クラスカースト頂点のギャルに復讐するためにリア充目指します

kitatu

文字の大きさ
6 / 11

待ち合わせ

しおりを挟む
時刻は10時。待ち人は未だ現れない。
 何度踏切の音を聞いただろうか?行き交う人と電車にも目もくれず、ベンチに座って暗い中でもよく見えるスマホの画面をひたすら見つめて居た。待ち人の連絡を今か今かと待ちわびる。

「楽しみすぎて早く来すぎたか。さすがに8時は早かったよな……」

 なぜ、僕がこんな駅前で待ちぼうけを食らっているかと言うと朝、姉さんから突然のドタキャンを食らったからである。しかも、姉さんからは、帽子と父さんのレイダンのサングラスをつけたままでいろと命令されたのである。
 当然、僕は反発したが「もし、外したら今回渡したお金はお小遣いから天引きするから。私の後輩が一緒に行くんだから外したりしたらすぐわかるんだから、私の居ないところで外さないでよね」と言われ黙らされてしまった。
 まあ、でもこんな事は大事の前の小事である。服を買うお金をもらったのだから、この程度の事は飲むのも許容できる。僕は何としてもクラスカーストを上げると決めたんだ。

 それにしても、そろそろ来ても良いのになあ。

 すると、不意にスマホがピコンとなった。画面を見ると新着のメッセージがありますと表示されている。あれほど待ち望んで居たのにいざ、連絡が来ると緊張する。僕は震える手でスマホを操作しアプリを開け、サッキーと言う名前の可愛い猫のアイコンをタップした。

『着いたよ~ヒキトさん、どこいます?』

 僕のSNS名がメッセージに書いてあるし、間違いではなさそうだ。
 僕はすぐそこに居るのかもしれないと焦り、あたりをキョロキョロしてから返信する。

『南口の前のベンチで座っています』

 ピコン。すぐに返信が返って来た。

『了解!じゃ、今から行くんで』

 どうやら、来てくれるようだが、心の準備をするにも自分から向かう方が良かったかも。
 それにしてもどんな人だろうか?
 メッセージを見る限り、なんだか軽そうな人だなぁ。僕の苦手なタイプっぽい。姉さんからは、同い年の女の子としか聞いてなかったけれど、それだけでも女の子とロクに話したことのない僕には難易度高いのに苦手なタイプとなるとさらに難易度上がるとやっていける気がしない。はあ。気が重くなって来た。

「あの、ヒキトさんですか?」

 どこか聞き覚えのある声の方をスマホから目を離して見ると黒髪に赤いメガネをかけた美人の女性がいた。
 僕は、想像していた外見とは全然違い、どこか大人しそうで大人っぽい包容力があり、透けるような肌をした文化系の雰囲気を受ける。しかし、それでいて表情は明るく活発な印象を受けた。

 僕は自分が見とれていたことに気づき、慌てて返事する。

「は、はい!僕がヒキトです!」

「そんな焦んなし、サングラスかけてる相手に焦られるとこっちのが焦るから」

 そう言ってサッキーさんは、ケラケラと笑った。
 そして、僕の方をじっと見つめる。

「あ、あの何か?」

「うーん、義姉さんが服見てやってくれって言う理由がわかったからさ」

 そんなに僕の服のセンスがダメなのだろうか?
 今日は、中学の時に自分で買った水色の星柄のシャツと濃い茶色のズボンで裾はボーダーになったズボンを履いている。自分なりに一番オシャレな服を選んだつもりだったが自信をなくしてくる。

「やっぱ、ダサいですか?」

「ああ!ごめんごめん!ヒキトって、私とタメだよね?なら、そんなもんじゃない?別に私は、誰がどんな服着てようが見る目変わんないからさ!それに敬語やめない?聞いてる私が疲れて来るんですけど」

 サッキーさんは再びケラケラと笑った。
 見た目と中身は伴わなくて想像通りの人だけど、良い人だな。今日はなんとか上手くやれそうな気がしてきた。

「えと、サッキーさんが高高二年生ならですけど」

「じゃあタメじゃん!」

「そ、そうですけど」

「ちょ、敬語やめなって!」

「う、うんわかったよ!」

「よし!合格!それじゃ服買い行こっか!」

 サッキーさんが歩き始めたのをみて、僕は慌ててベンチから腰を上げて、軽く走って隣に並ぶと歩幅を合わせて歩く。隣からは爽やかで甘い柑橘系の香りがした。

 それにしても何話せば良いのだろう。もともと人見知りで仲良くなれた人しか上手く話すことができない。その上、今まで女の子とは事務的な用事や2,3分話したことしかない。そんな時でも話せた日にはガッツポーズをしたものだ。そんな僕に男慣れしてそうなさっきーさんを楽しませられるような話ができるのだろうか……

「なーに暗い顔してんのよ」

 僕が落ち込んでいたのを悟ったのかさっきーさんが上目遣いで伺うように覗き込んで来る。

「いや、自分あんまり女の子と喋ったことが無いし、人見知りで何話して良いかわからなくて……」

 僕はあって間もないのにサッキーさんの距離の詰め方が上手いのかつい恥ずかしことを話してしまった。
 うう、引かれただろうな。なんで、喋っちゃったんだろ。喋るにしても今じゃ無いよなぁ。今日一日気まずい一日を送らなければならない。

 しかし、そんな心配をよそにサッキーさんはケラケラと笑った。

「なーにそんな事気にしてんのよ!別に話す事がなかったら話さなくても良いの!そんな事よりサングラスしてて周りに変な目で見られないかでも気にしてなさい」

「そ、そう?」

 僕が、心配げに尋ねるとサッキーさんは口の端を広げ、ニッと笑顔で答えた。

「そう!それにヒキトが話さないんなら私が勝手に喋るだけだしね!それにいつかは、喋れるようになるって。なに喋っても気にしないから私で練習しなさいよ」

 僕はサッキーさんの優しさに触れ、絶対に上手く話せるようになろうと思った。そして、会って間もないのにサッキーさんとは気兼ね無く話せる気がした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転

小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。 人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。 防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。 どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』

まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。 朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。 「ご主人様の笑顔が見たいんです」 その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。 全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!? 甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした

セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。 牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。 裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...