究極生命体のダンジョン作り!

雷川木蓮

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俺のダンジョンEX 二〜五層目

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「序盤さえ攻略されたらそこまで難しくなくなるかぁ」

第二層目から順調に進みやられていくのを見てそう思わずにいられなかった。

他のうちのやつは集まって何が話し込んでるけど気にしない方向で。しかし、第一層だけが鬼門だな。ある意味でバランスが崩れてると思う。

だが、ウルフ戦でも苦労しているようだ。さっきやられたチームもそうだがあれから幾つかのチームが第一層目を突破しても第二~五層目の間にやられていった。

しっかし、ウルフの連携もすごいもんだ。特に動作がなさそうに見えるがアイコンタクトだけで連携を組めるほどになっている。

その連携スキルがあればそのスキルレベルで言うと3くらいはあるんじゃないか?それほどあると言うほど上手くやっている。

まあ、これはパターン化されてるしその仕組みに気づけば早く瓦解しそうだ。

そこまで期待を持つなってことだな。ついでに第一層目より宝箱を撮る余裕がある。それの半分近くは罠なんだよな。

『念力念力~…………ぎゃあぁっ!頭が痛いぃっ!』

『大丈夫か、しっかりしろ!念力で開けようとしたら頭痛がする罠か…………』

『ほんと、いやらしすぎるぞこのダンジョン!』

いや、その宝箱は開けた人に頭痛がする呪いがあるだけで念力は特に関係ないです。てか念力で開けるとか賢いな。

たまに鍵付きとかあるけど、念力ならすぐ開けられそうだ。ま、そのスキルを持ってるのが何人いるかって話だけど。

あ、次に来た奴らが一気に落とし穴の罠にかかった。まあ、聞いててもどのタイミングで発動するかはランダムだから避け辛いんだよな。

おっ、ようやく第四層目が突破された。宝箱もたまに見つけては開けて、そこに仕掛けられたトラップも避けつつ物を手に入れてる。これは間違いなくかなりのやり手だろう。

第五層目はウルフの量が少なくなるが罠の数がかなり多くなる。それこそ一撃で致命傷になる罠ばかりで罠探知とかなきゃ辛い。

という設定にしてあるが、中々の効果を出している。第五層目に入ってきたチームは罠に苦戦して30分ほど経っても10分の1すら行けていない。

「やっぱガスに炎とか鬼畜なコンボだな。あいつらの中に水と風の魔法を使う奴らがいなかったら詰んでた筈だ」

「…………ソレハ下ッ端ノ話デアリ幹部くらすハドウダロウカ?」

「突っ込んできて罠を踏み抜いてもピンピンしてそうとしか言えん」

なんかよく分からない会議をしていたデスが

ぶっちゃけて言うなら部下の方々は強いと思えないんだ。四天王や魔王が格段に頭おかしいだけでこれくらい簡単に突破できそうだ。

それならあの武士みたいな四天王が単騎で突撃してきてもおかしくはない。でも敢えて様子見のように部下を送り込み続けてるのは理由があるのか?

即リタイアな罠はたくさんあるけど、それで奴が致命傷を負うとは思えない。俺が壁を貫通させる勢いで殴り飛ばしてもピンピンしてる奴だし。

「むむ?ご主人様、地上に何か動きがあるようです」

「動きがあるだって?げ、この反応は…………」

攻略が始まりもう既に数時間も経過している。流石に人間がこの魔族の軍勢に気づかない何てことはなかった。

彼らにとって脅威となるのは両手で数えられるくらいだが、何しろ人間の方が数が多い。

魔族が攻めてきたと思って進軍してきたんだろう。いや、まあ俺のダンジョンに侵攻してるけどお門違いだな。

うわ、反応を見る限りかなり接近してる。でも魔族の方が柵を作り近づけないようにしてる。

「ご主人様~、第五層の半分突破されましたよ」

「おっ、思ってた以上に早いな。つーことはもうそろそろゴーレムの階層か」

どうなるかと考えていたが、神経を集中させていたせいか眠くなってきた。時間を見ると午後10時になっていた。

いつの間にかそんなに時間が経っていたのかと思いつつ欠伸が出る。

そう簡単にここから先を攻略される筈ないし、あるとしたら魔王か四天王のうちの誰かがダンジョンに突入して一気にアルを倒されるくらいか?

いやぁ、無い無い。そんな事あってたまるかっての。

ダンジョン内も気になるが、一度外の様子を見るか。




~●~●~●~●~




「少し感づかれるのが遅かったな。やはり前に起きた騒動な響いてるわけだ」

四天王バガンは人間が軍を率いて来たにも関わらずどっしりと本陣で構えていた。

堀を作り柵を立てるという策を行い、そこに50人以上の見張りを立てることで牽制をしている。なお、この策は彼のものではない。

「バガン様、諜報部によりますと相手は200人程度だと思われます。ですが、『ケツァルコアトル』のギルドマスターと『ヴァルキリー』の支部長を確認しました」

「ふぅむ、向こうも将を出してきた、か」

バガンはこの現状に満足していた。街の大きな戦力である者を二人も出させる時点で口の端が釣り上がる。

もし雑魚ばかりの冒険者共だけならこの戦闘狂はやる気が失せて帰っていただろう。それはそれで魔王に叱られるが。

しかし、あの時に突然現れた男と比べたら何の脅威も感じない。

彼は偶然転移してしまって混乱状態だった筈だが醸し出していた強者のオーラを感じたバガンが斬りかかるもパンチ一発で退けてしまったほどの強さ。

実はスキルを抜いた状態だと四天王の中で純粋な戦闘力はバガンが上なのだ。それをパンチ一発で退けられる者はなかなかいない。

基本的にダンジョンマスターはダンジョンボスだと人間界では言われてるが、実際は北町健五のようにダンジョンボスを影武者のように置くのが一般的だ。

魔界ではそれが普通であり魔王に仕える者の半数はダンジョンマスターと長年と割と交友関係があったりする。

ただし、全員が全員マトモではない。ダンジョンマスターというのは狂人だらけだ。

「報告します!人間が柵を突破して本陣に突入してきます!」

「…………読みが外れたか。奴ら、慎重にくるものだと思っていたが、やはり人間は面白い!」

「私としてはダンジョンに入ってる者達を呼び戻すことが得策だと思います」

「ならん。愉快な戦いをしてる奴らの邪魔なんぞできるか」

その魔将は笑っていた。誰が来るのかはある程度予想した。恐らく二人でやってくるであろう『ケツァルコアトル』のギルドマスターと『ヴァルキリー』の支部長だろう、と。

地上でも地下でも戦いは進んでいく。

「でっ、でちちー!?」

「にゃーはっはっ!なにこれたのしー!」

サボりででち公を、健五に言わせるなら電気の紐でボクシングするように遊んでる猫を除いて。

でち公が回収されるのはかなり後になるのは誰でも分かることだ。
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