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ある冒険者からの報告
しおりを挟むこれは二ヶ月前の出来事である。それは腕利きの冒険者と呼ばれる者たちが集められた。
ここで冒険者という者のことを説明しておこう。
冒険者とは、困る人々を救う流浪の民である。基本的に国家に縛られず、また犯罪を犯すことなく生きている者である。そしてなにより、この世界に存在す?多くの英雄が冒険者である。
そして今日、皆が呼び出された理由はこの場にいる皆が知っている。
そして、前に出ている子供が見るだけで泣きそうな強面の男が司会を務めている。
「えー、では今日みんなを呼んだのは他でもない、フェルト森林の調査を頼むためだ」
フェルト森林とは何か、この国、ティア王国に最も近い森林である。規模も広く魔物も多い森であり、初心者冒険者のランクアップの試験に利用されたりする。
普段の彼らなら「フェルト森林の調査くらい下っ端にやらせろよ」と言うところだが、そういう者は誰1人いない。むしろ顔を引き締めているのが多かった。
「知っていると思うが、最近のフェルト森林は様子がおかしい。例年より魔物が森林から出てくる数が増えている」
やはり、という声も上がる。
「これは数十年前と同じ現象だ。恐らくフェルト森林の主が代替わりしたとみていい」
「先代のマッドネスボアが今代だったアーマードベアーにやられた以来でしたよね」
「そうだ。つい一昨日のことだが、ミーミルんとこのパーティーがアーマードベアーの遺体を持ち帰ってきた」
ザワザワと波紋が広がっていく。数十年に一度起こることが今起こってるからだ。
まあ、生きてたら一度はあることだとある老人は言った。その老人は齢500を越えてるとかいう噂もあったので説得力はほぼ無かった。
「というか、ミーミルのパーティーはどうアーマードベアーの死体を持ってきたのですかね?」
「死体じゃなく遺体と呼べ。確かに4メートルある巨大を運べたのは助っ人にラインハルトの爺さんがいたからだ」
「なるほど、『超怪力』の運び屋さんが居たら安心っすね」
ゴホン、と盛り上がる中、司会の男が咳払いをして場を静かにさせる。
「それに5ヶ月前のゴブリンの大量の遺体の件もある。その時はアーマードベアーが殺ったのかと思ってたが、アーマードベアーとゴブリンの死因が同じだった」
「同じって、死因は何でした?」
「撲殺だ。それもアーマードベアーの皮をベコベコに凹ますくらいの威力でな」
再び場がざわつく。アーマードベアーの皮は並大抵では凹む事すらない。それをベコベコに凹ましたとなるとかなりの脅威が予想される。
「それに、ここ最近はフェルト森林内の川に沿って撲殺されたウルフやゴブリンが発生している。これも最近にフェルト森林の主となった魔物が狩ったのだとみている」
「あの川の周りに死体が…………おっと、遺体が大量に転がってたの見た時は驚いたわ」
どうやら知ってる冒険者も居るようだ。というか、まず一番初めに確実な異常を見つけたのは彼女だった。
「ゴブリンの死体が30体以上転がってた時は、ね。あれは一種の軍隊になりかけてたわよね?」
「ああ、ゴブリンの集団が50を越したら軍隊となり、Dランク以上の冒険者が収集される。被害が先に収まったといえば優しく済むが、それが何回も起こってるからな…………」
自体はあまりよくはない。不意打ちで仕留めたならともかく、どう見ても真正面から戦いゴブリンの軍隊擬きやアーマードベアーを仕留めている。
フェルト森林の主も、代を重ねるこどに強くなっていくのだ。強くなりすぎて暴れると逆に討伐されたりしてしまうが。
「お前たち、今回の調査は下手したら命取りになる。俺はここから離れられないが、何とかして今代のフェルト森林の主を突き止めろ」
「「「「「「「「応!」」」」」」」」
司会の男は本当は行きたいが彼自身の立場の都合上、ついていく事も出来ない。しかし、人望が厚いらしい。
何故か、それはまだ知る事ではない。
~B級クエスト~
内容・今代のフェルト森林の主の調査
詳細・フェルト森林の主が間違いなく代替わりした。直ちにCランク以上の冒険者を募り主の正体を突き止めよ。なお、フェルト森林の主には森林のカーストを大きく変動させてしまう可能性があるので出来る限り手出ししてはいけない。
今回の調査に向かう冒険者
Bランク5名
Cランク19名
一言・生きて帰ってきてくれ
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