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マジかよお前ら
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ユーリーチン氏が反乱を起こして1時間が経過した。今現在、ユーリーチン邸を俺が所属しているギルド『フェニックス』、それと仲のいいギルド『ケツァルコアトル』、戦闘相性と商売相性の合うギルド『ハルピュイア』と王国騎士団の衛兵多数で囲っている。
俺を含んで総勢500人以上で囲まれてなお動きを見せない相手。しかし、こちらもうかつに行動できない理由もある。
まず、この東京ドーム1個分くらいある庭にぎっしりとユーリーチン氏お抱えの兵士がいる。しかも全員が長槍と盾持ちなので接近しようも難しい。
なら、遠距離で魔術だか魔法だかを放てばいいという意見が出るが、なんと向こうにエルフの弓兵が多数存在していることが10人の犠牲で分かった。
まず、何でエルフを味方につけられたのか?王国騎士団長とギルドマスターたちの会議でも話題に上がった。
獣人も魔族の一員として見られて排除されたのに情報が足りず動けない状況にやきもきしている人は多い。血の気が多い輩ばっかりというのもあるけど。
「喧嘩屋、いい案はある?」
「いい案の前に質問だ。何で俺が重要な会議にいるのかを説明してくれ」
「つまり、案は出たと」
「その前に説明を要求する!ああもう、うちのギルマスだと話にならねぇ」
ムスッとするのがうちのギルマス、爆笑してるのが『ハルピュイア』のギルマス、「ギルマス?ギルドマスターの略称か…………流行るな」と言ってるのが『ケツァルコアトル』のギルマス。とりあえず『ハルピュイア』のギルマスは殴りたい。
なんで三人そろって女性なのか気になるが、実力社会だろうと自己完結した。そういや魔王も女性だったな。魔界でも女性の立ち位置がいいのかな?
ま、それよりもだ。
「はい、誰か説明をプリーズ!」
「フリーズは氷属性の初級魔法だぞ。そう簡単に使えないし、どういう事だ?」
「あ、すみません。普通に説明してください」
王国騎士団隊長のおっさん(推定年齢50歳以上)がツッコミしてきたのでなんか冷静になったわ。
とりあえず、何でここに俺が、まあ、反乱のきっかけになったのかもしれない俺がいるのかを聞きたいんだと説明した。
「実力のあるルーキーの雄姿を見たくてな。もともとテイマーは強くないといわれているが、いきなりランク4のテイマーが現れたと聞いてどうしてもと私が頼んだ」
と、王国騎士団長が言った。つまり、彼のわがままだと。
え、ええー…………野郎に興味を持たれたことは嬉しくないし、視点を変えて評価されてるということは悲しくない。すっごい微妙な気分!
でもめんどくさいし、国に任せて帰りたいけど俺も被害者だしなぁ…………
「ということで、喧嘩屋、前線ね」
「異議あり!突然に前線に送られるという宣言に遺憾の意を表明します!」
「なぁに、強い奴こそ前で戦え!お前、男だろ!」
「圧倒的理不尽と権力による横行を見ました!」
だめだこいつら、何とかしようにも俺の前線送りは回避できそうにない。最悪、アルを出したらいいけど、まだレべルは40も越えてないし高い知能はあっても実戦経験も少ない。それに、向こうの隠し玉がありそうで重要な戦力を使いたくないんだよなぁ。
魔物絶対殺す酸と書いたら嫌だし、何より一番の戦力になるアルは一番初めに出会った仲間だ。ダンジョン内だとシステムで生き返ることができるけど、やすやすと地上の死地に行かせたくない。
かなり感情移入してるな。いい傾向か悪い傾向か分からんが。
「よし、とりあえず行こうぜ!お、意外と重量あるな」
「抱き上げるのをやめろ!」
「わーっはっは!いいオトコをこういう風に抱くのが夢だったんだ!」
「意外と夢がしょぼい!?」
『ハルピュイア』のギルマスがそのまま俺をお姫様抱っこの状態で連れ去ったのでしばらくした後に「恋仲では?」と噂されるのは別の話。
ちなみに、会議室にいた俺の魔物は最高にして最上のボディガードのメジェドさんだけ。いつビームを放つのかと少しヒヤヒヤしていたのは内緒だ。
他は何かあっては困るのでダンジョンに留守番させている。
暴れたそうなアルだったが我慢してもらった。なお、俺がダンジョンから街の宿に設置したビーコンに戻った直後、魔王が襲来したとメールが届いた。
最近はダンジョンに戻らないことが多いし、はよ戻ってこいと魔王がわめいてるが気にしない方向にした。
すまないみんな。誤って済むことじゃないかもしれないが許してくれ。
抱きかかえられてからの過程を飛ばすがユーリーチン邸に着きました。なんか周りのトゲトゲした視線が痛いです。
「いい加減降ろしてくれませんかね!」
「おう、いいぞー」
やっと降ろしてくれた。肉体的には疲れてないけど精神的に疲れた…………
「うーし、んじゃそろそろ攻め時かね。みんな聞けよ!これから半刻(30分)後にこの反乱の原因となったユーリーチン氏を捕縛する!準備済ませとけよ!」
「「「「「ウオォォォォォォォ!」」」」」
妙に士気が高いしうるせぇ!ったく、ここまで来たら仕方ない、参加して早めに帰ろう。
「あ、傘忘れたから取りに戻っていいか?」
「ダメだ!喧嘩屋はここに残れ!」
お前は武器すら回収させてくれないのかよこんちきしょう!
俺を含んで総勢500人以上で囲まれてなお動きを見せない相手。しかし、こちらもうかつに行動できない理由もある。
まず、この東京ドーム1個分くらいある庭にぎっしりとユーリーチン氏お抱えの兵士がいる。しかも全員が長槍と盾持ちなので接近しようも難しい。
なら、遠距離で魔術だか魔法だかを放てばいいという意見が出るが、なんと向こうにエルフの弓兵が多数存在していることが10人の犠牲で分かった。
まず、何でエルフを味方につけられたのか?王国騎士団長とギルドマスターたちの会議でも話題に上がった。
獣人も魔族の一員として見られて排除されたのに情報が足りず動けない状況にやきもきしている人は多い。血の気が多い輩ばっかりというのもあるけど。
「喧嘩屋、いい案はある?」
「いい案の前に質問だ。何で俺が重要な会議にいるのかを説明してくれ」
「つまり、案は出たと」
「その前に説明を要求する!ああもう、うちのギルマスだと話にならねぇ」
ムスッとするのがうちのギルマス、爆笑してるのが『ハルピュイア』のギルマス、「ギルマス?ギルドマスターの略称か…………流行るな」と言ってるのが『ケツァルコアトル』のギルマス。とりあえず『ハルピュイア』のギルマスは殴りたい。
なんで三人そろって女性なのか気になるが、実力社会だろうと自己完結した。そういや魔王も女性だったな。魔界でも女性の立ち位置がいいのかな?
ま、それよりもだ。
「はい、誰か説明をプリーズ!」
「フリーズは氷属性の初級魔法だぞ。そう簡単に使えないし、どういう事だ?」
「あ、すみません。普通に説明してください」
王国騎士団隊長のおっさん(推定年齢50歳以上)がツッコミしてきたのでなんか冷静になったわ。
とりあえず、何でここに俺が、まあ、反乱のきっかけになったのかもしれない俺がいるのかを聞きたいんだと説明した。
「実力のあるルーキーの雄姿を見たくてな。もともとテイマーは強くないといわれているが、いきなりランク4のテイマーが現れたと聞いてどうしてもと私が頼んだ」
と、王国騎士団長が言った。つまり、彼のわがままだと。
え、ええー…………野郎に興味を持たれたことは嬉しくないし、視点を変えて評価されてるということは悲しくない。すっごい微妙な気分!
でもめんどくさいし、国に任せて帰りたいけど俺も被害者だしなぁ…………
「ということで、喧嘩屋、前線ね」
「異議あり!突然に前線に送られるという宣言に遺憾の意を表明します!」
「なぁに、強い奴こそ前で戦え!お前、男だろ!」
「圧倒的理不尽と権力による横行を見ました!」
だめだこいつら、何とかしようにも俺の前線送りは回避できそうにない。最悪、アルを出したらいいけど、まだレべルは40も越えてないし高い知能はあっても実戦経験も少ない。それに、向こうの隠し玉がありそうで重要な戦力を使いたくないんだよなぁ。
魔物絶対殺す酸と書いたら嫌だし、何より一番の戦力になるアルは一番初めに出会った仲間だ。ダンジョン内だとシステムで生き返ることができるけど、やすやすと地上の死地に行かせたくない。
かなり感情移入してるな。いい傾向か悪い傾向か分からんが。
「よし、とりあえず行こうぜ!お、意外と重量あるな」
「抱き上げるのをやめろ!」
「わーっはっは!いいオトコをこういう風に抱くのが夢だったんだ!」
「意外と夢がしょぼい!?」
『ハルピュイア』のギルマスがそのまま俺をお姫様抱っこの状態で連れ去ったのでしばらくした後に「恋仲では?」と噂されるのは別の話。
ちなみに、会議室にいた俺の魔物は最高にして最上のボディガードのメジェドさんだけ。いつビームを放つのかと少しヒヤヒヤしていたのは内緒だ。
他は何かあっては困るのでダンジョンに留守番させている。
暴れたそうなアルだったが我慢してもらった。なお、俺がダンジョンから街の宿に設置したビーコンに戻った直後、魔王が襲来したとメールが届いた。
最近はダンジョンに戻らないことが多いし、はよ戻ってこいと魔王がわめいてるが気にしない方向にした。
すまないみんな。誤って済むことじゃないかもしれないが許してくれ。
抱きかかえられてからの過程を飛ばすがユーリーチン邸に着きました。なんか周りのトゲトゲした視線が痛いです。
「いい加減降ろしてくれませんかね!」
「おう、いいぞー」
やっと降ろしてくれた。肉体的には疲れてないけど精神的に疲れた…………
「うーし、んじゃそろそろ攻め時かね。みんな聞けよ!これから半刻(30分)後にこの反乱の原因となったユーリーチン氏を捕縛する!準備済ませとけよ!」
「「「「「ウオォォォォォォォ!」」」」」
妙に士気が高いしうるせぇ!ったく、ここまで来たら仕方ない、参加して早めに帰ろう。
「あ、傘忘れたから取りに戻っていいか?」
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