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4話
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第1王子ッッ
ガチャッ
「シア!」
「兄上…」
「エフレイン、ああ。そうか。お前は今挨拶の時間か。悪いが先にシアを連れて陛下の所へ向かうぞ」
「お願いします。直ぐに僕も向かいますから」
久しぶりにセオドアの怒った所を見た。
怒ったセオドアは初めて会った時のような外の顔をしてる。
「セオドア!そんなに急がなくても…!ねえ。ねえってば!セオ!」
「……悪い。急ぎすぎた。」
「もう!陛下が逃げるわけじゃないんだから」
「ああ…。とりあえず父上の元へ向かおう」
「ついでにお父様も一緒に呼んでもいいかしら。」
「ああ。サイラス公爵も呼んでもらおう。オイッ公爵を陛下の元へ呼んでくれ」
「はっかしこまりました。」
セオの護衛がお父様を呼びに行く。
コンコンッ
「父上、私です」
「……入れ」
ガチャリとセオドアが扉を開ける。
私はそっとセオドアの後ろをついて歩く。
「父上、私が何を言いたいかご存知ですね?」
陛下はふうっと困り顔でため息を付き話始める。
「トレシアも一緒だったのか。トレシアは今は王妃候補者だ。部屋で待つよう言われたんじゃなかったかい。それにせめて舞踏会が終わってから来てくれたら……」
先程の発表の時の一言一言に重みを感じるような言葉を放っていた陛下が子供のようにふくれっ面で怒る。
「陛下…。私は第2王子の側近として発表されるとばかり思っておりました。どうして急に王妃候補に…」
「それは…
コンコンッ
「ジェイド・サイラス公爵をお連れしました。」
「セオ、サイラス公爵も呼んだのか。…公爵、入れ」
「お父様。お父様も私が王妃候補者で呼ばれること知ってましたの?当たり前のように荷物まで運ばれてきて…」
「それは…キチンと説明する予定だったんだが時間が無くてだな」
「昨日も普通に話してたでしょう?」
「父上、サイラス公爵、説明してください。」
「わしが説明しよう。そんなに怒ることじゃないよ。側近として仕えてくれると聞いた時、側近の立場で令嬢たちと話せば間違いなく上辺でしか見極められないだろう?だから急遽王妃候補と発表することを昨日の夜にサイラス公爵に頼んだんだよ。まあわしも王妃もシアをセオかエレンどちらかの王妃に迎えたいと思ってるのは確かだがな。説明が遅れて悪かったね。正直わしはエレンの王妃候補だと喜んでくれることを願ったんだが…」
そういうことか…。お父様も陛下のわがままに困りながらも結局見極めるためにはと頷くしかなかったのね。最後の言葉は置いておいてそれなら一応納得は出来る。
「確かに側近として発表されれば上辺でしか分からないことも多かったかもしれませんわね」
「だが父上、あんな狼まみれの中にシアを入れるなんてありえない」
「セオドア…狼まみれは令嬢達に失礼よ。」
「シア以外の令嬢が聞いてるわけじゃないんだからいいだろう?」
「そういう問題じゃないの。ダメですわ。」
セオドアはすこしムッとしながらも失礼と分かってるが狼にしか見えないんだよ…としゅんとする。
「ははははは。そういう所だよ。シアは昔っからセオとエレンと仲良くしてくれて、悪い所も全て注意してくれる。それに勉強も出来るし気品にも溢れている。わしと皇后もシアのことをよく知ってる。だから家族になれることを願ってるよ。」
「それなら王妃候補に入れなくとも話し合えばいいじゃないか!王妃候補がどれだけ危険でシアにストレスを与えるか…」
「セオドア。心配してくれてありがと。だけどエレンもセオと同じ不安を持ってるから…私がエレンの婚約者をキチンと見極めるわ。だから大丈夫よ」
「シア……。」
「だけど陛下、お父様、両親としか連絡が出来ないとの事ですが、親友のマリーが結婚式を控えてます。だからその結婚式には必ず!参加したいのです。急な王妃候補としての参加で親友の結婚式まで出られないとなるのは困りますわ。」
「……王妃候補は皇后がほとんど仕切ってくれてるからなあ。わしがここで行ってよいとは言いにくくて……。」
「父上!」
「……分かった。必ず…行けるように手配しよう。頻繁とは言えんが内密にその令嬢との伝達係として動ける人間を用意しよう。」
「感謝致します。」
コンコンッ
「父上、エフレインです」
「おおおお来たか、入れ」
「令嬢達への挨拶がおわりました。それでシアの件ですが…」
「ああ、その話なら今終わったところだ。王妃候補として正式に参加してもらうことになった」
「え?」
エレンはパッとシアとセオの方を見る。
シアはうんと頷くがその横でセオが物凄い剣幕で拗ねている。
はあ。セオがシアの事を大事に思っているのは子供の頃から気づいていた。
まだセオが笑顔を振りまいてたころ、第1王子としての勉強も完璧で判断力もあったために令嬢達はそんな第1王子に媚びセオも上辺で笑顔を振りまいていた。 だが1人の女の子が扇を落としてしまったことに気づき拾ってあげた。女の子は感謝を伝え喜んでくれた。セオはニコッと微笑み部屋へ戻った。
部屋へ戻りパッとカーテンにかくれ下を眺めると扇が潰れ泣いてるあの女の子がいた。
何故拾ってあげた扇が潰れてるんだろう。
そう思ったセオはもう一度その場に戻りどうしたんだい?と聞いても何も応えずに泣きながら帰っていった。
そして数日後にはその伯爵の提携していた工場が買収されてしまったらしい。
後から聞けばセオが扇を拾ったことによって、令嬢達がその女の子が気を引くためにわざと扇を落としたんだと責められ、ある令嬢がわざと伯爵を困らせるために父親に頼んだとか。
それを知った日からだんだん純粋で目配りも出来たセオの目は冷たくなっていった。
父上や母上はセオのせいじゃないのよと心配して毎日のように慰めていたことをよく覚えている。
もちろんその令嬢に嫉妬だけのために工場を買収させた令嬢と公爵には既に罰が与えられ、ここを出入りできるような立場もない。
僕はそれ以来笑顔を振りまいても絶対にほんとの優しさを出すことはないと心に誓い毎日を過ごしていた。
シアを覗いては。
令嬢達も簡単に手を出せないサイラス公爵の娘のシア、そして誰彼関係なく平等に相手を見ることができ、令嬢達になんと思われようと堂々と判断できるその性格。
その辺を思えば冷静に考えれば僕は適当にやり抜けるけどセオにはシアしか居ないと解ってる。
正直僕がシアに好意を持ってないかと聞かれれば持っていない訳じゃないしいっそこのままなんなくクリアして王妃になってくれればいいのに…。とすら思っている。
だけどセオは皇帝陛下としての力は僕より優れているしシアのような女性と結婚すれば確実に世のために陛下として仕事が出来るだろう。
セオとシアにその気持ちが無ければどうしようも無いし僕が王位継承するしかないけれど…。
「……シア。何かあればすぐに俺に言うんだぞ。」
シアがやると言ったならもう俺は何かあった時に味方をしてやるしかできない。と怒りを堪えながらに
伝えネックレスを渡す。
「セオドア…なぜ今?それにこんな大事なもの頂けないわ」
「ああ。このネックレスは通信機だ。何かあったらこれで連絡するといい。録画機能もついているからいつか役に立つだろう。」
「録画機能付きの通信機…ありがとう」
通信機か…それに録画機能もついてるならこれは側近としての仕事で使える。そのためにくれたものだったのね。なんて考えるシア。
陛下が2度手を叩き
「これで解決だな?じゃあみんな部屋に戻りなさい。」
「ご配慮感謝致します」
私達は陛下の言葉に頷き3人で部屋を出て2人と別れ部屋に戻ることにした。
ガチャッ
「シア!」
「兄上…」
「エフレイン、ああ。そうか。お前は今挨拶の時間か。悪いが先にシアを連れて陛下の所へ向かうぞ」
「お願いします。直ぐに僕も向かいますから」
久しぶりにセオドアの怒った所を見た。
怒ったセオドアは初めて会った時のような外の顔をしてる。
「セオドア!そんなに急がなくても…!ねえ。ねえってば!セオ!」
「……悪い。急ぎすぎた。」
「もう!陛下が逃げるわけじゃないんだから」
「ああ…。とりあえず父上の元へ向かおう」
「ついでにお父様も一緒に呼んでもいいかしら。」
「ああ。サイラス公爵も呼んでもらおう。オイッ公爵を陛下の元へ呼んでくれ」
「はっかしこまりました。」
セオの護衛がお父様を呼びに行く。
コンコンッ
「父上、私です」
「……入れ」
ガチャリとセオドアが扉を開ける。
私はそっとセオドアの後ろをついて歩く。
「父上、私が何を言いたいかご存知ですね?」
陛下はふうっと困り顔でため息を付き話始める。
「トレシアも一緒だったのか。トレシアは今は王妃候補者だ。部屋で待つよう言われたんじゃなかったかい。それにせめて舞踏会が終わってから来てくれたら……」
先程の発表の時の一言一言に重みを感じるような言葉を放っていた陛下が子供のようにふくれっ面で怒る。
「陛下…。私は第2王子の側近として発表されるとばかり思っておりました。どうして急に王妃候補に…」
「それは…
コンコンッ
「ジェイド・サイラス公爵をお連れしました。」
「セオ、サイラス公爵も呼んだのか。…公爵、入れ」
「お父様。お父様も私が王妃候補者で呼ばれること知ってましたの?当たり前のように荷物まで運ばれてきて…」
「それは…キチンと説明する予定だったんだが時間が無くてだな」
「昨日も普通に話してたでしょう?」
「父上、サイラス公爵、説明してください。」
「わしが説明しよう。そんなに怒ることじゃないよ。側近として仕えてくれると聞いた時、側近の立場で令嬢たちと話せば間違いなく上辺でしか見極められないだろう?だから急遽王妃候補と発表することを昨日の夜にサイラス公爵に頼んだんだよ。まあわしも王妃もシアをセオかエレンどちらかの王妃に迎えたいと思ってるのは確かだがな。説明が遅れて悪かったね。正直わしはエレンの王妃候補だと喜んでくれることを願ったんだが…」
そういうことか…。お父様も陛下のわがままに困りながらも結局見極めるためにはと頷くしかなかったのね。最後の言葉は置いておいてそれなら一応納得は出来る。
「確かに側近として発表されれば上辺でしか分からないことも多かったかもしれませんわね」
「だが父上、あんな狼まみれの中にシアを入れるなんてありえない」
「セオドア…狼まみれは令嬢達に失礼よ。」
「シア以外の令嬢が聞いてるわけじゃないんだからいいだろう?」
「そういう問題じゃないの。ダメですわ。」
セオドアはすこしムッとしながらも失礼と分かってるが狼にしか見えないんだよ…としゅんとする。
「ははははは。そういう所だよ。シアは昔っからセオとエレンと仲良くしてくれて、悪い所も全て注意してくれる。それに勉強も出来るし気品にも溢れている。わしと皇后もシアのことをよく知ってる。だから家族になれることを願ってるよ。」
「それなら王妃候補に入れなくとも話し合えばいいじゃないか!王妃候補がどれだけ危険でシアにストレスを与えるか…」
「セオドア。心配してくれてありがと。だけどエレンもセオと同じ不安を持ってるから…私がエレンの婚約者をキチンと見極めるわ。だから大丈夫よ」
「シア……。」
「だけど陛下、お父様、両親としか連絡が出来ないとの事ですが、親友のマリーが結婚式を控えてます。だからその結婚式には必ず!参加したいのです。急な王妃候補としての参加で親友の結婚式まで出られないとなるのは困りますわ。」
「……王妃候補は皇后がほとんど仕切ってくれてるからなあ。わしがここで行ってよいとは言いにくくて……。」
「父上!」
「……分かった。必ず…行けるように手配しよう。頻繁とは言えんが内密にその令嬢との伝達係として動ける人間を用意しよう。」
「感謝致します。」
コンコンッ
「父上、エフレインです」
「おおおお来たか、入れ」
「令嬢達への挨拶がおわりました。それでシアの件ですが…」
「ああ、その話なら今終わったところだ。王妃候補として正式に参加してもらうことになった」
「え?」
エレンはパッとシアとセオの方を見る。
シアはうんと頷くがその横でセオが物凄い剣幕で拗ねている。
はあ。セオがシアの事を大事に思っているのは子供の頃から気づいていた。
まだセオが笑顔を振りまいてたころ、第1王子としての勉強も完璧で判断力もあったために令嬢達はそんな第1王子に媚びセオも上辺で笑顔を振りまいていた。 だが1人の女の子が扇を落としてしまったことに気づき拾ってあげた。女の子は感謝を伝え喜んでくれた。セオはニコッと微笑み部屋へ戻った。
部屋へ戻りパッとカーテンにかくれ下を眺めると扇が潰れ泣いてるあの女の子がいた。
何故拾ってあげた扇が潰れてるんだろう。
そう思ったセオはもう一度その場に戻りどうしたんだい?と聞いても何も応えずに泣きながら帰っていった。
そして数日後にはその伯爵の提携していた工場が買収されてしまったらしい。
後から聞けばセオが扇を拾ったことによって、令嬢達がその女の子が気を引くためにわざと扇を落としたんだと責められ、ある令嬢がわざと伯爵を困らせるために父親に頼んだとか。
それを知った日からだんだん純粋で目配りも出来たセオの目は冷たくなっていった。
父上や母上はセオのせいじゃないのよと心配して毎日のように慰めていたことをよく覚えている。
もちろんその令嬢に嫉妬だけのために工場を買収させた令嬢と公爵には既に罰が与えられ、ここを出入りできるような立場もない。
僕はそれ以来笑顔を振りまいても絶対にほんとの優しさを出すことはないと心に誓い毎日を過ごしていた。
シアを覗いては。
令嬢達も簡単に手を出せないサイラス公爵の娘のシア、そして誰彼関係なく平等に相手を見ることができ、令嬢達になんと思われようと堂々と判断できるその性格。
その辺を思えば冷静に考えれば僕は適当にやり抜けるけどセオにはシアしか居ないと解ってる。
正直僕がシアに好意を持ってないかと聞かれれば持っていない訳じゃないしいっそこのままなんなくクリアして王妃になってくれればいいのに…。とすら思っている。
だけどセオは皇帝陛下としての力は僕より優れているしシアのような女性と結婚すれば確実に世のために陛下として仕事が出来るだろう。
セオとシアにその気持ちが無ければどうしようも無いし僕が王位継承するしかないけれど…。
「……シア。何かあればすぐに俺に言うんだぞ。」
シアがやると言ったならもう俺は何かあった時に味方をしてやるしかできない。と怒りを堪えながらに
伝えネックレスを渡す。
「セオドア…なぜ今?それにこんな大事なもの頂けないわ」
「ああ。このネックレスは通信機だ。何かあったらこれで連絡するといい。録画機能もついているからいつか役に立つだろう。」
「録画機能付きの通信機…ありがとう」
通信機か…それに録画機能もついてるならこれは側近としての仕事で使える。そのためにくれたものだったのね。なんて考えるシア。
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