異世界転生

イチゴ牛乳

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番外編 つまらない日々に終止符を…… (バルドside)

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つまらない。
毎日がとてつもなくつまらない。
退屈だ。
毎日同じ事の繰り返し。
我の配下は必死に動き回っているが全て同じにしか見えない。
退屈凌ぎに城を抜け出すがそれでもやはりつまらない。
我を魔王と知らない新造の魔物を倒すが弱い。
(後に側近のアシュレイに聞いたのだがその魔物はSランクの魔物だったらしい)
数百年前に退屈凌ぎで世界征服をしようとしたが同じ作業続きで飽きてしまった。
次々と人間共は挑んで来るが何分、弱過ぎる。
赤子なのかと疑いたくなるくらい弱かった。
アシュレイはそんな我にホトホト困り果てていた。
城を抜け出すがそれでも退屈で、世界征服をしようとしたが結局は飽きて。
何をするのも退屈な我にアシュレイは、側近達は何時も困り果てていた。
そんな我を見限らない側近達は凄いと思うが。
そして時は過ぎ、城を抜け出し退屈凌ぎにならない退屈凌ぎをしていると、声が聞こえて来たのだ。
情欲を纏った淫らな声が。
その時の我は退屈凌ぎになるだろうかと考え、近寄ってみたのだ。
(その時の我を褒め讃えたい)
そこには、女が男2人をリードして恍惚の表情を浮かべている光景が在った。
そして何故か、気配を消していた我に気づいた女は我を捕まえに来た。
「す、すまない!!情事を見るつもりはなかったのだ!」
こんな女など、容易く倒せるはずなのに我は許しを口走っていた。
話(?)をしていると、女から微かに神獣の加護が視えたのだ。
それも1つだけではない。
幾十たる加護を。
人間が与えられるような加護ではないものも中には在った。
……興味本位だった。
我が人間の女の奴隷になると言ったのは。
これで少しはこの退屈な日々が変わるかと。
その予想は大きく外れた。
良い方に、だが。
主人……ハナは見ていて飽きない。
今だってそうだ………。

「ハナ!見てみろ!綺麗な花を摘んで来てやったぞ?!」
「ん~?……あ、ホントだ。綺麗な花だね、これ」
可愛い、と笑いながら匂いを嗅ぐハナに頬が緩む。
「え、それ………、幻の花……雪月花じゃないっスか?!!」
小バエが何か言っているが無視だ。
「ハナ、欲しいならまた摘んで来てもいいぞ?」
「ん~、ならお願いしようかなぁ」
クスクスと楽しそうに笑うハナ。
それに吊られて我も笑う。
アシュレイはそれを見て嬉しそうにしていた。

ハナ、我は今幸せだ。
あの退屈な日々が夢だったのかと思うくらい毎日が楽しい。
だからハナは、我が守るぞ?
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