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9話 迫害
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迫害を受けている?
もしかして、私が街中でジロジロと見られていたのは、動物族だったからなの?
「表立っては迫害は受けてないけど、よく思ってない人が多いの」
灯子はフードを被った。
「ここは動物族しかいないわ。街中の動物族も皆フードや帽子を被って過ごしている。私たちはフードや帽子を被っている人たちが動物族だとわかっているけど、隠している限りは触れないようにしているの」
「なんで、そんなことに」
「昔からそうなのよ。違う種族なんだもの」
「でも、同じ人間だよ」
「同じ人間だったとしても、見た目が違うんだから仕方ないのよ。あなたたちみたいに違う種族で一緒にいるのはここでは珍しいことなのよ」
灯子は、リュックからフードを取りだした。
「あげるわ」
「……ありがとう」
私は受け取り、フードを着た。耳もしっぽも隠れただろう。耳が潰れてちょっと痛い。動物族用のフードではない。
「私は用事があるから、じゃあね」
灯子はリュックを手に、貧民街の出口へと歩いていった。
「動物族の迫害……」
「杏奈……落ち込むなよ。これなら、街の人たちから見られることもないし、金星を楽しもうぜ」
アキラは私の頭をぽふっと撫でた。
「うん、わかった」
私たちは再び街へと行った。
先程の視線はなくなった。そして、よく見ると、フードや帽子を被っている人が何人か少ないがいる。
「そういえば」
無言の私たちの中で皐月が発言し始めた。
「水竜が姉さんのこと不思議な人っていってたぜ」
「不思議な人?」
「変なやつだってことだろ」
「どういう意味よ!」
私は皐月の腕に肘鉄を食らわした。
「よくあの無愛想女と話せるな」
アキラが言った。
「え?笑うと可愛いと思うけど」
皐月が答えた。
「あー!皐月くんってば、お年頃かー?」
「は、はあ!?アキラ、うるせえ!」
皐月とアキラのおかげで私たちはいつもの調子に戻った。
街の中を少し散策した私たちは昼食を食べるために宿屋へと戻った。
昼食は、丸いパンと野菜のスープだけだった。金星はなんだか質素ね。
私たちが昼食を食べようとしたら、セイライとセイアが戻ってきた。セイアが額を抑えている。そこから、赤い血が出ていた。
「どうしたの!」
私は立ち上がり、セイアに近づいた。
「大丈夫よ。転んだだけ」
「セイア!あの人たちがしたことよ」
セイライが珍しく声を荒らげた。
「セイライ、何があったの?」
「えっ……あっあの……街を歩いていたら、私に男の人がぶつかってきて、言いがかりをつけて、それに怒ったセイアに石をぶつけてきたの」
「そんな……」
セイアは席に座り、セイライが部屋から持ってきたガーゼで手当を始めた。
「ここは動物族がいないのね」
「それは」
私は、セイライとセイアに灯子に言われたことを説明した。
「そういうこと。動物族が嫌いな奴が言いがかりをつけてきたのでしょうね」
セイアが額を抑えながら言った。
「セイア……。お願い。ここでは怒ったりしないでね」
「わかったわよ。私たちもフードを被らないとね」
セイライとセイアは、一度部屋に戻って行った。
水竜も帰ってきたが、手一杯に食べ物を抱えていた。
「それ、どうしたの?」
「もらったの」
「え?どういうこと?」
「ここでは龍神族が珍しいみたい。まあ、どこでもそうだけど」
「同じ動物族なのに?」
「ここは動物族への迫害が多いみたいね。街の人から聞いたわ。でも、龍神族は珍しくて、出会っただけでも幸運だと言われてるみたいね。めんどうだから、私も杏奈みたいに帽子でも被るわ」
水竜も部屋に戻っていった。
「変な街というか、星ね……。同じ動物族なのに、迫害を受けない龍神族がいる」
「龍神族はどこでも珍しがられるからな。あと、有鱗族だな」
アキラがパンをスープに浸しながら言った。
「あの山賊の?」
「まあ、有鱗族は見た目のせいで迫害を酷く受けているけどな」
「どうして迫害を受けなきゃいけないのよ」
私がそう言っていると、横のテーブルで食べていたラミハルが口を挟んできた。
「そんなのお前たち動物が野蛮だからだろ」
「野蛮ではないわ!」
「あと、臭いし」
「臭くもない!同じ人間よ?」
「同じじゃないよ。あーあ、同じ空気吸うのやだなー」
ラミハルがそう言っていると、ラミハルの両親たちが戻ってきた。手には肉料理を抱えている。
「私たちが可哀想だと言って、料理を増やしてくれたのよ。動物なんかと一緒に旅行しているせいで、ろくな料理を出してあげれなくて申し訳なかったって」
母親がそう言って、私たちを蔑むような目を向けた。
あー、この親がラミハルが動物族を嫌悪してる原因なのかしら。この親子は、私たち動物族がどうしても嫌いらしい。
「君たちは、その質素な食事を楽しむといいよ。酒井さんたちも料理をもらってきた方がいいですよ」
父親は私たちと一緒に旅行に来てた老夫婦にそう話しかけた。
「私たちはいいですよ。ね、あなた」
「そうだね。私たちは遠慮しておくよ。街中でもいくつか食べてきたからね」
老夫婦はそう言い、スープを飲み始めた。
私たちは昼食を食べ終え、夕方まで何をするか話し合うことにした。
「灯子にもう一回話を聞きたいわ」
「この街の中から探すのか?」
皐月が聞いてきたので、頷いた。
「匂いは覚えてるか?」
アキラがそう言ったが、私は少し自信がなかったが、大丈夫だと答えた。
私たちは、灯子を探しに外へ出た。街の中を探すと、一際大きな建物の前に着いた。
「ノルマフィ・エル事務所?」
「歌手のアカリの所属してる事務所だったような」
「そうなの?」
「ああ。灯子も歌手なのか、事務員なのか。若そうだったから、働いてるとは思わなかったな」
「会えるかしら?」
私はとりあえず、事務所の扉をノックした。すると中からバンダナを巻いた女性が出てきた。
「何か御用でしょうか?」
「あの、ここに灯子という女性はいませんか?探しているんです」
女性は少し考え込んでから、答えようとしていたら、奥から人がやってきた。
「社長!」
「ユキ、俺が対応するよ」
「でも」
「いいから。アカリの様子見てきてよ」
「はい」
社長と言われている人が私たちの対応をすることにしたようだ。
「なぜここに灯子という子がいると?」
「匂いを辿ってきたんです」
「なるほどね。灯子はうちの事務員なんだけど、今日のライブの準備で忙しくてね。また出直してくれるかい?」
「そうですか……」
私は項垂れた。すると、社長がこう提案してくれた。
「灯子じゃないとダメな件かな?」
「えっと、この街……星について教えてほしくて。私たち、地球からの旅行者なんです」
「それなら、うちに居候してるあの子でも大丈夫だろう。恵ー!」
はいという声と共に、ツインテールの女性が現れた。
「話は聞いていたかな?頼まれてくれるかい」
「いいですよー」
恵さんはそう答えて、私たちの前に立った。
「私は恵。よろしくね」
「よろしくお願いします」
「あ、敬語は良いわよ。私の方が少しお姉さんっぽいけど、敬語慣れてなくて。近くの喫茶店に行きましょう」
そう言って笑い、喫茶店があると思われる方へ向かったので、私たちもそれに続いた。
もしかして、私が街中でジロジロと見られていたのは、動物族だったからなの?
「表立っては迫害は受けてないけど、よく思ってない人が多いの」
灯子はフードを被った。
「ここは動物族しかいないわ。街中の動物族も皆フードや帽子を被って過ごしている。私たちはフードや帽子を被っている人たちが動物族だとわかっているけど、隠している限りは触れないようにしているの」
「なんで、そんなことに」
「昔からそうなのよ。違う種族なんだもの」
「でも、同じ人間だよ」
「同じ人間だったとしても、見た目が違うんだから仕方ないのよ。あなたたちみたいに違う種族で一緒にいるのはここでは珍しいことなのよ」
灯子は、リュックからフードを取りだした。
「あげるわ」
「……ありがとう」
私は受け取り、フードを着た。耳もしっぽも隠れただろう。耳が潰れてちょっと痛い。動物族用のフードではない。
「私は用事があるから、じゃあね」
灯子はリュックを手に、貧民街の出口へと歩いていった。
「動物族の迫害……」
「杏奈……落ち込むなよ。これなら、街の人たちから見られることもないし、金星を楽しもうぜ」
アキラは私の頭をぽふっと撫でた。
「うん、わかった」
私たちは再び街へと行った。
先程の視線はなくなった。そして、よく見ると、フードや帽子を被っている人が何人か少ないがいる。
「そういえば」
無言の私たちの中で皐月が発言し始めた。
「水竜が姉さんのこと不思議な人っていってたぜ」
「不思議な人?」
「変なやつだってことだろ」
「どういう意味よ!」
私は皐月の腕に肘鉄を食らわした。
「よくあの無愛想女と話せるな」
アキラが言った。
「え?笑うと可愛いと思うけど」
皐月が答えた。
「あー!皐月くんってば、お年頃かー?」
「は、はあ!?アキラ、うるせえ!」
皐月とアキラのおかげで私たちはいつもの調子に戻った。
街の中を少し散策した私たちは昼食を食べるために宿屋へと戻った。
昼食は、丸いパンと野菜のスープだけだった。金星はなんだか質素ね。
私たちが昼食を食べようとしたら、セイライとセイアが戻ってきた。セイアが額を抑えている。そこから、赤い血が出ていた。
「どうしたの!」
私は立ち上がり、セイアに近づいた。
「大丈夫よ。転んだだけ」
「セイア!あの人たちがしたことよ」
セイライが珍しく声を荒らげた。
「セイライ、何があったの?」
「えっ……あっあの……街を歩いていたら、私に男の人がぶつかってきて、言いがかりをつけて、それに怒ったセイアに石をぶつけてきたの」
「そんな……」
セイアは席に座り、セイライが部屋から持ってきたガーゼで手当を始めた。
「ここは動物族がいないのね」
「それは」
私は、セイライとセイアに灯子に言われたことを説明した。
「そういうこと。動物族が嫌いな奴が言いがかりをつけてきたのでしょうね」
セイアが額を抑えながら言った。
「セイア……。お願い。ここでは怒ったりしないでね」
「わかったわよ。私たちもフードを被らないとね」
セイライとセイアは、一度部屋に戻って行った。
水竜も帰ってきたが、手一杯に食べ物を抱えていた。
「それ、どうしたの?」
「もらったの」
「え?どういうこと?」
「ここでは龍神族が珍しいみたい。まあ、どこでもそうだけど」
「同じ動物族なのに?」
「ここは動物族への迫害が多いみたいね。街の人から聞いたわ。でも、龍神族は珍しくて、出会っただけでも幸運だと言われてるみたいね。めんどうだから、私も杏奈みたいに帽子でも被るわ」
水竜も部屋に戻っていった。
「変な街というか、星ね……。同じ動物族なのに、迫害を受けない龍神族がいる」
「龍神族はどこでも珍しがられるからな。あと、有鱗族だな」
アキラがパンをスープに浸しながら言った。
「あの山賊の?」
「まあ、有鱗族は見た目のせいで迫害を酷く受けているけどな」
「どうして迫害を受けなきゃいけないのよ」
私がそう言っていると、横のテーブルで食べていたラミハルが口を挟んできた。
「そんなのお前たち動物が野蛮だからだろ」
「野蛮ではないわ!」
「あと、臭いし」
「臭くもない!同じ人間よ?」
「同じじゃないよ。あーあ、同じ空気吸うのやだなー」
ラミハルがそう言っていると、ラミハルの両親たちが戻ってきた。手には肉料理を抱えている。
「私たちが可哀想だと言って、料理を増やしてくれたのよ。動物なんかと一緒に旅行しているせいで、ろくな料理を出してあげれなくて申し訳なかったって」
母親がそう言って、私たちを蔑むような目を向けた。
あー、この親がラミハルが動物族を嫌悪してる原因なのかしら。この親子は、私たち動物族がどうしても嫌いらしい。
「君たちは、その質素な食事を楽しむといいよ。酒井さんたちも料理をもらってきた方がいいですよ」
父親は私たちと一緒に旅行に来てた老夫婦にそう話しかけた。
「私たちはいいですよ。ね、あなた」
「そうだね。私たちは遠慮しておくよ。街中でもいくつか食べてきたからね」
老夫婦はそう言い、スープを飲み始めた。
私たちは昼食を食べ終え、夕方まで何をするか話し合うことにした。
「灯子にもう一回話を聞きたいわ」
「この街の中から探すのか?」
皐月が聞いてきたので、頷いた。
「匂いは覚えてるか?」
アキラがそう言ったが、私は少し自信がなかったが、大丈夫だと答えた。
私たちは、灯子を探しに外へ出た。街の中を探すと、一際大きな建物の前に着いた。
「ノルマフィ・エル事務所?」
「歌手のアカリの所属してる事務所だったような」
「そうなの?」
「ああ。灯子も歌手なのか、事務員なのか。若そうだったから、働いてるとは思わなかったな」
「会えるかしら?」
私はとりあえず、事務所の扉をノックした。すると中からバンダナを巻いた女性が出てきた。
「何か御用でしょうか?」
「あの、ここに灯子という女性はいませんか?探しているんです」
女性は少し考え込んでから、答えようとしていたら、奥から人がやってきた。
「社長!」
「ユキ、俺が対応するよ」
「でも」
「いいから。アカリの様子見てきてよ」
「はい」
社長と言われている人が私たちの対応をすることにしたようだ。
「なぜここに灯子という子がいると?」
「匂いを辿ってきたんです」
「なるほどね。灯子はうちの事務員なんだけど、今日のライブの準備で忙しくてね。また出直してくれるかい?」
「そうですか……」
私は項垂れた。すると、社長がこう提案してくれた。
「灯子じゃないとダメな件かな?」
「えっと、この街……星について教えてほしくて。私たち、地球からの旅行者なんです」
「それなら、うちに居候してるあの子でも大丈夫だろう。恵ー!」
はいという声と共に、ツインテールの女性が現れた。
「話は聞いていたかな?頼まれてくれるかい」
「いいですよー」
恵さんはそう答えて、私たちの前に立った。
「私は恵。よろしくね」
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