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5話 妹姫、現る (このお姫様、強烈なり)
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「どーして部屋に戻るんスか?!」
バタバタと慌ただしく入って来たのはリンヤ。
部屋に戻って間も無くだった。
「あんたねぇ、学習しなさいよ。もしまた最中だったらどうすんのよ」
ソファに座りリンヤを見やると顔を真っ赤に染めた。
ベッドは護衛隊長が占領しているから私とスグリはソファに座っていた。
「ま、またイチャつく気だったんスか?!」
「うん?何、また見たいって?」
クツリと笑うが、さすがにもうスるつもりはないわよ。
普通に横に座ってるでしょ。
そんなことを思っているとは知らないリンヤは慌てだした。
「め、目の保養にはなりますが!!これ以上は色々とヤバイのでやめておきますっス!!」
………馬鹿正直か。
スグリは冷めた目で見ている。
「それはさておき、リンヤのお父さんはどうしたの?」
「あ、ああ、父上はもう王城に帰ったっス。なんでもこの後、会議があるそうで……」
会議があるのにわざわざ出向いたの?
「………お2人に折り入って話があるんスが…父上には既に了承を得ているんス。俺を一緒に連れて行ってくれませんか?」
「ヤダ」
「見事に即答っスね!」
「…だって一緒にってことは、ずっと側にいるってことでしょ?つまりスグリとイチャつくことが出来ないってことじゃない」
一週間でさえ辛かったのに。
「事前に言ってくれれば邪魔はしませんっス!!………それに、父上が言うにはあの2人と一緒なら安心出来るって………」
そりゃ、見ず知らずのやつより知ってるやつの方が安心出来るでしょうよ。
それにリンヤは極度の方向音痴だし。
「スグリどうする?今回は任せる」
んっ!と伸びをし、ソファから立ち上がりベッドに近寄る。
それにしても良く寝てるわね。
ジッと見つめているとピクと睫毛が動いた。
「……寝たフリなんていい度胸してるじゃない?護衛隊長殿」
ゲシッとベッドから蹴落とした。
するとグエッと蛙が潰れたような声を出す護衛隊長。
話し合っていた2人も何事だとこちらを見やったがすぐに視線を戻した。
「ゔぅっ。そ、その話、王子が了承するのでしたら私目もご一緒させていただきたいです……っ、」
増えた。
「……ハナ、リンヤが来れば絶賛今ならその男も来るってことか?」
「セールおまけ品か!……まぁ、そうなるんじゃないの?」
「分かった、一緒に連れて行く」
マジか。
まぁ、スグリのことだから私を守れるやつを増やしたいんだろうけど。
「なら、名前くらい知らないとねぇ。護衛隊長、名前は?」
「わ、私目の名前、ですか?……き、キルです。キルと申します。以後お見知り置きを」
深々と頭を下げるキル。
「うん、よろしく。あー、後、キルの主とかじゃないからもちろん、敬語とかじゃなくていいからね?」
「は、はいっ!じゃなくてああ!」
爽やかに笑うキル。
「それと、リンヤ、昨日も言ったと思うけどしばらくは王都に留まるからね?」
「それは分かっているっス!……1つ聞いていいっスか?お2人はどういった目的で王都に来たんスか?」
「………んー、言っても別にいいか。
私たちはあるモノを買うためにココまで来たんだよねー」
「あるモノっスか?」
「そう、あるモノ」
「………それって何か聞いても大丈夫なことっスか」
「うん?知りたいなら教えたげるよ」
「………いいっス。なんか、聞いたら後戻り出来なさそうっスから」
…ホント、こういうのには勘が働くんだね、リンヤ。
リンヤの言う通り、多分後戻り出来なくなるだろう。
あるモノ、とは夜に使うモノだ。
言うなれば、大人のオモチャ。
前世ではそれを使って、スグリとアレコレしていた。
……そういえばあのオモチャたちはどうなったんだろう。
私たち死んだし、お母さんとお父さんが部屋を掃除する時に………。
見つかってたらヤバイよなぁー。
うーん、私たちを親不孝だって罵るだろうか。
いや、親より先に死んだんだから結局のところ親不孝か。
「と、そうっス!王都にいる間は王城に来たらどうっスか!?宿代が浮くから、その分をあるモノに費やしたらどうっスか?」
いい提案でしょう?と言いたげなリンヤの頭を撫でる。
確かにそれはいい提案だけど……。
でもその滞在するところが王城っていうのがねぇ。
悩みどころだなぁ。
「スグリはどう思う?」
「いいんじゃないか?最後はハナに決定権があるんだ。好きにしていい」
男前のスグリも……じゃなくって!!
好きに、ねー。
「なら、そうしようかな。でも大丈夫なの?」
「はいっス!父上は歓迎してくれますっスよ!」
……父上"は"、ねー。
他は歓迎してないって意味合いに聞こえるのは私の気のせいだろうか。
…私の杞憂で終わればいいけど…。
「ってことでお2人を王城に留まらせたいのですがいいでしょうか、陛下」
場所は移って王城の謁見の間。
リンヤに倣って頭を下げている。
さすがの私も場はわきまえるわよ?
「ふむ、いいだろう。王子の面倒を見てもらう礼とでもしようか」
「有難き光栄です」
下がっていいと言われて、リンヤに案内され王城を歩く。
「どうしますか?お2人は別々の部屋の方がいいっスか?」
「もちろん決まってるでしょ。スグリとおんなじ部屋。」
「了解っス」
偶々通り掛かった侍女にリンヤはそのことを告げた。
……にしても、見た目通りやっぱり広いな、ココ。
迷子にでもなりそう。
「……リンヤ」
「なんっスか?」
「まさかと思うけど、ココで迷子とかなったりしてた?」
「な、なんで分かったんスか?!」
………マジ?
自分の家で迷子?
それ、メッチャ重症じゃん。
うん?
「なら、リンヤが案内しない方がいいんじゃないの?」
「さすがに今は大丈夫っスよ!………久しぶりなんで今日はどうか分かりませんけど」
リンヤのお父さんーーーっ!!
この子に四六時中付き人付けようよ!
これ、絶対ダメなやつ!!!
「だ、大丈夫っス!皆親切っスから快く教えてくれるっス!」
いやもうそれ哀れんでいるんじゃ…。
さすがにここまでとは私も思わなかったよ?
もうちょいマシだと思ってたんだけどなぁ。
広い王城の中を歩いているとヒラヒラなドレスを着た女の子が走って来た。
「お兄様ーーーっ!!」
「リンネ!?」
まさかのリンヤの妹だった。
「どうして昨日、わたくしに会いに来て下さらなかったの?!」
「ごめんな?父上に大事な話をしてたんだ」
「そんなの言い訳ですわ!!そこの雌豚に唆されたんでしょう?!」
わーお、強烈。
「お父様もお父様ですわ!!何故このような雌豚を王城になど…あら。あなた、カッコいいですわね」
お姫様はスグリを魅入った。
あれ、これは嫌な予感しかしないぞ?
「あなた!!わたくしの夫になりなさい!!」
ピシリッと思考が停止した。
「(げっ!は、ハナさんがキレる!!)
リンネ!!今すぐに撤回しろ!」
「絶対に嫌ですわ!!もう決めたことですの!」
「…………リンヤ」
「ヒイ!!は、はいっス!!」
「まぁ!!王子であるお兄様を名前で呼ぶなんて、どれだけ身の程知らずですの!?衛兵!!この女を捕らえなさいですわ!!」
ゴチャゴチャ喚くお姫様を見やる。
「クソガキ。生意気言ってんじゃねぇよ。自分では何も出来ないお姫様」
「なっ!あなた!!失礼にも程がありますわよ!?」
お姫様から視線を逸らし、明らかに怯えているリンヤを見る。
「やっぱココに留まれない。これ以上あんたの妹が妄言を吐き続けたら何ヤラカスか分かんないから」
「ちょっと!!勝手なことを言わないでくださいまし!!」
「………いい加減にしろよ、お姫様」
ここで初めてスグリは口を開いた。
「あら、お声もお美しいんですのね」
「さっきから黙って聞いてれば…。
ハナを侮辱してんじゃねぇよ。誰もあんたの夫になるとか了承してねぇだろうが。俺は、誰がなんと言おうと一生ハナのモンだ。それと、さっきから喚き散らしていたが、王族としての威厳とかはないのか?」
メッチャキレてらっしゃる。
驚いてスグリを凝視すると笑い掛けられた。
………ホントにもう、スグリには敵わないなぁ。
いつもいつも、私のために怒ってくれて、私をいつでも優先している。
どんな時でも。
私が風邪を引いた時も。
作らなくていい敵を作るにも関わらずに。
そんなスグリが愛しくて愛しくてたまらない。
ずっとスグリは、私の光だった。
知ってる?
スグリの何気ない行動で私はいつも救われているんだよ?
「何事だ」
騒ぎを聞き付けたリンヤのお父さん。
「お父様!!聞いてくださいまし!!
その者が無礼なんです!!その女はわたくしをクソガキと罵り、わたくしの言葉を妄言と吐いたのです!!」
「……そうなのか?王子よ」
「はっ!しかし、先に無礼を働いたのはリンネ……、姫の方です」
「お、お兄様……?」
「そうか。……姫よ、このお二方は姫の兄を助けた方々だ。その方に無礼を働くなど言語道断だ。だが、今まで姫を甘やかして来た私の責任でもある。すまなかった」
「お、お父様!!な、何故……」
「お前は少し頭を冷やしなさい」
厳しい父親の視線にお姫様は怯えた。
「ハナさん、スグリさん、本当に申し訳ない」
「陛下が謝る必要はないでしょう。
ただ、さすがに王城には留まれない。
せっかく了承して貰ったけど…、私たちは王都の方に行くことにするわ」
「そうか……。いや、普通はそうなるな。お詫びと言ってはなんだが費用はこちらで持とう」
「ありがとうございます」
「……あと、どうか姫のことを許してやって欲しい」
「………悪いけど、あそこまで言われて許せるほど私は出来てない。」
何よりも、スグリに手を出そうとしたんだから。
その時点で、許すも何もない。
「………本当に申し訳なかった。」
陛下の謝罪を背に私とスグリは王城を去った。
バタバタと慌ただしく入って来たのはリンヤ。
部屋に戻って間も無くだった。
「あんたねぇ、学習しなさいよ。もしまた最中だったらどうすんのよ」
ソファに座りリンヤを見やると顔を真っ赤に染めた。
ベッドは護衛隊長が占領しているから私とスグリはソファに座っていた。
「ま、またイチャつく気だったんスか?!」
「うん?何、また見たいって?」
クツリと笑うが、さすがにもうスるつもりはないわよ。
普通に横に座ってるでしょ。
そんなことを思っているとは知らないリンヤは慌てだした。
「め、目の保養にはなりますが!!これ以上は色々とヤバイのでやめておきますっス!!」
………馬鹿正直か。
スグリは冷めた目で見ている。
「それはさておき、リンヤのお父さんはどうしたの?」
「あ、ああ、父上はもう王城に帰ったっス。なんでもこの後、会議があるそうで……」
会議があるのにわざわざ出向いたの?
「………お2人に折り入って話があるんスが…父上には既に了承を得ているんス。俺を一緒に連れて行ってくれませんか?」
「ヤダ」
「見事に即答っスね!」
「…だって一緒にってことは、ずっと側にいるってことでしょ?つまりスグリとイチャつくことが出来ないってことじゃない」
一週間でさえ辛かったのに。
「事前に言ってくれれば邪魔はしませんっス!!………それに、父上が言うにはあの2人と一緒なら安心出来るって………」
そりゃ、見ず知らずのやつより知ってるやつの方が安心出来るでしょうよ。
それにリンヤは極度の方向音痴だし。
「スグリどうする?今回は任せる」
んっ!と伸びをし、ソファから立ち上がりベッドに近寄る。
それにしても良く寝てるわね。
ジッと見つめているとピクと睫毛が動いた。
「……寝たフリなんていい度胸してるじゃない?護衛隊長殿」
ゲシッとベッドから蹴落とした。
するとグエッと蛙が潰れたような声を出す護衛隊長。
話し合っていた2人も何事だとこちらを見やったがすぐに視線を戻した。
「ゔぅっ。そ、その話、王子が了承するのでしたら私目もご一緒させていただきたいです……っ、」
増えた。
「……ハナ、リンヤが来れば絶賛今ならその男も来るってことか?」
「セールおまけ品か!……まぁ、そうなるんじゃないの?」
「分かった、一緒に連れて行く」
マジか。
まぁ、スグリのことだから私を守れるやつを増やしたいんだろうけど。
「なら、名前くらい知らないとねぇ。護衛隊長、名前は?」
「わ、私目の名前、ですか?……き、キルです。キルと申します。以後お見知り置きを」
深々と頭を下げるキル。
「うん、よろしく。あー、後、キルの主とかじゃないからもちろん、敬語とかじゃなくていいからね?」
「は、はいっ!じゃなくてああ!」
爽やかに笑うキル。
「それと、リンヤ、昨日も言ったと思うけどしばらくは王都に留まるからね?」
「それは分かっているっス!……1つ聞いていいっスか?お2人はどういった目的で王都に来たんスか?」
「………んー、言っても別にいいか。
私たちはあるモノを買うためにココまで来たんだよねー」
「あるモノっスか?」
「そう、あるモノ」
「………それって何か聞いても大丈夫なことっスか」
「うん?知りたいなら教えたげるよ」
「………いいっス。なんか、聞いたら後戻り出来なさそうっスから」
…ホント、こういうのには勘が働くんだね、リンヤ。
リンヤの言う通り、多分後戻り出来なくなるだろう。
あるモノ、とは夜に使うモノだ。
言うなれば、大人のオモチャ。
前世ではそれを使って、スグリとアレコレしていた。
……そういえばあのオモチャたちはどうなったんだろう。
私たち死んだし、お母さんとお父さんが部屋を掃除する時に………。
見つかってたらヤバイよなぁー。
うーん、私たちを親不孝だって罵るだろうか。
いや、親より先に死んだんだから結局のところ親不孝か。
「と、そうっス!王都にいる間は王城に来たらどうっスか!?宿代が浮くから、その分をあるモノに費やしたらどうっスか?」
いい提案でしょう?と言いたげなリンヤの頭を撫でる。
確かにそれはいい提案だけど……。
でもその滞在するところが王城っていうのがねぇ。
悩みどころだなぁ。
「スグリはどう思う?」
「いいんじゃないか?最後はハナに決定権があるんだ。好きにしていい」
男前のスグリも……じゃなくって!!
好きに、ねー。
「なら、そうしようかな。でも大丈夫なの?」
「はいっス!父上は歓迎してくれますっスよ!」
……父上"は"、ねー。
他は歓迎してないって意味合いに聞こえるのは私の気のせいだろうか。
…私の杞憂で終わればいいけど…。
「ってことでお2人を王城に留まらせたいのですがいいでしょうか、陛下」
場所は移って王城の謁見の間。
リンヤに倣って頭を下げている。
さすがの私も場はわきまえるわよ?
「ふむ、いいだろう。王子の面倒を見てもらう礼とでもしようか」
「有難き光栄です」
下がっていいと言われて、リンヤに案内され王城を歩く。
「どうしますか?お2人は別々の部屋の方がいいっスか?」
「もちろん決まってるでしょ。スグリとおんなじ部屋。」
「了解っス」
偶々通り掛かった侍女にリンヤはそのことを告げた。
……にしても、見た目通りやっぱり広いな、ココ。
迷子にでもなりそう。
「……リンヤ」
「なんっスか?」
「まさかと思うけど、ココで迷子とかなったりしてた?」
「な、なんで分かったんスか?!」
………マジ?
自分の家で迷子?
それ、メッチャ重症じゃん。
うん?
「なら、リンヤが案内しない方がいいんじゃないの?」
「さすがに今は大丈夫っスよ!………久しぶりなんで今日はどうか分かりませんけど」
リンヤのお父さんーーーっ!!
この子に四六時中付き人付けようよ!
これ、絶対ダメなやつ!!!
「だ、大丈夫っス!皆親切っスから快く教えてくれるっス!」
いやもうそれ哀れんでいるんじゃ…。
さすがにここまでとは私も思わなかったよ?
もうちょいマシだと思ってたんだけどなぁ。
広い王城の中を歩いているとヒラヒラなドレスを着た女の子が走って来た。
「お兄様ーーーっ!!」
「リンネ!?」
まさかのリンヤの妹だった。
「どうして昨日、わたくしに会いに来て下さらなかったの?!」
「ごめんな?父上に大事な話をしてたんだ」
「そんなの言い訳ですわ!!そこの雌豚に唆されたんでしょう?!」
わーお、強烈。
「お父様もお父様ですわ!!何故このような雌豚を王城になど…あら。あなた、カッコいいですわね」
お姫様はスグリを魅入った。
あれ、これは嫌な予感しかしないぞ?
「あなた!!わたくしの夫になりなさい!!」
ピシリッと思考が停止した。
「(げっ!は、ハナさんがキレる!!)
リンネ!!今すぐに撤回しろ!」
「絶対に嫌ですわ!!もう決めたことですの!」
「…………リンヤ」
「ヒイ!!は、はいっス!!」
「まぁ!!王子であるお兄様を名前で呼ぶなんて、どれだけ身の程知らずですの!?衛兵!!この女を捕らえなさいですわ!!」
ゴチャゴチャ喚くお姫様を見やる。
「クソガキ。生意気言ってんじゃねぇよ。自分では何も出来ないお姫様」
「なっ!あなた!!失礼にも程がありますわよ!?」
お姫様から視線を逸らし、明らかに怯えているリンヤを見る。
「やっぱココに留まれない。これ以上あんたの妹が妄言を吐き続けたら何ヤラカスか分かんないから」
「ちょっと!!勝手なことを言わないでくださいまし!!」
「………いい加減にしろよ、お姫様」
ここで初めてスグリは口を開いた。
「あら、お声もお美しいんですのね」
「さっきから黙って聞いてれば…。
ハナを侮辱してんじゃねぇよ。誰もあんたの夫になるとか了承してねぇだろうが。俺は、誰がなんと言おうと一生ハナのモンだ。それと、さっきから喚き散らしていたが、王族としての威厳とかはないのか?」
メッチャキレてらっしゃる。
驚いてスグリを凝視すると笑い掛けられた。
………ホントにもう、スグリには敵わないなぁ。
いつもいつも、私のために怒ってくれて、私をいつでも優先している。
どんな時でも。
私が風邪を引いた時も。
作らなくていい敵を作るにも関わらずに。
そんなスグリが愛しくて愛しくてたまらない。
ずっとスグリは、私の光だった。
知ってる?
スグリの何気ない行動で私はいつも救われているんだよ?
「何事だ」
騒ぎを聞き付けたリンヤのお父さん。
「お父様!!聞いてくださいまし!!
その者が無礼なんです!!その女はわたくしをクソガキと罵り、わたくしの言葉を妄言と吐いたのです!!」
「……そうなのか?王子よ」
「はっ!しかし、先に無礼を働いたのはリンネ……、姫の方です」
「お、お兄様……?」
「そうか。……姫よ、このお二方は姫の兄を助けた方々だ。その方に無礼を働くなど言語道断だ。だが、今まで姫を甘やかして来た私の責任でもある。すまなかった」
「お、お父様!!な、何故……」
「お前は少し頭を冷やしなさい」
厳しい父親の視線にお姫様は怯えた。
「ハナさん、スグリさん、本当に申し訳ない」
「陛下が謝る必要はないでしょう。
ただ、さすがに王城には留まれない。
せっかく了承して貰ったけど…、私たちは王都の方に行くことにするわ」
「そうか……。いや、普通はそうなるな。お詫びと言ってはなんだが費用はこちらで持とう」
「ありがとうございます」
「……あと、どうか姫のことを許してやって欲しい」
「………悪いけど、あそこまで言われて許せるほど私は出来てない。」
何よりも、スグリに手を出そうとしたんだから。
その時点で、許すも何もない。
「………本当に申し訳なかった。」
陛下の謝罪を背に私とスグリは王城を去った。
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