもさ」
「何?」
スッと顔を近づけ、彼の耳元で囁くように話す夬皇。
「なんでずっと、顔赤いの?」
急な事に、流石の勇緋も焦ってしまった。
「あ、赤くないし。第一、お前とキスはいつもしてるじゃんか。今更ときめきなんて…」
そう言いながら視線を彼に向けると、真剣な眼差しで真っ直ぐこちらを見つめる夬皇が居た。
「あ、ある訳…」
「いつまでも、ときめいて貰えるように頑張らないとな」
そう言って、夬皇は彼の顎を掴み、再び唇を奪う。
「んんっ!」
先程とは打って変わり、互いを味わうように舌を絡ませ合う濃厚なキスをした。
こうして、突然の来訪者があった二人のフリーの日は、しっとりと夜に消えていくのだった。
そして次の日。
玄関先でライブと言う戦場へ向かう二人。
「ホント、ありがとうね。ワコちゃん、勇ちゃん」
夬皇母は普段は寝れないらしいが、昨日は特に快眠だったらしくハツラツとしていた。
「お料理、美味しかったです」
「母さんも無理しないで」
勇緋達の労いの言葉を受けた、夬皇母。
「勇ちゃん。ワコの事、よろしく頼むわね」
「…はい。勿論です」
勇緋の言葉を聞いた夬皇母は安心したようで、柔らかな笑みを見せたのだった。
「夬皇、ゆうひ君をちゃんと大切にしなさいよ?」
「わかってるよ。そんな心配よりも、携帯、落とすなよ?」
「落とす訳ないでしょ! 私を舐めないで♪」
「お姉さん、お気をつけて」
「ホントはハグの一つもしたいところだけど、そこのノッポに怒られそうだから、次の機会まで取っておくわ」
そう言って、凛は勇緋に向かってウインクをするのだった。
またしても彼はアワアワしてしまった。
「とりあえず。早く行かないと電車、遅れるよ」
「あらほんと。行きましょう、凜。タクシーも来ているわ」
「二人とも、見送りはここで大丈夫よ。ホントにありがとね!」
凜は大きく手を振って、例のカバンのグリップに手をかけた。
「また、タイミングが合えば来て下さい」
「勿論よ。今度は怪獣二体も連れてくるわ」
それから、何度も手を振り合いながら、玄関のドアが閉まったのだった。
二人の聖域が静寂に包まれた。
「相変わらず凄かったね、あの二人」
「ますますヲタのレベルが上がっていたな。同じ家族として心配になるよ」
「でも、俺はとても楽しかったよ」
「姉ちゃんにデレデレだったもんな」
夬皇はそう言いながら、リビングに抜ける廊下をドスドスと歩いて行き、自室へ入った。
「わかりやすく不貞腐れるなよ。俺はいつでもお前にしかときめかんよ」
彼の言葉を待っていたかのように、夬皇の部屋の扉が開く。
「それだけで俺、頑張れるわ。行きたくないけど、仕事行ってきます」
夬皇は仕事用のカバンをよいしょと背負う。
玄関で待っている勇緋の横を通過しようとした時、ふいに立ち止まった。
「やる気のチャージをお願いします」
「はいはい」
そう言って二人は力強くハグをした。
「今日も頑張って来ます」
「しっかり、稼いできて下さい」
それから夬皇は元気よく 行ってきます と言って玄関を飛び出して行った。
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