20 / 23
15話 契約した神獣
しおりを挟む
「ハナさん、そういえば神獣様と契約してたっスよね?」
野宿中、リンヤがそう尋ねて来た。
「んー、そういえばそんな事言ったね~。それがどうしたの?」
「いえ、ただ気になっただけっス」
苦笑を浮かべるリンヤに首を傾げた。
ふーん。
………言わないんだ。
「………“我を護りし守護獣よ、此処に降り立て”」
「………………え?」
私のその言葉にリンヤは唖然としている。
その他の皆は興味深かそうにこちらを見ている。
………そういえば、スグリでさえもあの子達のこと知らないんだよね~。
てことは初のお披露目?
そんな呑気な事を考えながらも私の周りには複数の召喚陣が。
『ハナ、どうした?もしかして、何か在ったのか?』
1番初めに現れたのはフェルだった。
「フフッ。違う違う。ただ私が会いたくて呼んだんだよ。ダメだった?」
哀しげに首を傾げるとフェルは慌てて念話を送って来た。
『ダメなわけない!!寧ろずっと側に居たいくらいだ!』
それに私はクスクスと笑った。
『………相も変わらず、ハナは意地悪だな。』
いじけたようなその姿にますます笑みを深めた。
「そう?まぁ、これが私だしね。それについては諦めてね?」
『ハナ、そこの駄犬だけじゃなくて俺にも構え』
不機嫌そうに言う、なんともオレ様なレッカ。
フェルは狼……ましてや神獣なんだけどなぁ。
扱いが雑。
まぁ、同じ神獣だからだろうけども。
「ごめんごめん、慌てる姿が可愛くてつい」
楽しそうに笑う私を見てか、レッカは呆れた“声”を出す。
『悪びれもせず言うところがハナらしいよな』
そりゃ、悪いと思ってないしね。
にこにこする私にレッカは頭を擦り付けて来た。
……オレ様なのにこう言う甘えん坊なところがあるから憎めないんだよね。
その頭を撫でつつ最後の1匹に視線を移す。
「琥珀、久しぶり」
綺麗な純白な毛皮を持つ琥珀。
『ん。』
幼な気に頷く琥珀に笑みを深めた。
「………ハナさん」
すると、口を閉ざしていたリンヤが口を開いた。
あ、忘れてた。
皆んなが居るの。
「何?」
「フェンネルにドラゴン、それに白虎っスよね?!!なんでそんなに神獣と契約してるんスか?!というか白虎のことは初耳っス!!」
「ん?琥珀??……あぁ、琥珀とはつい最近に契約したからね~。一時期姿見せなかったでしょ?私。その時にこの子を拾ってね、それからかな?」
「それからじゃないっスよ!どうしてそうポンポンと契約を……!!神獣は気高くその姿を現わすことはないという伝承はなんなんスか?!!嘘なんスか?!」
………大分、荒れてんなぁ。
これは……、精霊王とか創造主とも契約しているなんて言えないなぁ。
リンヤ、将来禿げるんじゃ……?
まぁ、その苦労というか悩みのタネはほとんどの確率、私だけど。
『なんだ、この人間。荒れに荒れてるなぁ』
悪気なしに言ったレッカ。
『仕方なかろう。我らはそれほど、姿を見せることがなかった。こうなる事は予測出来ただろう』
うん、“普通は”神獣の姿なんて見れないよね。
一生のうちに見れただけでも奇跡に近い、それほど神獣は神聖なのだ。
そんな神聖なモノと契約、ましてや3匹も契約しているのだ、荒れない方が可笑しいのだろう。
………それに比べて、リンヤ以外の者が落ち着いているって事の方が異常なのだろう。
キルなんて分かり切っていたような顔をしている。
「ハナが凄いのは当然だろ?リンヤ」
スグリ、それは違う。
さも当然のように言い切ったスグリに思わず突っ込みたくなった。
それはなんとか心の内に留めたが。
今も尚、唸っているリンヤに内心同情する。
…………死なない程度に頑張れ。
「う~、頭痛いっス………」
1番後ろを頭を抑えながら歩くリンヤ。
見ていてなんか罪悪感が湧くから神獣達には可哀想だけども、帰ってもらいました。
まぁ、いつでも逢えるしね。
呼べば。
名残り押しそうだったけど。
「ハナ、フェンネルとドラゴンとはいつ契約したんだ?」
スグリのその質問に全員の視線が集まる。
何気に、リンヤの視線もこっちを向いている。
「ん~、いつだっけなぁ。確か13歳らへんでだったと思うよ。フェルは何気なく召喚してみたら出て来て、レッカは樹海をフラフラしてたら洞窟が在って入ってみたらレッカが其処に居た、みたいな?」
「「「……はぁ?!!」」」
………見事に全員に呆れられた。
うん、分かってた。
自分でも言いながらあ、普通じゃないな、自分とか思ったくらいだし。
普通だったら召喚しようとして出来るもんじゃないし、樹海に入るなんて以ての外だ。
樹海、とは通称“迷いの森”のことである。
迷いの森はその名の通り、入ったら迷ってしまう森だ。
それだけではない。
その森にはSランクの魔獣がウジャウジャと住み着いている。
上級冒険者の経験値上げには打って付けな場所なのだが……何せ、一度入ったら出られないという曰く付きである。
屈強な冒険者でも怯え…んんっ、躊躇してしまう森だ。
(普通の子どもが)幼い私が入って生きて帰れるような場所ではない。
「…いつ樹海に行く機会があった?」
スグリは恐る恐る尋ねてきた。
「えーと、家族旅行の時に私、ワザと……あー、迷子になったじゃない?その時」
「「「(………ワザと??)」」」
若干、目が引いてる気がする。
いや、絶対。
「別にいいでしょ。基本的に私、快楽主義者で楽しければオッケーなとこあるし。分かってることでしょ?」
今までだってそういう事あったし。
ね?
ん?と無言の圧力をかけると視線を全員で逸らしましたよ、ええ。
失礼ね。
他はともかく、スグリとソラはそれくらい分かるでしょ。
前にも色々やらかしてたし、私。
未だに謎の沈黙が男性陣を包んでおり、それを無視して私は1人、先を歩きだした。
野宿中、リンヤがそう尋ねて来た。
「んー、そういえばそんな事言ったね~。それがどうしたの?」
「いえ、ただ気になっただけっス」
苦笑を浮かべるリンヤに首を傾げた。
ふーん。
………言わないんだ。
「………“我を護りし守護獣よ、此処に降り立て”」
「………………え?」
私のその言葉にリンヤは唖然としている。
その他の皆は興味深かそうにこちらを見ている。
………そういえば、スグリでさえもあの子達のこと知らないんだよね~。
てことは初のお披露目?
そんな呑気な事を考えながらも私の周りには複数の召喚陣が。
『ハナ、どうした?もしかして、何か在ったのか?』
1番初めに現れたのはフェルだった。
「フフッ。違う違う。ただ私が会いたくて呼んだんだよ。ダメだった?」
哀しげに首を傾げるとフェルは慌てて念話を送って来た。
『ダメなわけない!!寧ろずっと側に居たいくらいだ!』
それに私はクスクスと笑った。
『………相も変わらず、ハナは意地悪だな。』
いじけたようなその姿にますます笑みを深めた。
「そう?まぁ、これが私だしね。それについては諦めてね?」
『ハナ、そこの駄犬だけじゃなくて俺にも構え』
不機嫌そうに言う、なんともオレ様なレッカ。
フェルは狼……ましてや神獣なんだけどなぁ。
扱いが雑。
まぁ、同じ神獣だからだろうけども。
「ごめんごめん、慌てる姿が可愛くてつい」
楽しそうに笑う私を見てか、レッカは呆れた“声”を出す。
『悪びれもせず言うところがハナらしいよな』
そりゃ、悪いと思ってないしね。
にこにこする私にレッカは頭を擦り付けて来た。
……オレ様なのにこう言う甘えん坊なところがあるから憎めないんだよね。
その頭を撫でつつ最後の1匹に視線を移す。
「琥珀、久しぶり」
綺麗な純白な毛皮を持つ琥珀。
『ん。』
幼な気に頷く琥珀に笑みを深めた。
「………ハナさん」
すると、口を閉ざしていたリンヤが口を開いた。
あ、忘れてた。
皆んなが居るの。
「何?」
「フェンネルにドラゴン、それに白虎っスよね?!!なんでそんなに神獣と契約してるんスか?!というか白虎のことは初耳っス!!」
「ん?琥珀??……あぁ、琥珀とはつい最近に契約したからね~。一時期姿見せなかったでしょ?私。その時にこの子を拾ってね、それからかな?」
「それからじゃないっスよ!どうしてそうポンポンと契約を……!!神獣は気高くその姿を現わすことはないという伝承はなんなんスか?!!嘘なんスか?!」
………大分、荒れてんなぁ。
これは……、精霊王とか創造主とも契約しているなんて言えないなぁ。
リンヤ、将来禿げるんじゃ……?
まぁ、その苦労というか悩みのタネはほとんどの確率、私だけど。
『なんだ、この人間。荒れに荒れてるなぁ』
悪気なしに言ったレッカ。
『仕方なかろう。我らはそれほど、姿を見せることがなかった。こうなる事は予測出来ただろう』
うん、“普通は”神獣の姿なんて見れないよね。
一生のうちに見れただけでも奇跡に近い、それほど神獣は神聖なのだ。
そんな神聖なモノと契約、ましてや3匹も契約しているのだ、荒れない方が可笑しいのだろう。
………それに比べて、リンヤ以外の者が落ち着いているって事の方が異常なのだろう。
キルなんて分かり切っていたような顔をしている。
「ハナが凄いのは当然だろ?リンヤ」
スグリ、それは違う。
さも当然のように言い切ったスグリに思わず突っ込みたくなった。
それはなんとか心の内に留めたが。
今も尚、唸っているリンヤに内心同情する。
…………死なない程度に頑張れ。
「う~、頭痛いっス………」
1番後ろを頭を抑えながら歩くリンヤ。
見ていてなんか罪悪感が湧くから神獣達には可哀想だけども、帰ってもらいました。
まぁ、いつでも逢えるしね。
呼べば。
名残り押しそうだったけど。
「ハナ、フェンネルとドラゴンとはいつ契約したんだ?」
スグリのその質問に全員の視線が集まる。
何気に、リンヤの視線もこっちを向いている。
「ん~、いつだっけなぁ。確か13歳らへんでだったと思うよ。フェルは何気なく召喚してみたら出て来て、レッカは樹海をフラフラしてたら洞窟が在って入ってみたらレッカが其処に居た、みたいな?」
「「「……はぁ?!!」」」
………見事に全員に呆れられた。
うん、分かってた。
自分でも言いながらあ、普通じゃないな、自分とか思ったくらいだし。
普通だったら召喚しようとして出来るもんじゃないし、樹海に入るなんて以ての外だ。
樹海、とは通称“迷いの森”のことである。
迷いの森はその名の通り、入ったら迷ってしまう森だ。
それだけではない。
その森にはSランクの魔獣がウジャウジャと住み着いている。
上級冒険者の経験値上げには打って付けな場所なのだが……何せ、一度入ったら出られないという曰く付きである。
屈強な冒険者でも怯え…んんっ、躊躇してしまう森だ。
(普通の子どもが)幼い私が入って生きて帰れるような場所ではない。
「…いつ樹海に行く機会があった?」
スグリは恐る恐る尋ねてきた。
「えーと、家族旅行の時に私、ワザと……あー、迷子になったじゃない?その時」
「「「(………ワザと??)」」」
若干、目が引いてる気がする。
いや、絶対。
「別にいいでしょ。基本的に私、快楽主義者で楽しければオッケーなとこあるし。分かってることでしょ?」
今までだってそういう事あったし。
ね?
ん?と無言の圧力をかけると視線を全員で逸らしましたよ、ええ。
失礼ね。
他はともかく、スグリとソラはそれくらい分かるでしょ。
前にも色々やらかしてたし、私。
未だに謎の沈黙が男性陣を包んでおり、それを無視して私は1人、先を歩きだした。
0
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる