時給六千円の仕事

第2章 再開

6.お昼の仕事

憧れていた雑貨屋さんへは
面接したその場で採用を貰えた。

この時はテンションが上がった。
明後日から早速働けるのだ。
どんな服を着て店頭に立とう。
アパレル時代を思い出しながら
雑貨屋ということもあり、動きやすさも大事にしなければ。


＊


それからは毎日かわいい雑貨に囲まれ、
覚えることはたくさんあったが
楽しく仕事をしていた。
私のテンションをあげたのはやはり
"かわいい空間の一部になれたこと"
であった。

いろんな境遇の女性が働いていたため、
私も優遇が効き、本当に働きやすかった。
希望のシフト。希望の休み。

人間関係も良い人たちばっかり。

しかしぶち当たる問題。

金銭面である。


私は職場に内緒でまたキャバクラで
働き始めることにした。

徒歩圏内で通える距離のキャバクラ。
雑貨屋を辞めようとは思わなかった。


なんとか均衡を保ちながら
昼も夜も働いた。

両方休みの日は寝たいだけ寝て、
近くのコンビニに行くくらいしか外には出れなかった。

そんなこんなで1年くらい経った頃、
昼間の仕事特有の、私の弱点を付いてくる出来事が起こってしまったのである。

あるスタッフに、疑念を抱き始めたのだ。

いわゆる、問題児ちゃん。

プライベートを仕事に持ち込んで、
場の雰囲気をぶち壊して掻き回してくるタイプ。
本人も辛かったと思うが、直接私に矛先が向いた時、
私のメンタルは簡単に崩れた。

また私は欠勤が増え、
正式に休職することになり、
最終的に辞めることになってしまった。

なんであんなスタッフのために私がこんな思いをしなければならないのか。

頭にきたが、その思いは店長だけに伝え、
私の昼職は1年半で終わってしまったのだ。