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どういうことなのよ
私はここで何かを言う訳にもいかず
陛下の前に向かいお辞儀した。
「陛下…王妃候補に選んで下さり感謝致します。…悔いのないようしっかり学ばせて頂きたいと思います。」
やっぱりトレシア・サイラス令嬢も王妃候補だったのね。や
王妃になれるかもしれないのにそんな簡単な挨拶で……やエフレイン様に失礼じゃない?等とはガヤガヤ言われる。
仕方ないじゃない。見極めるために側近にとしか言われてないのにまさか私も王妃候補に入ってるなんて思いもしなかったもの…。
私は訳も分からないままに王妃候補の列に並びお辞儀し王妃候補になった令嬢達が向く部屋へと案内される。
正直今までエレンやセオドアと仲が良かったせいでここにいるのはあまりに気まずい。
私は辺りを見渡せそうな端の椅子に座り扇で口元を隠す。
ふうっと息を吐きながらお父様はこの事を知ってたのかしら…なんて考えてると2人の令嬢達が近づいてきた。
「まともにお話するのは初めてですわね。サイラス公爵令嬢。私、アベラ・デイビスと言います。同じ王妃候補としてよろしくお願いしますわ」
「ふふ。同じく、ヘイゼル・ウディムと申します。よろしくね」
2人の意図は分からない。けどわたしと仲良くしてれば王子たちと繋がりやすくなると思ったのかな。
なんて一瞬考えながらも…いや。考えすぎは良くないな…と今思ったことは頭の隅にやる。
「トレシア・サイラスですわ。お2人とも、よろしくね。私のことは気軽にトレシアとお呼びください。」
2人はニコッと微笑み頷き私も名前で呼んでくださいねなんて言いながらそっと同じ席につく。
これを見ていたアリス令嬢は
「王妃候補を決める為に来たわけでお友達を作りに来たんじゃないのよ。まあ…サイラス公爵令嬢と王子たちは仲が良いし媚びを売っておいて損はないのかしらねっふふ」
と睨みながら聞こえるように話す。
同じ席にいるのは…マドリー・グレシア令嬢。
今は扇で口元を隠し凛としている。
令嬢も同じような態度を取るのかしらと視野に入れながらも
「アベラ令嬢、ヘイゼル令嬢、私のせいでこんなこと言われて…ごめんなさい。これからもこういうことはきっと起こるかもしれないから…離れてもいいのよ?」
と周りに聞こえないように2人に話す。
「いいえ。私たちは気になりませんわ。私達は確かにトレシア令嬢が王子たちと仲が良いのを知ってますわ。けれど今まではそのせいで令嬢達の嫉妬だったり王子と繋がるために寄ってくる令嬢ばかりでしたでしょう?だから私たちは挨拶程度で距離を置いてましたの。でも同じ候補になったとしたら私たちは令嬢と仲良くしようって決めてたんです。ねっアベラ」
アベラ令嬢も微笑みながら頷く。
「ありがとう2人とも…」
と3人で微笑む私たちを見てアリス令嬢が睨みながら「フンッ正直トレシア令嬢にはガッカリですわ。いっちばん王子の近くにいるのに周りの…「アリス令嬢、そこまでにした方がいいですわよ。ここには王妃候補同士で言い合いをしに集められた訳じゃないわ。王妃の素質があるかどうかを見極める為に来てるのですから。」
「………」
アリス令嬢は悔しそうにしながらそっぽを向いた。
まさか目の前のマドリー公爵令嬢が怒るなんて思いもしなかったから。
目の前から堂々と正論を言えるマドリー公爵令嬢に素晴らしいなとどういう行動に出るか疑ったことを申し訳なく思う。
「ふふふふふ。トレシア令嬢は本っ当になんでも顔に出るんですね」
「え!?」
「マドリー公爵令嬢を素敵だなって思ったでしょう?」
「なっ」
私は図星で少し恥ずかしくなる。
今まで嫉妬の声や王子と仲がいいせいで仲良くなった令嬢から呼び出されたと思えば男爵から事業説明されて王子にも是非~なんてこともあったから令嬢達とは距離を置く立場だったが故に…。
マドリー公爵令嬢は確実に親の力などではなく実力で王妃候補とされたんだろうな。としか思えなかった。
【お待たせしました。令嬢達の部屋のご用意が出来ました。ここにいる間は皆さんの両親以外の繋がりは断っていただきますのでご了承ください。メイドの方はこちらで侍女を用意させていただきます。では案内させていただきます。】
これは…私も?なのかしら……。
マリーは結婚式を控えてるし絶対参加したいんだけどな。なんて思いながらも案内人についてゆき部屋へ入った。
「では、何かあればこちらの侍女に仰りください」
「ちょっと待って…。私、王妃候補に入ったことすら知らなくて…すこしお父様と話したいんですが。」
「えっと…私は王妃候補様を案内するように命じられただけですのでそういったことはそちらの侍女にお願いします」
それだけ言って案内人は逃げるように部屋を出ていった。
「これからトレシア様の侍女として仕えさせて頂くエナです。今はまだ…第2王子が順番に挨拶される流れになっているので今すぐにはご両親との面会は出来ませんので挨拶を終え次第サイラス公爵とお話出来るようお伝えしましょう。お荷物の方は公爵様から預かっておりますので片付けさせていただきますね」
「えっとエレナ・ボルパン令嬢…。」
「今は令嬢としてここにいる訳ではありませんのでエナとお呼びください」
お父様が陛下の左腕だとしたらボルパン公爵は右腕だ。そんな方を愛称で呼ぶなんて…。
「…エナ。あの、私がここに来た理由はご存知で…?」
「…王子とのお話は伺っておりますが陛下は本当に王妃候補として選んだようですのでトレシア様は側近ではなく王妃候補でございます」
「そう…。陛下が……。」
今まで王子と仲がいいことに批判があった私が王妃を務まる訳が無いのに陛下は一体何を考えてるのかしら……。
私がエフと結婚なんて考えられないのに…。
それにしても、本来婚約者が発表されても舞踏会は終わってないから1度舞踏会に戻り、終わってからも屋敷に帰って荷物を整理して、また皇宮に戻るのが普通でしょうになぜこのまま部屋に案内されるのかしら…。
まさかわたしがお父様を問い詰めることを分かってて陛下が強制的に?
コンコンッ
「シア。」
「エレン!どういうことなの!?」
「父上が急に決めたらしい。セオはシアの負担だろうと怒ってるし僕もまさかシアが婚約者の候補になるなんて思いもしなかったし。」
「陛下が急に決めたって……」
「きっと…僕が心を開いてる女性は君だけだから……シアなら気品もあるし王妃教育もスムーズだろうって思ったんだと思う。」
「なるほどね…マリーの結婚式が控えてるのに外の誰とも交流出来ないなんて困るわ…。陛下とお話しないと…。」
「僕が側近を頼んだばかりに申し訳ないよ…。君の親友の結婚式には絶対に出れるよう僕も後で一緒に父上のところへ行こう」
話してると外が少し騒がしくなった。
…様!ダメですわ…お戻りください!!
私はここで何かを言う訳にもいかず
陛下の前に向かいお辞儀した。
「陛下…王妃候補に選んで下さり感謝致します。…悔いのないようしっかり学ばせて頂きたいと思います。」
やっぱりトレシア・サイラス令嬢も王妃候補だったのね。や
王妃になれるかもしれないのにそんな簡単な挨拶で……やエフレイン様に失礼じゃない?等とはガヤガヤ言われる。
仕方ないじゃない。見極めるために側近にとしか言われてないのにまさか私も王妃候補に入ってるなんて思いもしなかったもの…。
私は訳も分からないままに王妃候補の列に並びお辞儀し王妃候補になった令嬢達が向く部屋へと案内される。
正直今までエレンやセオドアと仲が良かったせいでここにいるのはあまりに気まずい。
私は辺りを見渡せそうな端の椅子に座り扇で口元を隠す。
ふうっと息を吐きながらお父様はこの事を知ってたのかしら…なんて考えてると2人の令嬢達が近づいてきた。
「まともにお話するのは初めてですわね。サイラス公爵令嬢。私、アベラ・デイビスと言います。同じ王妃候補としてよろしくお願いしますわ」
「ふふ。同じく、ヘイゼル・ウディムと申します。よろしくね」
2人の意図は分からない。けどわたしと仲良くしてれば王子たちと繋がりやすくなると思ったのかな。
なんて一瞬考えながらも…いや。考えすぎは良くないな…と今思ったことは頭の隅にやる。
「トレシア・サイラスですわ。お2人とも、よろしくね。私のことは気軽にトレシアとお呼びください。」
2人はニコッと微笑み頷き私も名前で呼んでくださいねなんて言いながらそっと同じ席につく。
これを見ていたアリス令嬢は
「王妃候補を決める為に来たわけでお友達を作りに来たんじゃないのよ。まあ…サイラス公爵令嬢と王子たちは仲が良いし媚びを売っておいて損はないのかしらねっふふ」
と睨みながら聞こえるように話す。
同じ席にいるのは…マドリー・グレシア令嬢。
今は扇で口元を隠し凛としている。
令嬢も同じような態度を取るのかしらと視野に入れながらも
「アベラ令嬢、ヘイゼル令嬢、私のせいでこんなこと言われて…ごめんなさい。これからもこういうことはきっと起こるかもしれないから…離れてもいいのよ?」
と周りに聞こえないように2人に話す。
「いいえ。私たちは気になりませんわ。私達は確かにトレシア令嬢が王子たちと仲が良いのを知ってますわ。けれど今まではそのせいで令嬢達の嫉妬だったり王子と繋がるために寄ってくる令嬢ばかりでしたでしょう?だから私たちは挨拶程度で距離を置いてましたの。でも同じ候補になったとしたら私たちは令嬢と仲良くしようって決めてたんです。ねっアベラ」
アベラ令嬢も微笑みながら頷く。
「ありがとう2人とも…」
と3人で微笑む私たちを見てアリス令嬢が睨みながら「フンッ正直トレシア令嬢にはガッカリですわ。いっちばん王子の近くにいるのに周りの…「アリス令嬢、そこまでにした方がいいですわよ。ここには王妃候補同士で言い合いをしに集められた訳じゃないわ。王妃の素質があるかどうかを見極める為に来てるのですから。」
「………」
アリス令嬢は悔しそうにしながらそっぽを向いた。
まさか目の前のマドリー公爵令嬢が怒るなんて思いもしなかったから。
目の前から堂々と正論を言えるマドリー公爵令嬢に素晴らしいなとどういう行動に出るか疑ったことを申し訳なく思う。
「ふふふふふ。トレシア令嬢は本っ当になんでも顔に出るんですね」
「え!?」
「マドリー公爵令嬢を素敵だなって思ったでしょう?」
「なっ」
私は図星で少し恥ずかしくなる。
今まで嫉妬の声や王子と仲がいいせいで仲良くなった令嬢から呼び出されたと思えば男爵から事業説明されて王子にも是非~なんてこともあったから令嬢達とは距離を置く立場だったが故に…。
マドリー公爵令嬢は確実に親の力などではなく実力で王妃候補とされたんだろうな。としか思えなかった。
【お待たせしました。令嬢達の部屋のご用意が出来ました。ここにいる間は皆さんの両親以外の繋がりは断っていただきますのでご了承ください。メイドの方はこちらで侍女を用意させていただきます。では案内させていただきます。】
これは…私も?なのかしら……。
マリーは結婚式を控えてるし絶対参加したいんだけどな。なんて思いながらも案内人についてゆき部屋へ入った。
「では、何かあればこちらの侍女に仰りください」
「ちょっと待って…。私、王妃候補に入ったことすら知らなくて…すこしお父様と話したいんですが。」
「えっと…私は王妃候補様を案内するように命じられただけですのでそういったことはそちらの侍女にお願いします」
それだけ言って案内人は逃げるように部屋を出ていった。
「これからトレシア様の侍女として仕えさせて頂くエナです。今はまだ…第2王子が順番に挨拶される流れになっているので今すぐにはご両親との面会は出来ませんので挨拶を終え次第サイラス公爵とお話出来るようお伝えしましょう。お荷物の方は公爵様から預かっておりますので片付けさせていただきますね」
「えっとエレナ・ボルパン令嬢…。」
「今は令嬢としてここにいる訳ではありませんのでエナとお呼びください」
お父様が陛下の左腕だとしたらボルパン公爵は右腕だ。そんな方を愛称で呼ぶなんて…。
「…エナ。あの、私がここに来た理由はご存知で…?」
「…王子とのお話は伺っておりますが陛下は本当に王妃候補として選んだようですのでトレシア様は側近ではなく王妃候補でございます」
「そう…。陛下が……。」
今まで王子と仲がいいことに批判があった私が王妃を務まる訳が無いのに陛下は一体何を考えてるのかしら……。
私がエフと結婚なんて考えられないのに…。
それにしても、本来婚約者が発表されても舞踏会は終わってないから1度舞踏会に戻り、終わってからも屋敷に帰って荷物を整理して、また皇宮に戻るのが普通でしょうになぜこのまま部屋に案内されるのかしら…。
まさかわたしがお父様を問い詰めることを分かってて陛下が強制的に?
コンコンッ
「シア。」
「エレン!どういうことなの!?」
「父上が急に決めたらしい。セオはシアの負担だろうと怒ってるし僕もまさかシアが婚約者の候補になるなんて思いもしなかったし。」
「陛下が急に決めたって……」
「きっと…僕が心を開いてる女性は君だけだから……シアなら気品もあるし王妃教育もスムーズだろうって思ったんだと思う。」
「なるほどね…マリーの結婚式が控えてるのに外の誰とも交流出来ないなんて困るわ…。陛下とお話しないと…。」
「僕が側近を頼んだばかりに申し訳ないよ…。君の親友の結婚式には絶対に出れるよう僕も後で一緒に父上のところへ行こう」
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