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忘れかけてた奴ら
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勇者なんとかを覚えているだろうか?勇者だってことは分かっているが名前は忘れた。俺の記憶にとどめる必要のない弱さだったしな。
確か前に俺のダンジョンに来てボス部屋の手前で出待ちしてたアルが火炎放射器でハーレム共々焼いた勇者だ。
今思えば、未発見で報告せずに許可無しでダンジョンに入ったから罪に問われるんじゃないかと思ったが、勇者だし権力使ってその件を消したんだなと気づいた。
そして今、近くにいた「冒険者が勇者が活動再開するってよ」と言ってたのを耳にした。
一応、生きてたんだなーと思いつつ朝飯を食っていた。
「ちゅーちゅー」
「ボリボリボリボリ」
この音はハピがいつものように花の蜜を吸ってる音とでち公がかじってる音だ。
でち公は何をかじってるか?聞いて驚け、それは山葵だ。こいつ山葵を生のままボリボリと食べてやがる。
見てる限りだと全然辛そうな表情を見せていないし、積極的に端末から取り寄せてるから好物だと俺はみた。
ちなみに、興味本位でギルドマスターがでち公の食事の最中に山葵を取り上げて齧ったらすぐに咳き込み始めたどころか辛さと鼻にツーンとくるのでゴロゴロと床を転げ回った。
その日以来、知る人ぞ知る『緑の悪魔』の異名を得た山葵だった。ちなみに、少量だと料理に合うとのことでたまに提供していたりする。
で、勇者の話だがどこのギルドに所属してるかは知らない。まさか、ここじゃないとは思っているけど。
ヴァルキリーとこなんてありえない。もしかしたらワーストだったりな。それもないか、うん。
この国には幾つかのギルドがあるけど、どこに所属してるのか知らん。そもそも関わりたくもない。
「ボリボリ、けふっ」
でち公が山葵を食べ終わったようだ。ハピはまだ花の蜜を吸ってたりする。
さて、朝飯はこれくらいにしておいて依頼を受けに行くか。
「喧嘩屋様、今日はどの依頼を受けますか?」
いつも通り、いつもの言葉で受付の男の人が俺に合う依頼が書かれた羊皮紙を出してくれる。この人、ギルドメンバーの名前を全員分覚えてるんだってさ。
「そうだな…………」
そう言いつつ一枚一枚見ていく。
んー、討伐系の依頼がかなり少なくなったな。俺が来てから俺と使い魔達の活躍により近場にある危険な依頼は消されていったからだ。
危険な依頼の中に大量発生した虫の退治があって金時に光を当てて光ら、釣られたところを全部吸収してある程度を残して俺の身長くらいある金塊にしてやったことは内緒だ。そもそもあんな量をギルドマスターのコネしか持ってない俺には処分できない。
「うーん、採取系は俺には向いてないしなぁ」
「あの、お言葉ですが喧嘩屋様は働きすぎでは?ここのところ毎日でしたよね。複雑な事情があって金銭に困ってる訳ではなかったら、そろそろ体を休ませたらどうでしょうか?」
「あー、悪いな」
暗にこう言ってるのだ。『お前が働きすぎたから他の奴らの依頼が減るからしばらく他の奴らに譲れ』と。
まあ、仕方ないな。ここは俺も引かなきゃギルドマスターに説教くらっちまう。
今日は屋台めぐりでもするか。メジェドさん連れて来ればよかったな。あ、メジェドさんと金時は宿で留守番させている。
お土産にドムドムの心臓を買ってやろう。
「けふっ、ごちそーさまでした!ご主人様、今日は何するんですか?」
「しばらく仕事が回ってこないからすることが特にないし、街をぶらぶらするだけだ」
「はーい」
ハピはゴブリンやオーガ、簡単に言ったら小鬼と大鬼だな、そいつらをタイマンで狩れるほどレベルが上がっていた。
でち公は特に何もしていないのでレベル1のままだけど、たまに何か作ってる。何を作っているのかは分からないが、何か意味があるものだろう。
さて、どこへ行こうかな。そういえば路地裏にいい雑貨屋あったんだよな。ああいう安い小物は部屋のインテリアにぴったりだ。
もちろん、宿じゃなくてダンジョンの俺の部屋に飾る用だけどな。
あれ、そういやダンジョンマスターってなんだっけ?最近はダンジョンに入ってくる人も全くいないし、そもそも国指定で入るのを禁止されたから誰も入ってこない。
う、ううーん、これは本格的にマズイんじゃないか?どこかで見ている管理者的な存在がいたら、というか俺を連れてきたからいるだろうけど、俺をクビにしちゃうんじゃないか?
これはどうしたものか…………
ドンッ
「おっと、すまない」
誰かにぶつかった。人通りも結構多いしぶつかる事もたまにあるけど、俺が先に謝るので特に問題にならない。日本人ってすぐ謝っちゃうよね。
「おい、この僕にぶつかって、すまないで済むと思ってるのか?」
「普通はそうだけど、お前は違うって?」
「舐めるな!僕は勇者だぞ!」
そんなの知らん。本当はお前が何者だろうと踏ん反り返ってる馬鹿に謝りたくもない。
あれ、こいつよく見たら勇者ボルトじゃん。若干火傷の跡が残ってるな。まあ、火炎放射器で焼かれたんだから仕方ないな。
まあ、こいつは無視して雑貨屋に行くか。
「おい、待てよ!」
集まってきた人混みを軽く押しのけながらその場から離れる。あんな傲慢馬鹿に構う必要はない、何か買いに行こう。
~●~●~●~●~
勇者を蒔くことに成功したな。結構簡単に蒔くことができたな。
そのついでみたいな感じだけど雑貨屋にも到着したし結果オーライだな。
「いらっしゃーい、いつも来てくれてありがとね~」
ここの雑貨屋のおばちゃんは結構気さくな人だ。本当は迷い込んできたのが始まりだけど、ここにあるものは最高級とはいかないが良い品質のものばかりだ。
この髪飾りとかも細かく出来てるなー。でもハピにあげるのには大きすぎるし、でち公に付けてみるか。
「これいくら?」
「2ゴールドだよ。でもいつも贔屓にしてくれるから1ゴールドにまけてあげるよ!」
「いいのか?買うけども」
1ゴールドを払って髪飾りを買った。後は物色したが俺の目に止まるのはなかった。
「いつもありがとね~」
「ああ、また来るよ」
ハピもでち公も何か物色していたが、何も買わなかったらしい。ちなみに、この子たちにお小遣いとしてちゃんとお金を渡している。
「でち公、ちょっとこっち来い」
「でちー?」
「…………よし」
でち公に髪飾りをつけてみた。髪飾りは蝶を模しており、色とりどりな石を埋め込まれてるので綺麗に見える。
「でちー!」
それをこいつは不満だと文句を言うように両手をバタバタさせて抗議しているように見える。
だがこの二頭身の性別は男だ。
もう一度言う、男だ。
やや嫌がらせに近いが、一応似合ってるのが憎い。
そして今日は屋台を周って1日が終了した。
え、オチ?そんなものはない素晴らしい1日だった。
確か前に俺のダンジョンに来てボス部屋の手前で出待ちしてたアルが火炎放射器でハーレム共々焼いた勇者だ。
今思えば、未発見で報告せずに許可無しでダンジョンに入ったから罪に問われるんじゃないかと思ったが、勇者だし権力使ってその件を消したんだなと気づいた。
そして今、近くにいた「冒険者が勇者が活動再開するってよ」と言ってたのを耳にした。
一応、生きてたんだなーと思いつつ朝飯を食っていた。
「ちゅーちゅー」
「ボリボリボリボリ」
この音はハピがいつものように花の蜜を吸ってる音とでち公がかじってる音だ。
でち公は何をかじってるか?聞いて驚け、それは山葵だ。こいつ山葵を生のままボリボリと食べてやがる。
見てる限りだと全然辛そうな表情を見せていないし、積極的に端末から取り寄せてるから好物だと俺はみた。
ちなみに、興味本位でギルドマスターがでち公の食事の最中に山葵を取り上げて齧ったらすぐに咳き込み始めたどころか辛さと鼻にツーンとくるのでゴロゴロと床を転げ回った。
その日以来、知る人ぞ知る『緑の悪魔』の異名を得た山葵だった。ちなみに、少量だと料理に合うとのことでたまに提供していたりする。
で、勇者の話だがどこのギルドに所属してるかは知らない。まさか、ここじゃないとは思っているけど。
ヴァルキリーとこなんてありえない。もしかしたらワーストだったりな。それもないか、うん。
この国には幾つかのギルドがあるけど、どこに所属してるのか知らん。そもそも関わりたくもない。
「ボリボリ、けふっ」
でち公が山葵を食べ終わったようだ。ハピはまだ花の蜜を吸ってたりする。
さて、朝飯はこれくらいにしておいて依頼を受けに行くか。
「喧嘩屋様、今日はどの依頼を受けますか?」
いつも通り、いつもの言葉で受付の男の人が俺に合う依頼が書かれた羊皮紙を出してくれる。この人、ギルドメンバーの名前を全員分覚えてるんだってさ。
「そうだな…………」
そう言いつつ一枚一枚見ていく。
んー、討伐系の依頼がかなり少なくなったな。俺が来てから俺と使い魔達の活躍により近場にある危険な依頼は消されていったからだ。
危険な依頼の中に大量発生した虫の退治があって金時に光を当てて光ら、釣られたところを全部吸収してある程度を残して俺の身長くらいある金塊にしてやったことは内緒だ。そもそもあんな量をギルドマスターのコネしか持ってない俺には処分できない。
「うーん、採取系は俺には向いてないしなぁ」
「あの、お言葉ですが喧嘩屋様は働きすぎでは?ここのところ毎日でしたよね。複雑な事情があって金銭に困ってる訳ではなかったら、そろそろ体を休ませたらどうでしょうか?」
「あー、悪いな」
暗にこう言ってるのだ。『お前が働きすぎたから他の奴らの依頼が減るからしばらく他の奴らに譲れ』と。
まあ、仕方ないな。ここは俺も引かなきゃギルドマスターに説教くらっちまう。
今日は屋台めぐりでもするか。メジェドさん連れて来ればよかったな。あ、メジェドさんと金時は宿で留守番させている。
お土産にドムドムの心臓を買ってやろう。
「けふっ、ごちそーさまでした!ご主人様、今日は何するんですか?」
「しばらく仕事が回ってこないからすることが特にないし、街をぶらぶらするだけだ」
「はーい」
ハピはゴブリンやオーガ、簡単に言ったら小鬼と大鬼だな、そいつらをタイマンで狩れるほどレベルが上がっていた。
でち公は特に何もしていないのでレベル1のままだけど、たまに何か作ってる。何を作っているのかは分からないが、何か意味があるものだろう。
さて、どこへ行こうかな。そういえば路地裏にいい雑貨屋あったんだよな。ああいう安い小物は部屋のインテリアにぴったりだ。
もちろん、宿じゃなくてダンジョンの俺の部屋に飾る用だけどな。
あれ、そういやダンジョンマスターってなんだっけ?最近はダンジョンに入ってくる人も全くいないし、そもそも国指定で入るのを禁止されたから誰も入ってこない。
う、ううーん、これは本格的にマズイんじゃないか?どこかで見ている管理者的な存在がいたら、というか俺を連れてきたからいるだろうけど、俺をクビにしちゃうんじゃないか?
これはどうしたものか…………
ドンッ
「おっと、すまない」
誰かにぶつかった。人通りも結構多いしぶつかる事もたまにあるけど、俺が先に謝るので特に問題にならない。日本人ってすぐ謝っちゃうよね。
「おい、この僕にぶつかって、すまないで済むと思ってるのか?」
「普通はそうだけど、お前は違うって?」
「舐めるな!僕は勇者だぞ!」
そんなの知らん。本当はお前が何者だろうと踏ん反り返ってる馬鹿に謝りたくもない。
あれ、こいつよく見たら勇者ボルトじゃん。若干火傷の跡が残ってるな。まあ、火炎放射器で焼かれたんだから仕方ないな。
まあ、こいつは無視して雑貨屋に行くか。
「おい、待てよ!」
集まってきた人混みを軽く押しのけながらその場から離れる。あんな傲慢馬鹿に構う必要はない、何か買いに行こう。
~●~●~●~●~
勇者を蒔くことに成功したな。結構簡単に蒔くことができたな。
そのついでみたいな感じだけど雑貨屋にも到着したし結果オーライだな。
「いらっしゃーい、いつも来てくれてありがとね~」
ここの雑貨屋のおばちゃんは結構気さくな人だ。本当は迷い込んできたのが始まりだけど、ここにあるものは最高級とはいかないが良い品質のものばかりだ。
この髪飾りとかも細かく出来てるなー。でもハピにあげるのには大きすぎるし、でち公に付けてみるか。
「これいくら?」
「2ゴールドだよ。でもいつも贔屓にしてくれるから1ゴールドにまけてあげるよ!」
「いいのか?買うけども」
1ゴールドを払って髪飾りを買った。後は物色したが俺の目に止まるのはなかった。
「いつもありがとね~」
「ああ、また来るよ」
ハピもでち公も何か物色していたが、何も買わなかったらしい。ちなみに、この子たちにお小遣いとしてちゃんとお金を渡している。
「でち公、ちょっとこっち来い」
「でちー?」
「…………よし」
でち公に髪飾りをつけてみた。髪飾りは蝶を模しており、色とりどりな石を埋め込まれてるので綺麗に見える。
「でちー!」
それをこいつは不満だと文句を言うように両手をバタバタさせて抗議しているように見える。
だがこの二頭身の性別は男だ。
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